■行程5日目>チャンパ遺跡巡り



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■5:43

5時前に放送のような音が聞こえ、目が覚めた。

何かで読んだが、これが話に聞く強制的な「朝の放送」なのだろう。

街頭スピーカーで流される内容は共産党のプロパガンダではなく、単なるニュースや音楽らしい。

海岸に出てみると、たくさんの人々が暗闇の中で蠢いている。慣れていない「ふうみん」は、危うくぶつかりそうになる。

写真は高感度で撮影しているが、目視ではまさに真っ暗だ。


■5:58

あらためて、ベトナム人の朝は早い!

応援団なのだろうか?海に向って大声で叫んでいた。


■6:08

少し明るくなってきた。

海岸には、ビーチバレーを楽しむ人々や、もう泳ぎ終わって海からあがる人々がいる。


■6:22

ホテルの部屋から眺めたクイニョンの朝の情景。

海に浮かんだ漁船や定置網に朝日があたり輝いている。

海辺のホテルは、やはり海が見えるのがいいね!


■6:27

朝食にレストランに行くと、かなりのベトナム人が朝食を摂っている。

皆、ビジネスマンのようだ。「ふうみん」たちのような観光客は見かけない。

タイの地方のホテルで6時台に朝食に行くと、「ふうみん」たちが一番の場合が多いが、ここベトナムでは違う。

何しろ、ベトナム人の朝は早い。


■6:34

このところ定番のフォーとライスペーパー。

日本のお赤飯のようなお米があったので、食べてみるとこれが旨い。


■6:57

ベトナムで嵌った果物が、写真下のタンロン(Thang long)だ。白い果肉に黒いゴマ粒のような種が入っている。

タイでは何度となく食べているが、「ふうみん」たちの評価は一番不味い果物だった。

そのつもりで、口を付けたら間違って何かの蜜がかけられた?と思った甘みとサッパリとした食感。

今まで食べたタンロンは何だったのだろう?「yayo」もまったくの同意見だ。


■8:09

チャーターした車に乗りに玄関に降り、あまりの快晴にホテルの前の広場に出る。

サイゴンクイニョンホテルの白い建物が、真っ青な空にそびえていた。



■8:09 ホテルの前の広場には戦争の闘士?の銅像が置かれ、その下の日陰に数人の人が休んでいた。それにしても、あの早朝の大勢の人々の姿はまったく無く、静寂な海岸の情景だ。


■8:11

今日チャーターしたトヨタのSUVに乗ると、手配をしてくれたレセプションのミレイさんが見送ってくれた。


■8:16

クイニョンの街中を走る。


■8:25
チャンパ遺跡 No9
遺跡名 フンタン
(Hung Tanh)
様 式 ビンディン遺跡群
(Binh Dinh)
年 代 12世紀
入場料

クイニョンの街外れにあるフンタン遺跡は、きれいな公園に整備されていた。

椰子の木越しに朝日に輝く二つの祠堂が見える。


■8:26

創建時には3つの祠堂があったというが、向って右の北塔の隣にあった塔は崩壊した。

この遺跡と他のチャンパ遺跡の違いは、見て直ぐに分るように、その特異な屋蓋の構造にある。

チャンパ建築にクメールの影響がもたらされたものと考えられる。


■8:28

北塔の内部に納められたリンガとヨニ。

円形のヨニの形が面白い。


■8:33

7層に装飾が施された屋蓋部分。

屋蓋には砂岩製の色々な動物像がはめ込まれている。


■9:04
チャンパ遺跡 No.10
遺跡名 銀塔 (Banh It)
様 式 ビンディン遺跡群
(Binh Dinh)
年 代 11世紀
入場料 1ドル(二人分)

