special 特集:アングラ映画
ねじ式映画 私は女優?

シネマ・ネサンス自主制作作品

岩佐寿弥 監督
吉田日出子 主演

1969年作品
35mm白黒 1時間40分



国立フィルムセンター Glimpses of Nippon 2005: A Japanese Documentary Tradition
より引用

戦後の代表的なプロダクションである岩波映画製作所が、 科学映画・産業映画の発信元として優れた力量を見せ続ける中、同社の自由な風土をジャンプボードとして土本典昭(「水俣」シリーズ)、小川紳介(「三里塚」シリーズ)、 東陽一、岩佐寿弥といった旧「青の会」の演出家たちは、それぞれ自主製作に移行し、社会批判や実験性の強い長篇を送り出しました。この自主製作の潮流は、 衝撃的なデビューを飾った原一男なども加えて、この時期のノンフィクション映画を席巻します。また顕微鏡撮影の名門、東京シネマが1966年に製作活動を縮小した後、 残されたスタッフたちによる新しい題材や製作基盤の模索は、テクノロジーの深まりとともに科学映画の多様な拡がりを実現します。 一方でこの時期、民俗学の思潮が映画製作に結びつき、失われつつある伝統的な生活様式をフィルムに収めるべく、 多くの映画作家が国内各地や海外にまで足を運ぶようになりました。

「青の会」に集った演出家の中でも、岩佐寿弥は、土本・小川らのソーシャル・ドキュメンタリー志向とは異なり、長篇デビュー作『ねじ式映画 私は女優?』(1969年)以来「映像で語る」行為自体の政治性を作品ごとに提示した。

特集アングラ映画INDEX NEXT HOME