第22部 南インド、レンタカー旅行
◆行程6日目 パッタダカル、アイホーレ遺跡巡り
       パッタダカル、アイホーレ、そしてマハークータを見学   2016/12/11(日) Google map 
バーダーミ市内


■7:03

ホテルの周りを散歩する。

今日は日曜日とあって、朝の人出は少ないようだ。


■7:39

レストランで朝食を摂る。

種類も少ないし、味もイマイチ。


■8:16

世界遺産のパッタダカルに向けて、ホテルを出る。

街外れのガソリンスタンドで、今回の旅で初めての給油。

インドのレンタカーで気を付けたい事は、ディーゼル油(軽油)での給油となる。


■8:17


★給油DATA

給油価格 1.900 (Rs.)
給油量 32.27 (L)
軽油1L当り 58.87 (Rs.)


■8:29

バーダーミから、パッタダカルに向かう。

州道の14号線は悪路との情報を得ていたが、舗装されたばかりの素晴らしい道路だ。


パッタダカル(Pattadakal)見学


世界遺産
パッタダカルの建造物
(文化遺産、1987年指定)
Group of Monuments at Pattadakal

カルナータカ州北部のパッタダカルは、チャールキア朝「年表②」の代表的な寺院建築が集まっている。

パッタダカルは「ルビーの王冠の都」という意味で、7世紀中頃からチャールキア朝の首都になっただけでなく、王の戴冠式を行うなど宗教上神聖な場所でもあった。

パッタダカルの建築は、ヒンドゥー教初期の段階から成熟期の段階へと進む変化の過程を示しており、建築史上の価値も高い。

ここには本殿部分(シカラ)がピラミッド型をしている南インド型と、砲弾のような形をしている北方型の寺院が混在している。

この寺院群は、7世紀末から8世紀中頃にかけて建設された。


■8:42

パッタダカルの村に入ると、正面に大きな寺院のシカラが見えて来た。


■8:47

駐車場に車を停めて、窓口に向かう。

世界遺産の入場料は、500ルピーだ。

二人分は1,000ルピーなので、使い勝手の悪い2,000ルピー札を出したら受け取ってくれた。

100ルピー札10枚のお釣りが、得をしたような変な感覚だ。



■8:50 逆光の中、パッタダカルの建造物が黒いシルエットとなって佇んでいる。


■パッタダカルの地図

バーダーミから、30キロほど離れた田園の中に、主要な寺院が9つ残っている。

敷地のすぐ横には、マラプラブハ川が流れている。


ヴィルーパークシャ寺院(Virupaksha Temple)


■8:53

一番奥で一番重要な、ヴィルーパークシャ寺院(Virupaksha Temple)から見学しよう。

この寺院は第8代王ヴィクラマーディティヤ2世(在位734~744年)が、カーンチープラムのパッラヴァ朝との戦に勝利したのを記念して王妃が建立した。


■8:54

ヴィルーパークシャ寺院の正面の門から外を見たら、ラプラブハ川が流れていた。


■8:55

正面入り口の前にある、ナンディ堂はお詣りの人で賑わっている。


■8:56

ナンディ堂内のナンディ像。


■8:56

マンダバ入口の門衛神、ドヴァラパーラ像。


■8:56

柱には乳海攪拌のレリーフ。


■8:57

ヴィルーパークシャとは、シヴァ神の意味。

聖室には、シヴァリンガが祀られている。


■8:59

聖室のまわりには、繞道がめぐっている。

透かし彫りの窓からさす明かりが、何か神々しく感じる。


■9:00

柱のレリーフ。

叙事詩「マハーバーラタ」の一場面。

矢のベッドに横たわるビーシュマ。


■9:03

天井のレリーフが美しい。

こちらも、叙事詩「マハーバーラタ」の一場面。

7頭の栗毛の馬が引く馬車に乗る、太陽神のスールヤが彫られている。

スールヤは、ヴィシュヌの化身と見なされている。


■9:06

この寺院は、パッラヴァ朝のカーンチープラムの建築家グンダにより築かれた。

カーンチープラムのカイラーサナータ寺院を模して造られたという。

また、エローラ16窟のカイラーサナータ寺院は、このヴィルパークシャ寺院を模して造られた。


■9:08

お世話になった「インド建築案内」を手にして、見学する「ふうみん」。


マリカールジュナ寺院(Mallikarjuna Temple)



