イサーンの大地走行2000キロプラス ひとりごと
22、イサーンの心地よさ 2006.9.2
先日、下川裕治氏の「アジアリゾートに暮らす」を読んだ。内容は夫婦と子供二人の家族4人で、バリ島のサヌールとヌサドゥア地区に月30万円で暮らすリゾート案内だ。

その中でバリ島に関して、下川裕治氏が旅行者の視点から指摘する批判に対し、「ふうみん」は読みながら「うん。そう!そう!」と何度も相槌を打ってしまった。

バリ島という素晴らしい自然の中で、宗教と芸能をベースにして欧米風につくり上げられた、何か不自然に感じられる「観光客向けの色々な仕掛け」。欧米人たちに迎合して作られた「楽園幻想」の島、バリ。

バリ島で「ふうみん」は、両替をするにも何か信用できず、普段は信用してしない、インフレで多数枚のルピア紙幣を数えた。ガソリン代も何か誤魔化されたようだったし、食事や買物代も料金とお釣りを入念に確認しなくてはならなかった。

そして、せっかくリゾートとリラクゼーションを求めてバリ島に来たのに、周りに対して常に神経を張り詰めてい無くてはならず、素晴らしい自然の中に、何か常にすっきりしない気分の自分があった。

それに比べ、今回の旅「知られざるイサーンをゆく」はどうだったかを考えてみた。食堂で地元の人と同じ様に食べてぼられたことは無く、チップを渡したらマイペンライ(気にしないで!)と受け取らなかった。コンビニでお釣りを受け取るのを忘れ、品物だけ受け取って外に出たらレジの女の子が息を切らしてお釣りを届けてくれた。

当たり前の事の様だが、下川裕治氏の本を読んで改めて気がついた。これが「タイ」、特に「イサーン」に嵌まった大きな理由ではないか!すなわち、「イサーンの心地よさ」だ。

今回の旅行でも、レンタカーでイサーンを走りながら、助手席の家人の「yayo」が、ふと、つぶやいた。
…「タイの道をズーッと旅していて、なんの違和感も無いわネ!
日本の田舎を旅しているのと同じで、なんのストレスを感じないわ!」

その言葉の根底にあるのは、まさに「イサーンの心地よさ」に他ならない。


アジアリゾートに暮らす

下川裕二著

1995.2.10発行

双葉社

定価1500円


イサーンの大地走行2000キロプラス ひとりごと