■行程3日目>シーサケットへ



①~⑧はクメール遺跡 think net

走行DATA 当日走行距離 321km 累計走行距離 812km
当日給油 - ℓ 累計給油 31.7 ℓ




■06:30

昨晩セブンイレブンで買ったパンと飲み物で朝食を済ます。

ホテルのエントランス。こう写真で見るとなかなか素敵ですね。

ちなみに、Villa の宿泊代は690バーツ。



■06:35 Knong ta moo Pond 1 の早朝の情景。静かでたおやかなイサーンの街ナンロン。



■06:57 ナンロンから早朝の2073号線を北上する。朝もやのベールを通し、淡くやさしく生命力を持った光が、イサーンの赤い大地を包み込み覚醒させる。あまりにも、美しく神々しい情景に思わず車を停めて、しばし眺めいる。


■07:14

今日最初のクメール遺跡は、前回の旅「クメールの残滓を探しに 4日目」で、二度探して見つけられなかった黒魔術の遺跡だ。

クメール遺跡9、地図①
Kuti Ruesi 
AROKAYASALA (Hospital)



を求めてCho Paka を左折して、農道を這いずり回り、懸命に探す。


■07:31

何度もトライし、農道を走るが遺跡の在り処はわからず。

何処にも人もいず、聞くに聞けない状況だ。


■07:57

オートバイの運転手から、この農道の先に在るという情報を得る。

しかし、ここから、数百メートル先は道路が悪く、カローラでは通行不可能で立ち往生。

そこに、運良く二人乗りのオートバイが通りかかる。おじさんが運転、嫁さんが後ろに乗っている。

「ふうみん」が遺跡の写真を見せると、嫁さんを降ろし「ふうみん」に乗れという。ご厚意に甘えて「ふうみん」はオートバイの後席に乗る。



■08:10 オートバイですごい悪路を500メートルほど走った所に、目指すクメール遺跡はあった。2年越しにどうしても見たかった遺跡だ。

しかし、遺跡を見てガッカリした。祠堂は黒いコールタールのようなもので塗られていたが、この祠堂はクメール時代の建造ではなく、最近素人が遺跡の石を使用して組み上げたものだ。周壁の建造も同様だ。


