2 大ストゥーパ(第1塔)
チケットショップとサーンチーの入り口まで


サーンチー サーンチー

考古学博物館の横のチケット売り場で入場券を買う。入場料250ルピー。 そして、サーンチー遺跡へ通じる丘を登る。


サーンチー サーンチー

駐車場に車を停める。 サーンチー仏教遺跡の入り口。


サーンチー

入り口を入ると、正面右に第1ストゥーパ、正面左に第3ストゥーパが見える。足早に、第1ストゥーパ目指して進む「ふうみん」。


大ストゥーパ(第1塔)


サーンチー

眼前に第1ストゥーパが見えてきた。このサーンチーの目玉は華麗な装飾を施された四方に設けられたトナラ(塔門)といえる。この、日本の鳥居に似た「トラナ」を眺め、「トリイ(鳥居)」との関連を連想するのは、「ふうみん」だけではあるまい。


サーンチー
「インド美術史」より
■第1ストゥーパ

・第1ストゥーパはアショーカ王時代(BC.3世紀)に創建され、原塔はレンガ積みで現在の約半分の直径と推測される。

・シュンガ朝時代(BC.2世紀)に原塔を石で覆って拡大した。

・基壇の直径は36.6メートル、覆鉢(ふくはち)頂きまでの高さ16.5メートル。

・サーンチー仏教遺跡で美術的に最も重要なのは、欄楣の四方に建てられた塔門(トラナ)だ。

・この4基のトラナは、1世紀初めのサータヴァーハナ朝時代に 南、北、東、西の順で建てられたという。

・2本の方柱に、それぞれ柱頭彫刻をのせ、3本の横梁を渡す一般的な形式であるが、門全面が見事なレリーフと丸彫り彫刻で飾られている。


サーンチー

●北門のトラナ

北門のトラナは逆光になり残念だ。トラナの上から1本目は「過去七仏」、2本目も「過去七仏」、3本目は「ヴィシュヴァンタラ本生」が彫られている。これらのトラナを彩る 浮き彫り彫刻の主なモチーフは、仏伝図、ブッダの前生の説話を描く 「本生図 (ほんしょうず)」、そして仏教のシンボル群である。

これらを基本にさまざまな光景の描写と装飾が、各トラナの2本の柱と、それをつなぐ3本の梁の表面を、あたかも余白を残すことを恐れたかのようにびっしりと埋めつくしている。


サーンチー

北門のトラナの裏面を順光で写す。上から、1本目は「六牙象本生」、2本目は「降魔成道」、3本目は「ヴィシュヴァンタラ本生」が彫られている。


サーンチー サーンチー

中央の浮き彫りは、ブッダが出家するきっかけとなった「四門出遊」。宮殿を出発する王子を描いている。 北門のトラナのヤクシャの素晴しい浮き彫り。守護神ヤクシャは、門の内側に一対で彫られている。樹木を背景にし、上半身は裸形で下半身は薄い裳で覆われている。頭にターバンを巻き貴人の容貌で、左手は腰に当て右手で果実をとっている。これは、豊穣神としての出自を示している。


サーンチー

トナラの真下から眺める。青空の下、2000年の歴史ロマンを感じますね。


サーンチー

●東門のトラナ

トラナの上から、1本目は「過去七仏」、2本目は「出家踰城」、3本目は「ボードガヤー精舎参拝」が彫られている。


サーンチー

東門のトナラを裏面から眺める。上から1本目は「過去七仏」、2本目は「アショーカ王のブッダガヤー巡排」、3本目は「仏塔に蓮華をささげる象たち」が彫られている。


サーンチー

東門のトナラの「樹下ヤクシー女神」最も美しく保存状態も良い。このヤクシー像は、サーンチー遺跡で最も有名な彫刻といえる。

マンゴーの樹の幹を右手に絡め、左手で枝を握り、全身を大胆に曲げたポーズ。わずかな腰飾りをつけただけの、全裸の肉体は、インド的豊穣さと官能の合体を見事に表現している。


サーンチー サーンチー

欄楯から見た、上記の東門のヤクシー女神の後ろ姿。・・・とても、色っぽいですね。 上は、ブッダが河底を歩きカーシャパ兄弟を驚かせた場面。下は、ブッダに会うために宮殿から馬車に乗り出発するビンビサーラ王。


サーンチー

東南方向から眺めた第1ストゥーパ。ストゥーパは上下2段の繞道をもち、欄楯(玉垣)で囲まれている。


サーンチー サーンチー

南門のトナラ。このトナラが一番最初に建造された。 南門のすぐ右わきに、アショーカ王の折れた石柱の基部が残っている。この石柱は、4頭背合わせの獅子の柱頭を持っている。この事からも、建造はアショーカ王時代に遡ると考えられる。


サーンチー

●南門のトラナ

上から、1本目は「ガジャ・ラクシュミー像」、2本目は「龍王護王」、3本目は「ヤクシャと如意の蔓」が彫られている。この南門のトラナは、4門の中で一番優れている。碑文によると、象牙細工師たちによって作られたという。


サーンチー

南門のトナラを裏面から眺める。上から1本目は「過去七仏」、2本目は「六牙象本生」、3本目は「仏舎利戦争」が彫られている。なお、トナラの獅子像は2本の柱に4頭ずつ丸彫りされていて、アショーカ王の石柱の上の獅子像とよく似ている。


サーンチー サーンチー

南門のトナラの近くに、アショーカ王の折れた石柱が保管されていた。有名な「4頭背合わせの獅子の柱頭」は考古学博物館に保管されている。 繞道への階段は南側にあり、その手すりにはレーフが残っている。なお、繞道は時計回りに巡るのが正式だという。


サーンチー サーンチー

第1ストゥーパの繞道は高さ5メートルの所にある 。 ストーゥパの下に安置されている仏像の首は破壊されていた。


サーンチー

第1ストゥーパの繞道から、遥か下を通過する貨物列車を望む。


サーンチー

●西門のトラナ

上から、1本目は「過去七仏」、2本目は「初転法輪」、3本目は「菩提樹供養」が彫られている。この西門のトラナは表現が煩雑で重苦しく。4門のトナラ中で美術的に一番劣るといえる。


サーンチー

西門のトナラを裏面から望む。上から1本目は「8つの部族に対して仏舎利を平等に分けた場面」、2本目は「7ヶ国の王がクシナガラに来て仏舎利を請求する場面」、3本目は「菩提樹のお堂に天人が来て悪魔が退散する場面」が彫られている。


サーンチー サーンチー

トナラ方柱の上で梁を支える財宝神クラーベ。 トナラの方柱に彫られた守護神ヤクシャ。


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イサーンの大地走行2000キロプラス サーンチーへの招待
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