銀塔はコン川の河口近くの丘の上に建っている。

11世紀初頭に王都がチャキェウから、ヴィジャヤ地区のチャンバンに遷都されて直ぐに建立された。



■9:06 丘を登って行くと、左側に主祠堂、宝物庫、碑文庫。少し離れた右側に楼門の4つの建物が残されている。

緑色の草木と水色の空の間にレンガ色の建物が映える。「ふうみん」の大好きな構図だ。


■9:13

主祠堂(右)と宝物庫(左)。

主祠堂の高さは22mで、三層の屋蓋を持ち隅尖塔は独得の様式が用いられている。

宝物庫は舟形屋根を持ち、身舎に施されたレリーフは美しい。

チャンパ芸術の傑作といえる。


■9:13

主祠堂の南側の唐破風に装飾されたカーラマスクのレリーフ。

カーラの口から両側に花葉文様の帯が垂れ下がっている。

これは、12世紀のチャンパ建築の唐破風の特徴である。



■9:16  主祠堂の柱型上を飾る、猿の連続文様のレリーフが面白い。


■9:18

丘の頂上の主祠堂の前から、碑文庫越しにクイニョン方面を望む。

建築された当時は、海岸線が今よりもっと銀塔に近かった。

入港する船から銀塔の建物がよく見え、チャンパ王国の威光が感じられただろう。


■9:28

楼門から主祠堂を望む。

楼門の迫り出し構造のフレームが劇的な効果を出し、当時の人々に王に威厳と偉大さを示したと感じる。


■9:56
チャンパ遺跡 No.11
遺跡名 銅塔 (Chanh Tien)
様 式 ビンディン遺跡群
(Binh Dinh)
年 代 13~14世紀
入場料

1号線を左折して、1キロほど入った小さな丘の上に銅塔は建っている。

入口には錠がかけられ、ドライバーは入れないという。

「ふうみん」がよく見たら、鎖をかけてあるだけだ。


■9:58

鎖を外して中に入る。

ここにはかってチャンパ王国のチャンバン都城があった。

ベトナムの軍事的圧力から逃れるため、1000年ごろホイアン近郊のチャキェウ都城からここに遷都した。

チャンバン都城は1471年まで存続し、その後チャンパ王国で都城の建設は行なわれなかった。

そんな歴史の生き証人の祠堂が一基、ポッンと建っている。


■9:59

この祠堂にはたくさんの砂岩彫刻が残っている。

屋蓋の四隅の砂岩はらせん状の炎の形をし、マカラの頭部と連結されている。


■10:02

遺跡の庭の片隅に、カーラが彫られた砂岩が置かれていた。


■10:13
チャンパ遺跡 No.12
遺跡名 金塔 (Thoc Loc)
様 式 ビンディン遺跡群
(Binh Dinh)
年 代 13~14世紀
入場料

1号線に戻り、北に向かって行くと、昨日も見た金塔が右手に見えた。

ここから金塔に向うものだと思っていたが、車は何故か左折してクイニョン空港方面に向う。


■10:18

何故か、車は金塔に行かない。

「ふうみん」はおかしい!と、ドライバーに訪ねるが要領を得ない。

ドライバーは英語を話せず、「ふうみん」は本や地図で一生懸命に場所を示すが…

ドライバーは頭を横に振る。何故、なのだろう?分らず…

金塔の場所が分らないのか?それとも、金塔に行っても登る道がないからなのか?…


■10:25

そんなイライラした気持ちをよそに、車はのどかな水田地帯の農道を走る。



■10:41 象牙塔(Duong Long)は修理中で足場が組まれている。その周りは塀に囲まれ、入口には錠がかけられていた。錠の上のプレートに連絡先の電話番号が記されいるので、ドライバーが携帯をかける。


■10:49
チャンパ遺跡 No13
遺跡名 象牙塔 (Duong Long)
様 式 ビンディン遺跡群
(Binh Dinh)
年 代 11世紀
入場料 1ドル(二人分)

オートバイに乗った男が現れ、扉を開けたので、入場料を支払う。

中に入ると眼前に堂々たる三基の祠堂が建ち、中央祠堂は24mの高さを誇る。


■10:52

象牙塔はユンロンとも呼ばれ、12~13世紀にかけてチャンパとクメールとの間に接触のあった事を示す、貴重な遺跡だ。

砂岩の基壇をには、上部にマカラとナーガが彫られ、中央には蓮の文様と下部にはチャンパ独自の乳房のモチーフが彫られている。

マカラとナーガの表情はクメールよりも優しく、マンガ的に見える。


■10:54

多分ここは大きな規模だったのだろう。

遺跡の周囲には、たくさんのレリーフのある砂岩が積まれていた。


■11:30

19号線に入りクイニョン方面に向う。

この先を左折して、狭い田舎道を走り、コン川近くのトゥーティエン(Thu Thien)遺跡を目指す。

ドライバーは初めて行く遺跡のようで、何度も道を訪ねる。


■11:47
チャンパ遺跡 No.14
遺跡名 トゥーティエン
(Thu Thien)
様 式 ビンディン遺跡群
(Binh Dinh)
年 代 13~14世紀
入場料