■9:10 ヴィルーパークシャ寺院(左)と、一回り小さく斜め後ろに位置するマリカールジュナ寺院(右)。


■9:11

ナンディ堂から、マリカールジュナ寺院(Mallikarjuna Temple)の入り口を望む。


■9:13

マリカールジュナ寺院は、ヴィルパークシャ寺院と同じく、ヴィクラマーディティヤ2世の勝利を記念して第2夫人が建立した寺院。

二人の王妃の位置関係を反映してか、小さめで後ろに位置している。

ヴィルパークシャ寺院と同じような構造で、寺院の前にはナンディ堂、寺院入口を入ると列柱ホールの拝堂、そしてリンガを祀る聖堂となっている。


■9:16

聖室に祀られたシヴァリンガ。

入口には、門衛神のドヴァラパーラが彫られている。


■9:17

柱には、先ほどと同じく乳海攪拌が彫られていた。


■9:21

仲の良さそうな、ミトゥナ像。


その他の寺院


■9:30

南方型シカラのサンガメーシュワラ寺院。

この寺院は、7世紀末から8世紀にかけてチャールキヤ王朝7代目の王が建立した。



■9:39 北方型シカラのガラガナータ寺院。この寺院のシカラの頂部には、球根型のアーマカラが残っている。



■9:45 右側から、カーシーヴィシュワナータ寺院、サンガメーシュワラ寺院、ガラガナータ寺院と、北方型と南方型シカラの違いがよくわかる。


アイホーレへ向かう


■9:50

駐車場に戻り、次の見学地アイホーレに向かおう。


■9:54

車に人が群がっている。

交通事故か!と思ったら、新婚旅行に行く車の中の新郎新婦を祝福していた。


■9:57

アイホーレに行く道は、先ほどまでと異なり悪路だ。


■10:19

アイホーレの村の狭い路地を走る。

対向車と、すれ違いが出来ない様な道だ。


■10:26

アイホーレの駐車場に車を停める。

子供の売人がしつこい。

今日は日曜日なので、小遣い稼ぎなのか。


アイホーレ(Aihole)


■アイホーレの遺跡地図

アイホーレ(Aihole)は、バーダーミから約33キロ、パッタダカルから約11キロの地点ある村。

前期チャールキア朝、ラシュトラクータ朝、後期チャールキア朝の6世紀から12世紀にわたる寺院が大量に残っている。

現在も、100以上の寺院が残っており、中世建築の揺籃の地として、様式が確立していく過程がみられる。

アイホーレ村の遺跡地図を、グーグルマップを参考にして作成してみた。

印は、「ふうみん」が見学した場所。


ドゥルガー寺院(Durga Temple)



■10:29 ドゥルガー寺院(Durga Temple)は、640~680年頃に建てられたアイホーレ最大の寺院で、仏教のチャイティア堂に範をとり前方後円形をしている。後円形の祠堂の上にはインド北方型のシカラ(高塔)を載せている。

ドゥルガー寺院の一帯は遺跡公園になっている。公園入場料、200ルピー。


■10:30

ドゥルガー寺院の入口は、日曜日のせいか観光客で混雑している。


■10:32

入口のリンテルが面白い。

両手に3匹づつのナーガを抱えた、ガルーダが彫られている。

この様な意匠は初めて見た。

その上部の宮殿は、天国の都の状況をあらわしている。


■10:33

怪獣キームティムカから、吐き出される花環。

この花(マリーゴールド)は、死の国へと旅立つ死者の供養にと、水に流した花が再び生命を得て吐き出されている。


■10:35

ドゥルガー寺院は、建物全体を回廊で囲んでいる。


■10:36

窓の透かし彫りには、「卍」の印が彫られている。

この、卍(まんじ)とは、ヒンドゥー教や仏教で用いられる吉祥の印だ。


■10:36

野猪(ヴァラーハ)に化身した、ヴィシュヌ像。


■10:37

水牛の魔人(マヒシャ)を殺す、ドゥルガー像。


ラドカーン寺院(Ladkhan Temple)


