イサーンの大地走行2000キロプラス ひとりごと
41、ミャンマーのビールを飲みながら… 2010.04.09
先日、知人の親戚の方がミャンマーから帰国した。そして、その方のお土産のビールをお裾分けして頂いた。このミャンマービール(Myanmar Beer)はアジアでもっとも美味しいビールと評価され、モンドセレクションで金賞を6回も受賞しているという。


ビールの主である親戚の方は、ミャンマーの首都ヤンゴンに在住して手広く事業をなさっているとの事。その方の話を又聞きした所では、
…民主化のヒロインであるアウンサンスーチーが2010年の選挙をボイコットし、最大野党が解散する本当の理由は、アウンサンスーチーが選挙に出馬しても受からないから体よく降りたのだと言う。

アウンサンスーチーは日本を始め欧米の先進国やNGOなどからの援助を頑なに拒んでいる。以前日本のNGOの方が「日本政府がビルマ国民を助けるために出来ることは何か?」と聞いたところ、「日本政府がビルマ国民の為に出来る事は民主化を理解し支持すること。民主化が達成されるまで、日本がビルマを助ける方法はない。」と言い切った。

このように頑なな姿勢のためミャンマーに対しての開発援助や投資は少なく、ミャンマー国内のインフラ整備は遅れている。その割を一番食っているのが貧しい一般の国民なのだ。そのため、アウンサンスーチーの人気は国民の間ではあまり無い。というのが実際でのミャンマーの現状との事だ。

「ふうみん」は、「第6部ビルマ辺境を走る」のあとがきに「アウンサンスーチーを民主化と悲劇のヒロインに祭り上げたマスコミ報道には組みしないが、今の軍事政権を正当化するつもりも全く無い。」と書いた。

そして、東南アジアの各国を巡った今、途上国や最貧国における人権・民主主義が普遍的、絶対的な真理なのか?西欧流の価値観を推し進める事で、これらの国に平和と安定をもたらすのか?とはなはだ疑問に思う様になった。

頂いたミヤンマーのビールを飲みながらそんな事を考えていると、ミャンマーに行って「実際に自分の目で確かめて見たい!」という思いが、心の奥からフッフッと湧いて来て、心なしかビールの味も少しほろ苦く感じた。


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