movie thater アンダーグラウンド蝎座
アンダーグラウンド蝎座についてひとこと


「蝎座」の入口
1967・6・20に、アンダーグラウンド「蝎座」はオープンした。

アンダーグラウンドと実験映画、演劇等の新しい芸術運動といえば直ぐに「蝎座」とイコールのイメージで結びつく。

「新宿文化」の横の裏道から狭い階段を降ると、そこには真紅の絨毯を敷き詰めた不思議な空間があった。席数は80のミニ劇場で、黒い壁面だった。確か、バーの設備もあり入る時は靴を脱いで席に座った。絨毯スナックのはしりでもあった。

60年代後半、新宿は若者文化の発祥地だった。アンダーグラウンド、サイケデリック、ピーコック・リヴォリューション等の横文字が氾濫し、街には「新宿こじき」と称するヒッピーが生まれ、70年安保に向けての学生運動が活発だった。若者の髪型は長髪になり、街にはフォークソングが流れていた。

当時の新宿は高度成長の中、混沌と期待と雑踏が入り混じり、まさに活気のある「アジアの街」だった。その数十年後、台北、香港、ソウル、バンコクとアジアの街を歩き回ったのは、その頃の郷愁が心の片隅に残っているからなのであろうか。

2004.5 「ふうみん」
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