■10:47

ラドカーン寺院(Ladkhan Temple)は、初期のチャールキア朝の寺院で、木造建築の名残りが残っている。

屋根の上には小堂が設けられ、ゆるい傾斜の屋根の上には、木に見立てた石棒で屋根を押えている。


■10:48

ラドカーン寺院は、裁判などが行われた場所といわれる。

入口の柱には、仲睦まじい男女の彫刻(ミトゥナ像)。


■10:49

正方形の建物にマンダバを足した建築様式で、後の時代に外に出るナンディ像がマンダバ中央にあり、奥の聖室内のリンガと向き合っている。


博物館(Museum)


■11:03

博物館。

博物館、入場料5ルピー。

内部は撮影禁止。


■11:15

博物館の前庭に置かれた「八母神像」。

右端にガネーシャがいる。


フッティマディグリ寺院(Hucchimali Gudi Temple)


■11:20

遺跡公園を出て、数分走った所にフッティマディグリ寺院(Hucchimali Gudi Temple)が在った。

フッティマディグリ寺院は、6世紀に建立された初期チャールキア朝の代表的な寺院。

北方型のシカラを持っている。


■11:20

立派な階段池を備えている。


■11:21

聖室にはシヴァリンガが、安置されていた。


■11:24

寺院の横の小祠堂に、ミトゥナ像を見つけた。


ラーヴァナパディ石窟寺院(Ravana Phadi Cave Temple)


■11:31

ラーヴァナパディ石窟寺院(Ravana Phadi Cave Temple)は、6世紀に造られた古い石窟寺院で、バーダーミの石窟寺院と共通するレリーフもある。


■11:32

聖室内に安置されたシヴァリンガには、粗いノミの跡が残されている。


■11:32

10本の腕を持つ、踊るシヴァ神像。


■11:32

水牛の魔人(マヒシャ)を殺す、ドゥルガー像。

ドゥルガーが水牛の尾をつかみ、片足で背を踏みつけ、三叉戟で水牛を貫く。

最も古い構図といわれている。


■11:34

野猪(ヴァラーハ)に化身した、ヴィシュヌ像。



■11:38 ラーヴァナパディ石窟寺院の基壇上の入口から、レンタカーとアイホーレの村を望む。のどかな田園風景だ。


マハークータ寺院に向かう


■11:40

正面の岩山の頂上に見える、メーグティ寺院はアイホーレ最古の寺院といわれている。

岩山の下に車を停めると、悪ガキが寄って来て物品をねだる。

そのねだり方は、まさに強請りだ。

「yayo」は、身と駐車した車の危険を感じ、ここから離れようと言う。


■11:46

残念だが仕方がない。

遺跡見学を断念し、レンタカーを発車してアイホーレ村と別れる。


■12:26

「グーグル先生」をマハークータ寺院にセットして、カーナビ通りに運転する。

パッタダカルの遺跡の手前で、行きと異なった道を誘導する。

その通り走ると、川に出た。

日曜日とあって、川遊びの人で賑わっていた。


■12:29

何なのだろう!大勢の人がいる。


■12:29

白い乗用車が路肩を超えて、転落していた。


マハークータ寺院(Mahakuta Temple)


