行程4日目>失われた「王道」のクメール遺跡の残滓を探しに Ⅰ
走行DATA

 当日走行距離 424 km
 累計走行距離 1384 km
 当日給油 35.8 ℓ
 累計給油 74.3 ℓ
「ふうみん」の走行一口メモ
・今日の給油で前回の給油からの燃費を計算すると、

今回 7.387km
前回 6.787km
走行距離 600km
給油量 35.8L

600km÷35.8L=16.8L 1L当たり、16.8キロとすごく燃費が良い。
■6:42

朝食に向おうと、窓からパンチャダラーホテルの駐車場を見てビックリ!

昨夜、我々がマッサージを受けてホテルに戻ったのは夜の11時ごろと遅かった。

その時、駐車場には左側のバスが1台しか停まっていなかった。

と言う事は、後の二台のバスはその後に着き、そして、早この時間に出発の準備に余念が無い。


■6:53

レストランは早朝と言うのに、人々でごった返し座る場所も無い有様だ。

このホテルに2泊したが、宿泊客の外国人は我々だけの様子だった。対象はタイ人客なのだろう。

このホテルからは、旧市街にも歩いて行けるし部屋も新しく快適だ。

ホテルの格から言うと、シマターニやデュシットプリンセスコラートの方が上だが、それらに比べ地の利は良いので、それなりに利用価値のあるホテルだろう。



■7:33 昨日の朝のようなラッシュに巻き込まれるのはいやだな!と思い、ホテルの前の踏切を渡り、線路に沿った裏道を走る。

うまいことに、224号線の越線橋の脇から本線に入り、その先の226号線の左折車線にスムーズに入れた。



■8:08 226号線は、コラートからブリーラム、スリン、シーサケット、ウボンと鉄道線路に沿って走る国道だ。226号線を朝日を浴びながら東に進む。逆光の写真を見たら、印象派の絵見たいだ。


■クメールの「王道と宿駅の地図」


先ずは、コラート県の二つの宿駅

・8の Ku Sila Khan を巡り

そして、

・7の Huai Khaen へ行こう


■Ku Sila Khan と Huai Khaen の地図


遺跡に行くには、小さな道路の為、地図に載っていないので、大体の見当です。


■8:19

「宿駅・8」のPrasat Ku Sila Khan に行くため、2163号線の小学校の横のダート道を、この辺だろう?と、見当をつけて右折して入る。


■8:22

心細い道だが、行くしかない!



■8:39
クメール遺跡  No.18
遺跡名 Prasat Ku Sila Khan
様 式 Bayon Style
DHARMASALA (Hotel)8/8
途中の村の寺院に入り、おばさんに道を聞くと、1キロほど先の Wat の中に有るとの事。

それらしき Wat の前に車を停めて考えていると、おばさんが後からオートバイで追いかけて来て、「ここだよ」と指を指す。「おばさん、ありがとう!」



■8:43 「宿駅・8」の Prasat Ku Sila Khan の残されたラテライトの容姿。


■ 8:45

Prasat Ku Sila Khan には、大木が絡みつきカンボジアのクメール遺跡を彷彿とさせる。

この景色を見ていると「東南アジアの遺跡を歩く」の著者の高杉等さんが、タイの公園風に整備されたクメール遺跡の現状を嘆く気持ちが、何か分かるような気がする。


■9:34

2163号線を226号線まで戻り、コラートとブリーラムの県境付近のそれらしい道?を見当をつけて右折する。

途中の村で聞くと、この先でいいとの事で安心して走る。

舗装された道路からダート道を走る。



■9:37
クメール遺跡  No.19
遺跡名 Prasat Huay Khaen
様 式 Bayon Style
DHARMASALA (Hotel)7/8
「宿駅・7」の Prasat Huay Khaen に到着。

ここにも大木が立っていた。



■9:41 この宿駅には、東南方面にバライが残されていた。11世紀のサドックコックトム碑文(119節)に「道中には、旅人のための宿と貯水池がある」と記されている。このバライはその貯水池だろう。



■9:41 建物の上部は崩壊しているが、窓も残っており保存状況は思ったよりもいい。

しかし、付近に置かれた石にはペンキでNo.を書いてある事から、最近一部を組み直した物なのかも知れないな?


