イサーンの大地走行2000キロプラス ひとりごと
13、ジャヤバルマン7世像の謎の解明? 2005.8.7
今年の1月に「イサーンについて私の知っている二、三の事柄」のコンテンツに「ジャヤヴァルマン7世像の謎」という文を書いた。

…「ふうみん」も初めてプノンペンの国立博物館のジャヤヴァルマン7世像の写真を見たときに、一瞬、座像がピマーイからプノンペンに移されと思ったんだ。そして考えた。

なんで同じように両手が肩の付け根からか破損しているのだろうか?2点の像はなんと数百キロも離れた場所に在るのに!

これは、ただの偶然だろうか?それとも意図的なのか?そして、瓜二つのように胴体から切り取られた王の頭部の像。

しかもその王は、クメール王朝の最も偉大な王ジャヤヴァルマン7世なんだ。…すごい謎だとは思わないかい!

「ふうみん」は、誰かが明確な理由で意図的に破損した。それも、もちろんジャヤヴァルマン7世と承知の上で破損したと考える。と素人の観点で断言した。



先日、「アンコール・王たちの物語(2005年7月30日発行)」というアンコール研究の泰斗、石澤良昭上智大学学長の本を買って読んでいると次のような文章(201ページ)に出会った。

…しかしそのためには、ヒンドゥー教神像を安置し、仏陀像を破壊しなければならなかった。おそらくはジャヤヴァルマン7世の瞑想座像も破壊されたのであろう。

それは王が仏陀の前で瞑想している座像で、クメール彫刻の中でも迫真性があり美の極致と言われるものである。

ジャヤヴァルマン7世の瞑想座像は、ピマイ寺院、コンポン・スヴァイの大プリヤ・カーン寺院、アンコール都城からそれぞれ発見されているが、頭部損壊、両腕なしの姿である。

これを読んで、少なからず衝撃を受けた。素人の直感がアンコール研究の泰斗の石澤教授に認められた?…何か、少しうれしくなった。

それで、早速この文を書いて見ました。


ピマーイ国立博物館所蔵 ブノンペン国立博物館所蔵


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