■08:12

しかし、石材については地面に遺跡の石がしっかりと残っているので、クメール遺跡があつた事に間違いはない。

周囲をバライが囲んでいるが、この様なバライの形はジャヤヴァルマン7世が造った「施療院」の形ではない。

遺跡の名前がKuti Ruesi(施療院)と付けられているのは、素人が見てもはなはだ疑問に思う。


■08:12

この遺跡を気味悪そうに見ている地元の農民のおじさん。

「ふうみん」は、このおじさんのオートバイの後ろに乗せてもらった。


■08:12

この遺跡の入り口のトタン屋根の社には、石柱と彫像が飾られていた。

この石柱と彫像の台座だけは、クメール遺跡のもののようだ。

ただし、石柱に彫られた幼稚な線画は違う。


■08:17

もう少し見物したかったが、「yayo」を置き去りにしたままなので心配だ。急いで戻ろう。

このおじさんに、心ばかりのチップを渡そうとしたのだがどうしても受け取らない。

心からの感謝を述べて別れる。前回の遺跡の旅といい、イサーンの農民の人柄に助けられた。

…本当に感謝!感謝!だ。そして、この後のUターンが、それはまた大変だった。


■08:51

2073号線に戻り、10キロほど北上してクメール遺跡を探す。

クメール遺跡10、地図②
Prasat Prang Buhib



かなり近くまで来たが、この先の道が悪くUターンする。


■08:51

そこの池に咲いていた蓮の花。


■08:52

横を見ると炭焼きの釜があった。


■09:05

2073号線に戻り、もう一つの道から遺跡を目指す。

この道は狭く、伸びている木の枝で車のボディを擦る。

おかげで、レンタカー返却時にクレームをつけられる破目になる。

数百メートル進み、この遺跡探しを断念する。


■09:38

2073号線を北上し、Lam Pla Mat の交差点で右折して226号線をブリーラム(Buri Ram)方面に進む。

226号線の快適な道路を走る。


■09:44

クメール遺跡11、地図③
Prasat Khao Krakhong



このクメール遺跡はブリーラム市内から近い219号線の交差点近くにある。

遺跡の名のKhao(カオ)は丘の意味で、この遺跡の丘の上には金色に輝く「プラスパットラボピット」と呼ばれる仏像が遠くから眺められる。

遺跡はこの石段の上にあるが、自動車道があるので「ふうみん」はもちろん車で登る。


■09:50

丘の上にあるクメール遺跡。

砂岩で組まれた壁の中には仏足石が安置されていた。

遺跡自体は小さなものだ。



■09:55 遺跡の横に作られた展望台からブリーナム市街を望む。この公園は噴火口の痕跡が残された古代の火山でもあり、海抜265メートルとの事。


■10:40

226号線を順調に走り、もう直ぐスリン(Surin)のバイパスに入ろうかという地点で渋滞にはまる。

対向車も来ないので事故かな?と思ったが、工事渋滞だったようだ。


■11:11

スリンのバイパスから、214号線を南下する。

そして、湖の近くの寺院の気持ちのよい参道を走る。


■11:15

クメール遺跡12、地図④
Wat Prasat Silaram
AROKAYASALA (Hospital)



バライ越しに眺めると、本来のクメールの祠堂部分に新しい仏教寺院が建てられている。


■11:22

仏教寺院の周壁はクメール時代のラテライトがしっかりと残されている。

そして、クメールの遺物の石も少しではあるが残されている。

この寺院の境内からは、広大な湖が見えて美しい風景だ。


■11:39

クメール遺跡13、地図⑤
スリン国立博物館



やっと、オープンしたとの情報を得て、スリンの国立博物館を訪問。

何故だか、入り口で入場料を徴収せず。

後で考えると、今日は「国王誕生日」だったから無料だったのかな?



■11:44 クメール遺跡のコーナーに、うれしい事にプラサートプミポン(Prasat Phumphon)のまぐさ石があった。

プミポンはタイ国内最古クメール遺跡で、7世紀の建立とされる。まぐさ石は7世紀のプレイクメン様式(Prei Kmeng Style)で、両端に動物が彫られ火炎文様のアーチは直線状に表わされる。そして、アーチ上のメダルの数は3つだ。


■11:45

「男の顔」、11世紀
バプーオン様式(Baphuon Style)
タームアントム(Ta Muen Thom)出土。

18cmの小さなブロンズ製の像の破片だが、よく見ると、クメール人の顔ではない。絶対にない。

どう見ても、インドから中東系だ。

この像を見つめていると、カンボジアのサンボールプレイクック(Sambor prei Kuk)のN-17祠堂のアーリア系の人物を思い出す。

当時のクメール帝国が国際化していた証左でもある。


■11:47

クメール遺跡のコーナーには7世紀から13世紀の遺物が展示されている。

また、博物館の外の回廊にも多数の遺物が展示されている。

クメール遺跡好きには堪えられない博物館だ。


■11:53

2階には精巧な蝋人形が展示されていた。

写真は結婚式の場面。

奥の部屋に、新郎新婦の布団が敷かれているのはご愛嬌。


■11:55

この布の図柄を見て、ラオスの古都ルアンパバーン最古の寺院ワットシェントーン(Wat Xieng Thong)のモザイク画を思い出した。

改めて、イサーンとラオスの深い結び付きを実感した。


■12:29

スリンの博物館を出て224号線を北上し、スリンの駅前に出る。

スリンには5回ほど来ており、地図を見なくても市内の地理はわかる。


■12:40

今日の昼食は「地球の歩き方」に載っていたレストラン「サムラップトンクルアン」にした。

前回の旅では、同じ通りの「チャントーン」で食べたので、今回はこちらの店を選択。

高級タイ料理レストランと言うだけあって、重厚なインテリアで古い写真が飾られている。


■13:06

先ずはビールとコーラ。

そして、豚肉のラープ(豚肉をミンチにしてナンプラーとスパイスであえた料理)とカオニャオ。


■13:13

白身の川魚の煮込み。

今日は、念願だったKuti Ruesi を農家のおじさんの厚意で見学できたし、やっとオープンしたスリンの博物館も見学できた。

うまい料理に、気分よくビールが進む。

昼食代380バーツ。


■14:07

スリンから226号線をシーサケット方面に10数キロ走った地点を左折して、狭く複雑な田舎道を走る。

途中、こんなほほえましい情景に出会う。



■14:24 クメール遺跡14、地図⑥ Prasat Chang Pi AROKAYASALA (Hospital)

ご存知のように13世紀にジャヤヴァルマン7世が102ヶ所造った「施療院」だ。


■14:26

この遺跡はラッキーにも、これから修理が始まるところだった。写真は「経蔵」で、この室の中央に仏像やリンガが残され、聖水を流す「ソーマスートラ」を設けた事例がある?