■ブリーラム県のクメール遺跡本の地図


裏表紙に載っていた地図。

この配色と左下の二重の環濠に囲まれた古代の村 Muang Fai の絵にはシビレましたね。

また、上部の Samrong は宿駅?と言う遺跡なので、どうしても外す訳には行きません。

眺めていると、是非とも行って見たいと思う気持ちが湧いて来る「地図」ですネ。



■10:30 Prasat Samrong を探して入ったイサーンの大地の風景。この道の手前で村人から、この先にあると聞いたが少し心細くなった頃に目指す遺跡はあった。


■10:31

Prasat Samrong は、農道のカーブ際にあった。

レンタカーを停める。



■10:33
クメール遺跡  No.20
遺跡名 Prasat Samrong
様 式 Bayon Style
DHARMASALA (Hotel)?
Prasat Samrong は宿駅なのか?非常に興味のある遺跡だ。


■クメールの「王道と宿駅の地図」

アンコールからピマーイへの約300キロの王道にある宿駅は、カンボジアで9棟、タイで8棟あるが、これらの間隔は11キロから20キロ間隔(徒歩3~5時間)で設けられている。

それに対し、「宿駅・7」の Prasat Huay Khaen から、この Prasat Samrong は直線で約7キロと近すぎる。

しかし、「宿駅・7」の Prasat Huay Khaen と「宿駅・6」の Nong Ta Plaeng 間は直線で約21キロと一番長い。


■10:37

この遺跡の崩壊の度合い酷さから考えると、サドックコックトム碑文(119節)に記されているジャヤヴァルマン7世以前の時代に造られた宿駅の一つと思われる。


■11:01

二重の環濠に囲まれた古代の村 Muang Fai に来た。

静かな佇まいのいい雰囲気の村だ。

この静かな村を一周するが、クメール遺跡の痕跡は無い。


■11:10

この様な田舎の道を走ると、行き止まりになったし、そこに居た村人に聞くが全く分からず。

そんな事を繰り返し、時間ばかりが経っていく。


■11:21

村の中心の店で聞く。

Prasat Bueng は近くらしい。

その店先で、全く無防備な格好で寝ていた犬をパチリ。


■11:31

小さな丘の上に小さな社が置かれ、その前にクメール遺跡の石らしきものがあった。



■11:32
クメール遺跡  No.21
遺跡名 Prasat Bueng
様 式
多分、これが、Prasat Bueng だと思う。
…もしかして、間違っているかも知れません。


■11:55

2166号線を Lam Plai Mat の町まで戻り、ガソリンを給油する。

昨日のスタンドより高いのは、その分だけ田舎に来たと言う事だな。


★給油DATA

給油価格 860 (B)
給油量 35.85 (L)
ガソリン1L当り 24.0 (B)


■12:06

スタンドに併設された「アマゾン」で、アイスコーヒーとハンバーグとサンドイッチの昼食を摂る。


■12:10

ハンバーグとサンドイッチは、隣のセブンイレブンから造って運んで来た。

昼食代、191バーツ。


■ここで、是非行きたい遺跡があった。T.I. さんから掲示板に投稿のあった写真のKuti Ruesi 遺跡だ。

[468] T.I. 2006/09/24 22:03:08

Briram県ChamniのKuti Rushi Bang Nong Thaoの写真をUPします。
この写真を撮った直後、基壇の内側へ入ろうとした時、どこからとも無く大きな怒鳴り声が聞こえ、祈祷師のような女性が現われ、その怒りの迫力は、説明できません。
もちろん、その女性にカメラは向けれませんでしたし、主祠堂の内部は確認してません。逃げ帰った次第です。
後で写真を見ると、その時は気になりませんでしたが、黄色と白色の旗と、紐で旗竿が結ばれてましたので、もしかするとこの領域に入る事自体に問題があったかもしれません。

この遺跡を30分ほど探すがどうしても分からず、とりあえず次の遺跡に向う。


■13:05

2073号線の Chamni の町で取締りをしていた警察官に「宿駅・6」の Prasat Nong Ta Plaeng を訪ねる。

百メートルほど行った道を右折して、真っ直ぐ進み橋を渡った所を右折し、そのまま進むと在るという。

教えられたダート道を進む。


■13:28

かなり進むと寂れた寺院があった。

そこの寺院の奥に目指す「宿駅・6」のPrasat Nong Ta Plaeng があった。

写真のお坊さんに聞くと親切に案内してくれた。

カメラを向けたらポーズをとった。



■13:30
クメール遺跡  No.22
遺跡名 Prasat Nong Ta Plaeng
様 式 Bayon Style
DHARMASALA (Hotel)6/8
ここの宿駅の崩壊は激しい。

