16 上信越に紅葉と蕎麦と神社を巡る 2014.11
5時46分、圏央道の「相模原愛川IC」に入る。


関越道「上里SA」にて、朝食のそばを食する。

まあ、味はこんなものでしょう。


北関東自動車道の「駒形IC」で降りて「二宮赤城神社」に到着。

今日は、3か所の赤城神社を巡って見ようと思う。

二宮赤城神社は、前橋市二之宮町にある。旧社格は郷社。

「赤城神社」の大元とされる「延喜式神名帳」記載の名神大社の比定を巡って、三夜沢赤城神社・大洞赤城神社・二宮赤城神社の3つの神社間で議論がなされてきたが、今だ決着はついていない。


入口の石燈籠の足の下の阿修羅が、面白い味を出している。


続いて、「産泰神社」に行く。

産泰神社は神社名が示す通り、安産・子育ての守護神。

創建は不詳。社伝古志故事録は、小田原北条氏の乱に焼滅した。

日本武尊の東征の折り此地に勧請せしといい、また履中天皇元年鎮座ともいわれている。



拝殿の龍の彫刻は、なかなか見事なものだ。


「ふうみん」の目的は、この磐座。

本殿の裏に、13万年前に赤城山の「石山なだれ」により出現したという磐座がある。

残念ながら、立ち入り禁止。


この辺りは古くから開けていたようだ。

「大室公園」には、約1400年前頃の前二子古墳、中二子古墳、後二子古墳の国指定史跡の3基の古墳が整備されている。

公園から、赤城山を望む。



「中二子古墳」は、墳丘長111mの大室古墳群最大の前方後円墳で、墳丘は2段構築となっている。復元された埴輪が、創建当時の面影を伝えている。

「ふうみん」は、1年前に復元された長野の「森将軍塚古墳」を訪ねたので比較すると面白いネ。


「三夜沢赤城神」

赤城神社は、前橋市三夜沢町にあり、式内社(名神大社)論社、上野国二宮論社。旧社格は県社。

正式名称は「赤城神社」であるが、他の赤城神社との区別のため「三夜沢赤城神」とも呼ばれる。


「ふうみん」の見たかった「神代文字」

初めて見た印象は、ハングルだね。

神代文字の碑は、復古神道の遺物として明治3年に建碑された。

碑文は平田鐵胤、神文は平田延胤による撰文。

神文「マナヒトコロノナレルコヱヨシ」は、対馬の阿比留家に伝わる阿比留文字で書かれている。


「俵杉」は、中門南側とその西隣に立つ樹高60mの3本のスギの大木の名称。

本殿前の2本は左右一対で並ぶ姿は荘厳だ。

ここから、1300m登った地には「櫃石」と呼ばれる磐座を中心とした祭祀跡が残っている。

行って見たい思いがあるが、所要時間を考えて今回はパス。



赤城山の中腹の展望台から眺めた関東平野。


赤城山頂上の「大洞赤城神社」

正式名称は赤城神社であるが、他の赤城神社と区別するため「大洞赤城神社」とも呼ばれる。

創建は不詳。社伝では、豊城入彦命が上毛野を支配することになった際に山と沼の霊を奉斎したという。

その後、允恭天皇・用明天皇の時代に社殿を創設したと伝える。


新しい社殿は、赤城山山頂をバックに大沼湖畔に位置する。


創祀当初は、神庫山中腹に祀られていたというが、806年に大沼の南の畔(現在の大洞旧社地)に遷座した。

旧社内には、残念ながら立ち入り禁止で入れず。


「道の駅ふじみ」にて休息。

家人の「yayo」は、キノコやリンゴ等を購入。


渋川市内の蕎麦店「けむりや」にて、昼食を摂る。

江戸時代創業のお店で、店内には当時のこね鉢が飾ってある。

「そば定食」の蕎麦もなかながだったが、掻き揚げ丼のかけ汁が美味しかった。


榛名山の展望台から、先ほど登った赤城山を望む。


「榛名神社」の「随神門」。

榛名神社は、式内社で旧社格は県社。

榛名山の神を祀る神社で、主祭神は火の神・火産霊神と土の神・埴山姫神である。


「三重塔」。

当初の三重塔は慶長5年の建立。

荒廃が激しく江戸時代末に改築され、明治2年に完成。高さ16m。

そんなに古いものではないが、石段の下から眺めると荘厳だ。


榛名神社の見事な紅葉と立派な杉の対比がとてもいいね。


「本殿」と「御姿岩」。

本殿は、背後に聳える「御姿岩」にご神体をお祀りし、接続して権現造の社殿が建てられている。

本殿を飲み込むように建つこの岩は、神様自身のお姿であるともいわれている。

この様に、磐座と社殿がミックスした神社の本殿はとても面白い。


神社巡りを終えて、日本ロマンチック街道の国道145号線を走る。

信号待ちの吾妻鉄道と紅葉。



晩秋の「野反湖」を見たかった。残雪の野反湖に十数年前に訪れ、その日本の風景らしからぬ風情に驚いた思いがある。

野反湖は、群馬・長野・新潟3県の県境に位置し、周囲を2000m級の山々に囲まれた、標高1513m、水深25m、周囲12kmのダム湖。湖水は信濃川系に属し、日本海に注ぐ。