もしあれば、「経蔵(ライブラリー)」ではなくて、「祠堂(信仰対象物を奉ずる建物)」の可能性が高い。

「経蔵」の壁面やトレンチされた穴も良く観察したが、残念ながら「ソーマスートラ」の跡はなかった。


■15:06

遺跡見学の合間の休息は「アマゾン」でアイスコーヒーを飲む。

お土産にアマゾンのロゴが入った、Tシャツとショッピングバッグを購入。


■15:27

再び226号線に戻り、東へと走る。

シーサケット県(Si Sa Ket)に入る。


■15:39

226号線を左折して、Huai Thap Than 駅を横断して10キロほど北上する。

途中の農道には、収穫されたばかりの稲が天日干されていた。


■15:45

クメール遺跡15、地図⑦
PrasatHuai Thap Than



仏教寺院の中に11~12世紀ごろの3基の祠堂が建っている。

この遺跡には、3度目の挑戦でやっと到達できた。

遺跡を見ると、中央祠堂は両端の祠堂に比べ低い。このような形式は「ふうみん」の記憶にない。上部の細長い部分は、後世の修復なのか?


■15:52

この遺跡の傍らに椰子の木で出来た7つ頭のナーガ像があった。

なかなか見事な出来栄えだと、感心した。


■16:11

クメール遺跡16、地図⑧
Prasat Ban Muang Chan



さらに農道を北上した。

仏教寺院の中に1基のレンガの祠堂が建っている。

最近、修復が終わったばかりの様子でオリジナルの部分が少ない。

…ガッカリする。


■16:15

遺跡の横の小さな社に飾られていた人形。

この木製の人形は裏から見ると、リンガ(男根)なのか~なあ。

そうすると、ヒンドゥー教の影響が少しは残っていたとも考えられる。


■16:56

シーサケット市内に入る。

今日のホテルは駅の北側で官庁街になる。


■17:11

今晩の宿の
Boonsiri Boutique Hotel

ここも新しいホテルだ。

まるで、不二家の入り口みたいで少し気恥ずかしい。

ボーイがサンタクロースの制服を着ていたのにはビックリ…少しやりすぎだネ。


■17:19

ホテルの部屋は白に統一され、まるで「2001年宇宙の旅」のラストシーンの部屋を連想する。

ま~あ、よく見ると細部はタイクオリティだな。

しかし、この部屋で400バーツとは安いと思う。

翌日レセプションで聞いたら、ウォークインならさらに安く300バーツとの事。



■19:18 夕食はシーサケット駅の線路に沿った南側のナイトマーケットで摂る。日曜の夜、そして国王の誕生日とあって、テーブルは一杯だった。


■19:22

運良く空いたテーブルに座り、周りの人達が食べているイサーン鍋を注文。

運ばれて来た材料を見ると、昨日のコリアンバーベキューと一緒だな。

…「焼く」と「煮る」の違いか。

それと、もちろんビールとコーラ。



■19:30 イサーン鍋をパクついていたら、急に国歌が流れてきた。近くにいた人たち全員が立ち上がる。もちろん、ファラン(欧米人)も「ふうみん」たちも。


■19:37

カオパッドとソムタムも注文。

ソムタムは他の屋台から運んで来てくれた。

イサーンのカオパッドはあまりうまくないのが定番だが、これは美味しいと「yayo」。

そして、ソムタムも旨い。


■19:59

急に大きな音がした。見上げると大きな「花火」だ。

国王の誕生日を祝しての花火だと思うが、まったく「予期せぬ出来事」だ。

イサーンの外れ、このシーサケットの駅には待ち合わせの普通列車が止まっており、乗客も窓から乗り出して鑑賞している。

「yayo」は、この旅の途中のハプニングを心から楽しんでいた。…だから、旅はやめられない。

食事代は260バーツ。300バーツ支払い、残りはチップ。


■20:32

ホテルの隣のマッサージ店には20:30で予約をしていた。

タイマッサージを受ける。なかなか上手だ。

これで、今晩は熟睡出来て明日の朝には疲れも取れているだろう。

マッサージ代は失念した。




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