4 南群の寺院
■南群の寺院の配置


南群の寺院はヒンドゥー教の寺院が2か所ある。不便な場所だが、時間が許せば是非訪れていただきたい。

1、ドゥラーデオ寺院  (Duladeo Temple)

2、チャトゥルプジャ寺院  (Chaturbhuja Temple)


1、ドゥラーデオ寺院  (Duladeo Temple)



ドゥラーデオ寺院は、広い整備された公園の中に佇んでいる。生憎、写真撮影時は逆光だった。



ドゥラーデオ寺院は12世紀前半に建立されたシヴァ神殿。ドゥラーデオとはシヴァ神を指し、「聖なる花婿」の意味。寺院の建物は新しい石材を多く用いて復元されているので、白っぽい印象。



マンダバの柱上彫刻。



マンダバの天井彫刻は、他の寺院と比べ精緻さに欠ける。



マンダバは広く魅力的なデザインだ。



シカラの側面を三条の帯となって隙間なく彫刻が刻まれている。上段には今まで他の寺院では、見られなかった飛天像がある。



この寺院で素晴らしいのは、この飛天の彫刻だ。斜めにリズミカルに配置されている。



稚拙なミトゥナ像があった。 こちらのミトゥナ像の女性は股間を露わにしている。



基壇の彫刻は戦闘場面が彫られていた。


2、チャトルプジャ寺院  (Chaturbhuja Temple)



チャトルブジャ寺院は1100年の建立。チャンデーラ朝の経済的衰退を反映して、聖室とマンダバという簡素な建物となっていある。



マンダバと聖室入口の精緻な彫刻が目を引く。



マンダバの彫刻は簡素だ。



聖室内の本尊のヴィシュヌ神像は4武装している。 聖室入口の女神像はヴィシュヌ神の妻ラクシュミーと思われる。



上記、ドゥラーデオ寺院と同じく飛天彫刻が見事だ。



飛天の柔らかな躍動感に比べ、色々な姿態の女性像はあまり魅力的でない。



この寺院にも、ミトゥナ像があった。 ヴィシュヌ神の4番目の化身ヌリシンハ(人獅子)像。




チャトルブジャ寺院は夕日が美しく見える寺院として有名なので、カジュラホ見学の一番最後に持ってきた。カジュラホの他の寺院は全て東向きに造られているのが、このチャトルプジャ寺院だけは西向きに造られているとの事。



チャトルブジャ寺院の西向きのマンダバ内から眺めたデカン高原に沈む夕日。さあ、朝からの長いカジュラホ見学もこれで終了だ。ホテルに帰って、シャワーを浴びて冷たく冷えたビールでも飲もう。



カジュラホで時間的余裕があれば、ホテルに2泊して西群の遺跡だけでなく、東群と南群の遺跡も巡ってもらいたい。上記の写真の様に最後は夕日の美しいチャトルブジャ寺院で終わると、実に充実した1日を過ごせたと満足出来る。

このカジュラホは、当サイトのインド遺跡シリーズでは「エローラ」、「アジャンダ」、「サーンチー」に続いての4作目となるが、前3作と異なり、参考になる書物の少なさに気が付いた。カジュラホに代表されるエロチックなミトゥナ像のため、真面目な学者諸氏が研究対象から外すのかな?と要らぬ推察をしてしまった。

また、こんなもの好きも少ないと思うが、私「ふうみん」は、前泊地のボパールからレンタカーで400キロ余りドライブしてカジュラホに着いた。インド3540キロ走行の中で一番の悪路であった。2012年11月現在、このルートはオススメしない。



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イサーンの大地走行2000キロプラス カジュラホへの招待
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