■「地球の歩き方・南インド」の誘惑
2015年の始め、その年の秋にジャワ島へのレンタカー旅行を計画していた。そこで、「インドネシア」のガイドブックの最新版の発行スケジュールを知りたくて「地球の歩き方」のWebサイトを開いた。
そうしたら、知らないタイトルのガイドブックがあった。「D36 南インド」である。2012年にインドに行った時には、確か「南インド」はなかったはずだ。それもそのはず、2014年3月の初版発行であった。その本の紹介文(要約)は次の通り。
バックパッカー全盛期、初めてのインドはデリーから入ってカルカッタから帰る。2回目はムンバイーからアジャンター、エローラなどの遺跡群。インド観光といえば、北インド。タージ・マハルやガンジス河の風景など、インドのイメージが北に偏っていました。
その最大の理由は日本から南へのフライトが飛んでいなかったこと、そして『地球の歩き方』が北をメインに紹介してきたこと、の2点につきます。
ボラれ、騙され、嘘つかれ、疲れきって旅をする北インドとはまったく違う、ゆっくりとした時間の流れ、人の優しさ、料理、遺跡……。
インドという国がもつ、本当の魅力が南インドにはギュッと凝縮されています。 |
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この紹介文に心惹かれ、早速「地球の歩き方・南インド」を購入した。しかし、当面の目的である「ジャワ島、レンタカー旅行」を優先したので、この本は一読しただけで本棚行きになった。
「ジャワ島、レンタカー旅行」の旅行記を脱稿した後は、春の「京都・男旅2」での競馬と観光とグルメの旅が待っていた。この旅行記を書き終えて、今年の秋はどうしようかな?とふと考えた時、本棚の「地球の歩き方・南インド」を手にした。
そして、改めて「南インド」の魅力に誘惑された。今年の秋は「南インドに行くぞ!」と家人や悪友たちに宣言し、早速、具体的な計画を立てる事に着手した。
■南インドの走行計画
南インドとは、下記の地図のようにアーンドラ・プラデーシュ州、カルナータカ州、ケーララ州、タミルナードゥ州の4州を指すが、上記「地球の歩き方」ではアーンドラ・プラデーシュ州を除外し、ゴア州が追加された4州が掲載されている。
アーンドラ・プラデーシュ州は1947年の独立までイスラム教の影響下にあったので、言語的・文化的に異なるし、また名所旧跡が少ないので除外し、ゴア州は旅行者に人気のある州なので追加したと推測する。
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「インド建築案内」神谷武夫著の地図に彩色しました |
インド亜大陸の広大な南部をどのようなテーマで回るか?どの季節が最適か?旅行日数は?レンタカー走行の道路状況は?等々を考慮し計画を練った。これは、なかなか大変な作業ではあるが、とても楽しい時間でもある。
上記4州を巡るのには、どうしても1ヶ月は必要となる。旅行の予定日数は2~3週間であり、何処を削るかという大変悩ましい作業が待っていた。
旅のテーマを「ヒンドゥー教遺跡の見学」と絞り、南インドの4か所のヒンドゥー教の「世界遺産」と「重要なヒンドゥー教遺跡」を巡るルートに決めた。そのため、ゴア州とケーララ州を除外した。魅力的な場所だけに残念な思いだ。
■カルナータカ州 1、マハーバリプラムの建造物群 - (1984年)
2、ハンピの建造物群 - (1986年)
■タミルナードゥ州
3、パッタダカルの建造物群 - (1987年)
4、大チョーラ朝寺院群 - (1987年、2004年拡張)…3か所に分散 |
そんな中で、タミルナードゥ州の「ヒンドゥー教寺院」の見学時間が問題となった。タミルナードゥ州のヒンドゥー教寺院は、遺跡ではなく現役の寺院であり、現在も人々の信仰の対象寺院なのである。
そのため、一般的な見学時間が、6:00~12:00、16:00~20:00であり、12:00~16:00の昼の4時間もの間、目的の「ヒンドゥー教寺院」が見学できないという難題を突きつけられた。この制約された条件の下で計画を練らなくてはならない。
また、旅行先のカルナータカ州はデカン高原西部の内陸型気候であり、タミルナードゥ州はベンガル湾沿いの東海岸域気候と全く異なる。両州のベストシーズンを考慮して12月に催行することにした。ただし、この時期は冬至であり、朝は7時前、夕方は5時過ぎには暗いという、時間的な制約がある。
その他、種々の条件を考慮して今回のレンタカー走行ルートを設定した。(下図参照)
けだし、このようなルートをレンタカーでドライブした旅行者は少ないと思うので、この旅行記が参考になれば幸甚です。
前回の旅行記(2012/11)はこちらになります ➡ |
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インド、レンタカー走行の前回と今回のルート図 |
■インドルピーをゲットせよ!
計画を立て終わり、旅行の手配も済んだ。そして、ふと思いだした。確か、前回のインド旅行時の残りが7,000ルピーほどあるはずだ!と、いくら探しても無い。
家人の「yayo」に問うたところ、「ふうみんが、もうインドには来ないからて、帰りのムンバイの空港で残ったルピーを全部くれたじゃあない。だから、空港の売店で全部使い果たしたわよ!」との返事だった。
・・・トホホと思っていたら、旅行の一ケ月ほど前に
突然、驚愕のニュースが飛び込んで来た!
残ったルピーを使い果たしており、安堵した半面、これから行くインドでのルピーへの両替に不安を感じた。さて、どうなるものやら?
■インド 高額紙幣を9日で廃止と突如発表 (NHK 2016年11月9日)
インドのモディ首相は8日夜テレビ演説を行い、現在流通している紙幣のうち最高額の1000ルピー札と2番目に高額の500ルピー札の2種類を、現地時間の9日午前0時で廃止すると発表しました。 |
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突然、廃止される1000ルピー札と500ルピー札 NDTVより |
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