遺跡の手前には仏像が置かれていた。



■ 13:31 宿駅の構造上の特徴は、王道に面した南側だけに窓があり、北側には無い。その窓がない分だけ北側の壁の強度が強く、現在でも残っているのだろう。



■13:44
クメール遺跡  探し出せず
遺跡名 Kuti Rushi Bang Nong Thao
様 式 Bayon Style
AROKAYASALA(Hospital)
「宿駅・6」の Prasat Nong Ta Plaeng から、ダートを北上して、上掲のT.I. さんから投稿のあった Kuti Rushi Bang Nong Thao に行きたい。

それにしても、すごい道だ。そしてこの先で、ついに車は進めなくなった。仕方がない、Uターンして戻る。



■14:16 また2073号線に戻り、他の道から再度チャレンジするが、水郷にぶつかりついに断念する。 Kuti Rushi Bang Nong Thao 遺跡の近くまで来ていると思うのだが?とても残念だ。



■14:36 「宿駅・5」の Prasat Nong Phlong を目指す。2073号線を走り、先ほどのChamni を過ぎて、標識のある交差点を左折する。

そして、Nong Phlong の村のガソリンスタンドに居た村人達に聞くと、ここで間違いないと思った道を違うと言い、もっと戻れと言う。

しかし、発見した遺跡からの帰り道に、ここを通った。「ふうみん」の方が合っていた。このため、20分ほど時間をロスしてしまった。


■15:06

ダート道を走り、人気が全くなくなり、もしかして通り過ぎたのかな?と、少し心細くなった頃に、寂れた寺院が左手にあった。

中に入ると目の前に「宿駅・5」のPrasat Nong Phlong があった。



■15:08
クメール遺跡  No.23
遺跡名 Prasat Nong Phlong
様 式 Bayon Style
DHARMASALA (Hotel)5/8
ここの遺跡の崩壊も激しい。

ラテライトが小山全体を覆っている。



■15:09 やはり、先ほどの「宿駅・5」の Prasat Nong Ta Plaeng と同じく北側の石組みが残っている。


■15:27

入口まで戻ると、先ほど道を間違えて教えた村人が居た。

少し走ってから、締め切った車内でそれも小声で「バカヤロー…メ!」とつぶやいた。

218号線に出て、右折してナンロン方面に向かい、途中で左折して「宿駅・4」の Prasat Nong Kong を探すが分からず。

今回は早々に断念して、明日改めて探す事にする。


■15:57

早々に断念した理由は、今晩の宿をナンロンにしたいためだ。

ナンロンは24号線のブリーラムの要所の町だが、大きなホテルは無くネットでの予約は出来ない。

そのため、明るいうちに適当なホテルかゲストハウスを探さなくてはならない。

ナンロンの街中を速度を緩めホテルを探す。


■ 15:10

「yayo」がホテルらしいよ!と言うので、早速入り交渉する。

看板等は全てタイ語だ。これではホテルの名前も分からない。名刺を貰うが、同じ事だ。

スタンダードルーム400バーツ、VIPルーム600バーツとの事で、両方の部屋を見せてもらう。

VIPルームの方が洗面が広い。


■ナンロンの観光地図

VIPルームに決めて600バーツを支払うと、部屋の鍵をくれた。

その時、英語の話せる女の子がナンロンの観光地図を持って来てくれた。

これで、このホテルの名前がやっと分かった。

ホテルの名前は「Ruan Nangrong Resort」という。

この地図の中央左の「H2」の場所で、24号線の病院の横道を入った所にあり、車では便利な場所だ。



■16:30 ホテルが決まった。さあ、次の遺跡に行こう。ナンロンから348号線を南に走る。


■ブリーラム県のクメール遺跡本の地図

ナンロンから20キロほど南の Pa Kham に、クメール遺跡がたくさん在る。

その中の主な遺跡を巡ろう。



■16:49
クメール遺跡  No.24
遺跡名 Prasat Khok Ngiao
様 式 Bayon Style
AROKAYASALA(Hospital)
Prasat Khok Ngiao 遺跡は寺院の右奥にあり、13世紀のジャヤヴァルマン7世が102ヶ所造った「施療院」だ。


■16:53

この遺跡の「経蔵に聖水を流すソーマスートラ」が設けられているか?を調べる。

T.I.さんから、この遺跡の「経蔵」にそれらしい石が置いてあり、調べてほしいとの依頼を受けた。


■16:53

写真中央の逆凹型の石だが、どうも後世に適当に積まれた石の様だ。

確信は持てないが、ソーマスートラではないと思われる。


■ 16:54

西日に輝く Prasat Khok Ngiao の祠堂。

崩れた屋根はトタンで修理してあるが、赤い布を巻かれた姿はなかなか立派だ。



■17:08
クメール遺跡  No.25
遺跡名 Wat Pho Yoi
様 式
Pa Kham の街の中心近くの Wat Pho Yoi に行く。まぐさ石が5本あると言うが、境内に入り探すが分からず。近くにいた僧侶に聞くがうまく伝わらない。

