3 第2、3ストゥーパ
第2ストゥーパ


サーンチー

●第2ストゥーパ

紀元前2世紀末から前1世紀頃に建設された、サーンチーで一番古いストゥーパ。丘の下からの参道がこの第2ストゥーパに通じている。覆鉢の直径は約14メートルあり、頂部を平らに削っているものの、平頭や傘蓋はない。

1851年にカニンガムは、このストゥーパを切り開いて内部から4つの石製の舎利箱を取り出した。その中にはアショーカ時代の10人の高僧の名前が刻まれていた。このストゥーパはシュンガ朝の時代に建設されたものと見られている。


サーンチー

第2ストゥーパの周囲には、繞道を取り囲んで欄楯がめぐらされている。その四方に、入り口が設けられているがトラナは最初からない。

第2ストゥーパの見どころは、シュンガ朝時代に欄楯の柱にほどこされた円盤形をはじめとする多数のレリーフ彫刻である。そこでは、蓮華などの植物紋やさまざまな動物などが装飾モチーフとなっている。


サーンチー サーンチー

欄楯の柱の浮き彫り。うれしいものを見た。アショーカ王の石柱が彫られている。 欄楯の柱の浮き彫り。浮き彫りのストゥーパは仏陀を表わしている。この時代、仏像はまだなかった。


サーンチー

第2ストゥーパの繞道は幅2メートルほどだ。繞道に沿って設けられた欄楯には88本の柱が建っている。


サーンチー サーンチー

面白いものを見つけた!欄楯の柱の上部の浮き彫りだ。ラクシュミー(吉祥天)が2頭の象に灌水されている。これは、エローラのカイラーサナータ寺院の入り口にあるものと同じだ。仏教とヒンドゥー教の共通意匠といえる。 欄楯の柱の浮き彫り。動物や植物が、組み合わされている。


サーンチー サーンチー

欄楯の柱の獅子の浮き彫り。 欄楯の柱の象の浮き彫り。


第3ストゥーパ


サーンチー

●第3ストゥーパ

第3ストゥーパは、1世紀に建造された。規模は、基壇の直径が約15メートルと、第2ストゥーパとほぼ同じ大きさである。


サーンチー

一番後ろに見えるのは現在の寺院である。この第3ストゥーパの内部から2つの石製の舎利容器が見つかっており、そこにはサーリプッタ(舎利弗)とマハーマウドゥガリヤーヤナ(摩訶目犍連)という2名の高僧の名前が記され、人骨・水晶・真珠が入っていた。これによりシュンガ朝の時代に建設されたと考えられている。


サーンチー

第3ストゥーパの形態上は、第1ストゥーパを小規模に模していて、傘蓋の数が1枚であること以外は、第1ストゥーパと同じでだ。 しかし、今では外周の欄楯が失われ、トラナも南側の1基しかない。


サーンチー

第3ストゥーパのトラナには仏伝図はなく、ヤクシャと蓮華などの装飾文様、ストゥーパ、菩提樹の供養、インドラの天国が彫られている。


サーンチー

第3ストゥーパのトナラを裏面から望む。


サーンチー サーンチー

欄楯の柱の浮き彫り。動物や植物が、組み合わされている。 第3ストゥーパの繞道と欄楯。


サーンチー サーンチー

トナラの柱の浮き彫りは「法輪柱礼拝図 」。 トナラの柱の浮き彫りは「仏塔と天人図」。


サーンチー

第3ストゥーパから入口、駐車場方面を望む。その後ろには、広大なデカン高原が広がっている。


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イサーンの大地走行2000キロプラス サーンチーへの招待
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