野反湖をダム方面から望む。平日のこの時期、観光客は我々のほか1組のみ。


夕日に向かって、草津温泉を目指して車を飛ばす。


カーナビは楽だね。

草津温泉の狭い道を、旅館まで間違いなく案内してくれた。

草津温泉「松の井旅館」に投宿。


松乃井旅館の風呂は、湯畑源泉を使用した源泉掛け流しだ。

24時間入浴できるのはうれしい。

夕食前、夜中、寝起きと3回ほど、この温泉を堪能した。

・・・本当に、いいお湯でした。


















温泉街を朝の散歩に出たら、「御座之湯」という日帰り温泉入浴施設ができていた。

確か以前は、駐車場だった場所だ。

ここに駐車した思いがある。

2013年4月にオープンしたとの事。



「湯畑」は、温泉街の中心に位置する草津温泉のシンボル。毎分4000ℓもの源泉が湧き出ている。

この湯畑の周辺は、瓦を敷きつめた歩道、石柵、白根山をかたどったベンチなどの公園となっている。


朝食を終えて松の井旅館を出発し、国道292号線を長野方面に走る。

国道292号線は、草津市街の信号を過ぎると、長野県中野市までの50キロ間が信号がない道路で、国道の最高地点を通る。

なお、292号線は今週末で冬季閉鎖期間になる。



国道292号線を走っていると朝靄が突然切れた。そして、眼前に「草津白根山」がその独特な風貌を現した。

2014年6月、気象庁は噴火警報を発表し、噴火警戒レベルを引き上げた。国道292号の通行は可能だが、山頂付近は駐停車禁止となっている。


「中央分水嶺」の碑。

西側に降った雨は、千曲川に流れ込み、新潟県に入って信濃川と名前を変えて日本海に注ぐ。
(信濃川水系)

東側に降った雨は、吾妻川から利根川に流れ込み、関東平野を横切って太平洋に注ぐ。
(利根川水系)



「横手山ドライブイン」の駐車場から、北アルプスを望む。ここは、「ふうみん」の大好きな風景だ。ドライブインは、営業期間を終えて観光客は一人もいない。

国道292号線の渋峠より、約1.5キロ地点の標高2100mの「のぞき」にある。


道の駅「北信州やまのうち」で休憩。

ここで、天然キノコ・果物・野菜を購入。


以前から気になっていた「飯山城址公園」に行く。

この城は、上杉謙信が信濃侵攻の戦略拠点として築いた城で、階段式に郭を配した「後堅固の城」。

信玄との12年間の合戦にも攻め落とされなかった。

その後、上杉から武田へ、さらに織田、再び上杉へと、めざましく変わった。



天守閣の近くには、銀杏の落ち葉が日の光を浴びて黄金色に輝いていた。


昼食に、野沢温泉にある「そば処 鈴木」に入る。

昨年の春、このお店で美味しい蕎麦を食べた。


「ぜんまいの煮つけ」に、写真を撮る前にほとんど食べてしまった「野沢菜」。

ビールのつまみには最高だ。


野菜の天ぷら。


手打ちの蕎麦をいただき、満足して、店を出る。

今回の野沢温泉訪問では、初めて温泉に入らなかった。

それは、今朝までたっぷりと浸かった草津温泉の満足感が尾を引いていたからだ。


国道117号線を長野から新潟に向かって走る。

県境の売店でラフランスを購入。


津南から、山の中の紅葉を求めて国道405号線に入る。

国道とはいえ道は狭く、対向車はない。



この辺りから、松之山・松代にかけて美しい「棚田」が至るところにある。



その、名も知れぬ「棚田」の風景を眺めながら一休み。


「十日町博物館」で、国宝の縄文時代の「笹山遺跡出土深鉢形土器」を見学。

笹山遺跡出土深鉢形土器とは、有名な火焔型土器を含む928点の出土品で構成されている国宝。

写真は、Flame Type Vessel, No.1
高さ 46.5cm、最大径 43.8cm



国宝「笹山遺跡出土深鉢形土器」。十日町市中条の笹山遺跡から出土した火焔型土器を含む土器・土製品、石器・石製品、ベンガラ塊で構成される928点。平成11年6月7日付けで国宝に指定された。


4年前にこの博物館を訪ねた。

土器に比べ土偶の印象が薄かったので再訪して確認したかった。

やはり、土偶の良品は無かった。



以前から地図を眺めていて気になっていた「魚沼スカイライン」へ初めて乗り入れた。ススキ越しの夕日が美しい。



標高920mの「魚沼展望台」から眺めた、夕暮れのパノラマ。


六日町の「五十沢温泉旧館」は、3度目の入浴になる。

入浴後、管理人のおばさんと話し込み、ここの2階の部屋を見学させてもらった。

低料金(値段は失念)で泊まれるとの事。


今回の旅の最後のお楽しみは、「味乃家 魚野川」での夕食。

「yayo」は、この店の天然キノコの塩漬けの購入が来訪の目的の一つ。

隣のテーブルのトロが美味しそうだったので注文した。

新潟港から運ばれた魚は新鮮だ。


天然キノコの天ぷら。


店主の「ガクさん」自慢の十割蕎麦をいただく。

「ふうみん」は、ガクさんの「手打ちそば」の妙技を目の当たりにして「そば打ち」をやめた経緯がある。


天然キノコ汁も美味い。


「yayo」は、ここの石窯ピザも好みで、Ⅼサイズを注文した。

お腹がいっぱいで食べきれず、2/3以上はテイクアウト。


8時に関越道の「堀之内IC」に入る。

10時40分、圏央道の「産廃トンネル」を走る。

産廃の土壌を避けV字型に掘られたトンネルのため、渋滞を避けるため緑のランプが点灯している。

今春、圏央道が関越道と繋がったので、相模原の自宅まですんなりと帰れるのはとてもうれしいね。
イサーンの大地走行2000キロプラス 小さな旅のアルバム
イサーンの大地走行2000キロプラス 小さな旅のアルバム