高杉等さんから、まぐさ石のことをタイ語で「タプラン」と言う。と聞いていたので、僧侶に「タプラン」と言うと、このトタン屋根の小屋(祠堂?)を教えてくれた。



■ 17:08 古びたトタン屋根の小屋の前には、四方の砂山に赤い旗がたてられ、その結界の中にさらに小さな砂山。…一体、何なのだろう?。



■17:12 トタン屋根の小屋の中にある基壇部には、4本のまぐさ石がはめ込まれ、1本はその横に置いてあった。

基壇の裏にはめ込まれたまぐさ石は、写真を撮るのも大変だったが、神象に乗るインドラ神のレリーフは彫りもしっかりし、なかなかのものだ


■17:15

トタン屋根の小屋の中には、クメールの遺物が無造作に置かれていた。

この古びたトタン屋根の小屋の基壇は、ラテライトでしっかり造られていたから、多分ここには、昔クメールの祠堂が建てられいたのだろう。

そして崩壊した祠堂の基壇の上に、トタン屋根の小屋が建てられたと思う。


■17:17

その小屋の四方には、セーマー石(結界石)が置かれていた。そのセーマー石を取り込んだ木。

「yayo」はこの木を見て、
「アユタヤにある有名なワットマハタート見たいね!」と言った。





■17:26 Pa Kham の街から、224号線を数キロ走った大きなカーブ際に学校を併設した教会がある。

入口の教会の破風にはクメール風のレリーフがあり、その中に遺跡があるのかな?と入って見たが無い。


■7:28

遺跡を探していると、若い清楚な尼僧に出会ったので、クメール遺跡を聞くと、親切に遺跡まで案内してくれた。

お礼をいい、写真をお願いした。

…この、尼僧の写真をトップページに使おうと思いながらシャツターを切る。



■17:30
クメール遺跡  No.26
遺跡名 Prasat Ban Mai Thai Charoen
様 式
Prasat Ban Mai Thai Charoen 遺跡は、この木々の小道の奥に西日に輝いて建っていた。


■17:31

クメールの砂岩のフレームの向こうのヨニ(女性器)の上に処女マリア像が建っている。

本来ここにはリンガ(男性器)が安置される場所なのに!

まあ、タイだからマイペンライの精神で、これでいいのでしょう。

マリア像の後からは西日が差し込み、何か神々しく感じた。


■17:35

周りには、遺物の石が無造作に置かれていた。



■17:51 224号線を西に向かい走っているとイサーンの大地に夕日が沈んで行く。もう1つ行きたいクメール遺跡がある。そこまでは、先ほどの遺跡から60キロも離れている。明るいうちには、多分着けないだろう。



■17:59 224、2317、2166号線と飛ばして走り、Wat Yoi Prasat を目指す。


■18:32

Wat Yoi Prasat の門に入った。

もう真っ暗だ、近くにいた小坊主にPrasat Yoi Prasat の場所を聞く。



■17:39
クメール遺跡  No.27
遺跡名 Prasat Yoi Prasat
様 式
寺の境内の右奥に、目指す横たわるヴィシュヌ神のまぐさ石があった。



■18:33 まぐさ石の後に飾られた仏像。どうにか間に合って良かった。


■18:45

24号線をナンロン目指して飛ばす。

さあ、ナンロンに帰って夕食にしょう。


■19:24

先ほどのホテル(Ruan Nangrong Resort)で貰った地図が役に立った。

上記の地図の貯水池の畔に2軒のレストランが在る様なので、そこに行って見よう。


■19:24

地図記号で11番の表示がある Ta Wan Ngam Restaurant の方が、客が多く流行っているようなので、このレストランに入る。


■19:30

Ta Wan Ngam Restaurant の内部。

バンドが演奏をしていた。


■19:37

音楽を聞きながら、写真の料理を注文。味はマ~ア、マ~アだ。

ビール2本とコーラを飲みながら、忙しかった今日の遺跡めぐりを話す。

色々な出来事があり、話題は尽きない。

食事代はチップを含め460バーツ。


■20:47

ナンロンの街のセブンイレブンで買い物をして、ホテルの部屋に入る。

これがVIPルームの調度だ。

「yayo」がベッドに座り、このベッドのスプリングはファファよ!と言う。

まあ、今晩寝れればいいよ!と「ふうみん」は答えた。
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イサーンの大地走行2000キロプラス クメールの残滓を探しに
イサーンの大地走行2000キロプラス クメールの残滓を探しに