車も入れない狭い道の先に、トゥーティエンの祠堂はあった。


■11:48

誰もいない村の外れの畑の横に、ポッンと佇むさまはイサーンのクメール遺跡のようだ。

トゥーティエンの祠堂は前房部分は崩壊し、壁面には5本の柱形が浅く彫り込まれている。また、偽扉はひどく痛んでいる。

この祠堂の内部には、チャンパ遺跡で唯一の両端にマカラの装飾のあるアプサラの彫像があったが、ベトナム戦争後、国外に流失したという。…残念だ。


■11:52

屋蓋は3本の柱形が浅く彫り込まれた身舎の上にある。

8層の隅尖塔の装飾に特徴がある。


■12:56

1号線の交差点からクイニョン方面に戻り、左折して田舎道を十数キロ走る。

このビンラム(Binh Ram)遺跡もドライバーは初めてで、数人の人に道を訪ねる。


■13:00
チャンパ遺跡 No.15
遺跡名 ビンラム (Binh Ram)
様 式 ビンディン遺跡群
(Binh Dinh)
年 代 11世紀
入場料 1ドル(二人分)

ビンラム遺跡の周りには、所狭しとライスペーパーが干されていた。

とてもローカルな遺跡だ。

この辺りは11~15世紀にかけて栄えた、貿易港とティナイ要塞があった。


■13:01

ビンラム遺跡を見学していると、自転車に乗った男が現れて「yayo」に何か話しかける。

「yayo」は気味悪るがって「ふうみん」のところに逃げてきた。

話を聞くと入場料の1ドルを徴収に来た人だった。

ビンラム遺跡の偽扉の上の唐破風には、独得のデザインの装飾が彫られている。



この遺跡で今日のチャンパ遺跡の見学は終わりだ。

…それにしても、金塔は何故ダメなのか?。


■14:20

2時ごろホテルに着いた。

金塔には行けず残念だが、ドライバーにチップを100.000ドン払い、お礼を言って分かれる。

今日の昼飯は昨日と同じ、Y Linh Hotel のレストランに行く。

2階にあるので海岸がよく見える。


■14:41

フランスパン付きのオムレツ2人前とカオパッドを注文。

フランスパンはビールのツマミに最高で、ビールが進む。

料金は121.000ドン。


■14:56

サイゴンホテルに戻る途中、海岸のベンチにマットレスが堂々と干されていた。

東南アジアを感じる…


サイゴンホテルのフィットネスセンターにマッサージがあるという。

一休みした後、マッサージを1時間受けるが、全く下手だった。


■19:38

今晩はクイニョンの街中で地元の人の利用するレストランに行こう!

と、「yayo」と街中を歩くが、何処にもレストランがない!

街中で一組のファランの観光客に会っただけだった。

何しろ、地球の歩き方にも半ページ足らずしか載っていないので、情報はまったくない。


■19:56

仕方が無い、海岸方面に行って見よう。

海岸に向って歩いて行くと、クイニョンホテルの角に3~4軒のレストランが固まってあった。

何だ!サイゴンホテルの近くじゃあないか。

一番良さそうな店に入る。


■20:17

先ずはビールを頼むと、タイガービールの大瓶が出てきた。

これは良い!何しろ、ベトナムのビールは小瓶か缶のビールばかりだからね。

サラダを頼んだら、味気のないグリーンサラダ。

海老の蒸したものを頼んだら、思ったものと違った小さな海老だった。

しかし、この海老は甘くて美味しかった。


■20:40

シーフードバーべキューサラダを頼んだら、これは大正解ですごく旨い。

ビールの大瓶を3本も飲んでしまった。


■20:59

レストランでおこぼれを待っている犬。

代金は222.000ドン(1100円)と安い。




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