南東北温泉紀行



崩れ行く萱葺き屋根の家屋。まるで、大震災後の東北を象徴するかのようだ。




旅を終えて
旅の前に聞いた噂どおりだった。南東北の温泉や観光地は「東日本大震災」の被害のないような処まで、風評被害と自粛のためか閑散としていた。

その中で「がんばれ!東北」という標語が目についた。「ふうみん」の実体験した阪神大震災の時の「がんばれ!神戸」と同じ、何処か白々しさがついて廻る思いを頭の中から消す事は出来なかった。

被災した人達に「がんばれ!」と言葉をかけるのは、いかにも「上から目線」ではないかと感じる。…しからば、どんな言葉を掛ければいいのか?、と問われても、それに替わる言葉は思い浮かばない。

最初の計画では、被災した太平洋岸の街の惨状を見ようかと思った。しかし、野次馬がカメラ片手に被災地に行くのは、失礼な事だと思い止めにした。

旅行記にも記したが、湯ノ花温泉の旅館のご主人と話すと、
福島原発事故の影響で、原発から100キロも離れた奥会津の湯ノ花温泉でも、客足はバッタリと止まったという。
常連のお客に電話しても「今、福島は、ちょっと勘弁して…」と断られる。
…地震、そして原発事故の風評被害の大きさを嘆いておられた。

我々が今出来る事は、「現地に行ってお金を使う。」これが現実的で簡単な支援方法ではないかと、改めて思った。
2011年7月
「ふうみん」


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