■12:34

マハークータ寺院(Mahakuta Temple)は、7世紀に建立された現役の寺院だ。

駐車場に入ると、日曜日とあって混んでいた。


■12:41

この子供たちは、聖なるタンクから流れ出た水で顔や体を洗っている。


■12:43

タンクで沐浴する人たち。

沐浴というより、プールで遊ぶ子供たちを父兄が周りから見学している図。


■12:43

子供たちのはしゃぐ声が、辺りいっぱいに響く。

タンクの水は、だいぶ濁っているようだ。


■12:45

この白い屋根のマハークーテシュワラシュワラ寺院は、現役の寺院で参拝客で賑わっていた。


■12:47

寺院内の庭には、ヒンドゥー教の石像が並べられていた。


■12:51

もう一方のマリカールジュナ寺院は、現役では無い様だ。

建物の周壁には、ヒンドゥー教の神像が彫られ、それぞれの名前がペンキで記されている。


■12:53

白い門を抜けて、駐車場に戻る。

現役の寺院のマハークータ寺院は、日曜日とあって参拝客でいっぱいだった。

遺跡専門の「ふうみん」も、貴重な体験でなかなか面白かった。


バーダーミに戻り、昼食を摂る


■13:00

バーダーミに戻って、昼食を摂ろう。


■13:18

バーダーミの街を走る。


■13:24

バーダーミのホテル、クラークスインはノンアルコールなので違うホテルにする。

ハンピの時と同じ、KSTDC 経営のホテル「マユラチャールキヤ」にしよう。


■13:38

ビールとターリーの昼食。

朝から歩き回ったので、ビールが旨い。

ターリーの味はマアマアだ。

ビール2本とラッシーとミネラルを頼む。

昼食代、678ルピー。


■14:15

携帯 w-ifi はとても便利だ。どこでもスマホが使える。

気になっていた、「香港カップ」の結果を見る。

モーリスが優勝し、ステファノスが3着だ。

手元のキングフィッシャーで、モーリスに乾杯!


■14:31

昼食を終えて、クラークスインの地下の駐車場に車を停める。


サンセットを見に行く


■16:48

クラークスインで一休みした後、サンセットを見に行こう。

バーダーミの街を歩いて博物館に行く。

帰りに、この店でビールを購入しよう。


■16:48

昨日はこのバンガロールベーカリーで、ミネラルウォーターとパン、ケーキを購入した。

帰りに、ミネラルウォーターを買おう。


■16:52

バーダーミの路地を歩く。


バーダーミ考古学博物館


■16:58

考古学博物館は、5時までに入館すれば大丈夫だ。


■17:04

館内は撮影禁止だが、廊下に陳列してある石像は撮影可だ。

シヴァ神だろうか?左手に髑髏を持っている。


■ラージャガウリ女神(Lajja Gauri)

もちろん、この像は撮影禁止だが、博物館で小冊子を数点購入したら、ラージャガウリ女神のパンフレットをくれた。

そのパンフレットの写真を公開。

ラージャガウリ女神は、インダス文明の頃から信仰されており、豊富さと豊饒性に関連する女神だ。

彼女は、Lajja(謙虚)Gauri(純粋)と名付けられている。

女神の頭は蓮の花で表され、両腕は上向きに曲げられて蓮の幹を持っている。


シヴァラヤ寺院(上)(Upper Shivalaya Temple)


■17:25

昨日は、シヴァラヤ寺院(下)までで断念したので、今日は頂上まで行って見よう。

頂上に着くと、奇妙な形の石積の建物があった。

城塞の一部の建物だ。


■17:25

シヴァラヤ(上)寺院(Upper Shivalaya Temple)に到着。

7世紀に建立されたシヴァ神を祀った寺院で、それまでの石窟寺院から、石積の寺院建築に移行したころの貴重な建物だという。


■17:25

基壇には、象の彫刻がなされていた。



■17:30 シヴァラヤ(上)寺院から南側の岩山を望む。夕陽に照らされて赤く映えている。



■17:31 昨日行った、シヴァラヤ寺院(下)を望む。バーダーミの市街も一望できる、素晴らしいサンセットの情景を堪能した。



■17:35 シヴァラヤ寺院(上)の横では、夕陽に照らされた牛が草を食べていた。そろそろ戻ろうか。


クラークスインへ戻る



■18:09 岩山を降りて、バーダーミの街中を歩いていると、思わず息をのむ色彩に出会う。昨日はホテルのガラス越しだったが、生で見るとしばし呆然とする。


■18:11

冷えたビールと、ミネラルウォーターの大ボトルを買ってホテルに戻る。


■19:16

アルコールのない夕食は味気ない。

2日前のハンピのクラークスインの夕食と同じく、ルームサービスを頼む。

ヌードルとクラブサンドにラッシーを注文。

夕食代、424ルピー。

そして、冷えたビールと泡盛の夕食に舌鼓を打つ。

今日も充実した一日だった。


レンタカーの走行距離
本日の走行距離 76キロ
累計の走行距離 654キロ
HOME BACK NEXT INDEX
イサーンの大地走行2000キロプラス 南インド、レンタカー旅行。