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5:27
今朝も定例になった、ホテルの部屋の窓から東側を望む。
今日も天気は大丈夫そうだ。本当に雨季なのかな〜あ。 |
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7:57
今朝はいつもより気持ち早くホテルを出た。
今日は昨日以上の長距離になる。シェムリアップから国道6号線をシソフォンまで105キロ。そこから、さらに70キロだ。
片道175キロ、往復350キロ。
相変わらずシェムリアップ市内は混んでいる。 |
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8:18
走り始めて20分で見通しの甘さを痛感した。
綺麗に舗装された国道6号線は、シェムリアップ空港のロータリーを過ぎたとたんに一変する。
「ふうみん」は国道6号線のプノンペン方面の舗装状況が良いので、同じ状態だと思っていた。
写真はまだ路面状態がいい方だ。実際の道はもっと穴ぼこだらけだ。
地図を見てもSasar Sdamまでは舗装されているからスムーズだと思っていたが、これでは凄くキッそうだ。 |
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8:49
Sasar Sdamから、ダート道になる。
車は悪路を黙々と走る。 |
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10:03
ダート道を1時間以上走ると、いい加減イヤになってくる。
石像を売る村Preah Netr Preahを通る。
ここから、シソフォンまで20キロ。もう少しだ。 |
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10:38
シソフォンに着いた。ここから、51キロで国境の町ポイペトだ。
期待していた舗装は無く、街中でもダート道だ。埃がすごい。 |
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10:52
シソフォンのマーケットによりトイレを借りる。
マーケットは流石に活気がある。 |
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トイレを教えてくれたおばさん。お礼に飲み物と果物を買う。 |
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11:14
シソフォンからバンテアイチュマールへ向う56号線はさらに狭く道も悪い。
あと目的地までは70キロだ。
地球の歩き方最新号によると
…バンテアイチュマールの遺跡がある。しかし道路の未整備による事故、遺跡付近の地雷除去未完了に加え、強盗が多発しており、シソフォンからのバイタクや車を利用しての見学は絶対にやめること。
何だい?この記述は!
マ〜ア、総ては自己責任と言う事だ。 |
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Banteay Chhmar |
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年代 : 12世紀後半
創建者 : ジャヤヴァルマン7世
宗教 : 仏教 |
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12:35
やっと、バンテアイチュマールの案内板が出ていた。
ほっとする。この少し手前で道が二股に別れた場所でドライバーは道を訪ねた。
何だ、昨日バンテアイチュマールOK!と言っていたが、今回が初めてなのか?少し不安になる。 |
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12:38
バンテアイチュマールの入り口に着いた。5時間弱のドライブだった。腰が痛い。
バライの中に一本道があり、入り口には阿修羅像がある。
ここバンテアイチュマールはジャヤヴァルマン7世が建造した。
東西800メートル南北600メートルで、アンコールワットのような環濠で囲まれている。 |
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12:40
入り口にはバーが閉めてあり、誰も居ない。ドライバーが係員を捜しに行く。 |
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12:40
入り口の塔門に彫られたデヴァター像。
我々を歓迎してくれるのかな? |
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12:41
車を降りて写真を撮っていたら、近くの女の子が興味ありげに見ていた。 |
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12:42
やっと、係員がやって来た。ボロの小屋の台で名前を書き、一人10ドルの入場料を払う。
そして、ガイドが付くという。
左りから、ドライバーの「Mr.KHEM」、「ふうみん」、係員、ガイド。 |
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12:42
東塔門に行く途中に、ジャヤヴァルマン7世が121ヶ所に設けた「ダルマシャーラー」と呼ばれる「宿駅」がある。
アンコールのブリアカーンやタイのタームアン遺跡で見たが、どちらも修理の手が入っている。
ここの宿駅は全くの手付かずで残っている。オリジナルの宿駅に感激! |
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12:46
外回廊にはチャンパとの戦いのレリーフ。
バイヨンと同じだ。 |
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12:49
東塔門から入る。ガイドの先導、それに続くドライバーと「ふうみん」。
最後を歩く「yayo」に、地雷があるかも知れないので、前の人と同じ所を歩くように強く指示した。 |
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12:50 「ふうみん」がバンテアイチュマールで見たいレリーフがあった!と喜んだが、無残にも2ヶ所も顔が削り取られていた。
四面神プラフマーと聖鳥のハンサ。それに竪琴の演奏者、崇拝者のレリーフで、「ふうみん」の蔵書「KHMER MYTHOLOGY」の写真で、竪琴の演奏者の表情が印象的で覚えていた。本の写真では顔がちゃんと付いている。ということは、削り取られたのはつい最近だ。 |
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12:51
デヴァターが力強く官能的だ。
まるで、「千夜一夜物語」のハーレムの踊り子見たいだ。 |
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13:02
ガイドが崩れた祠堂の柱を指差す。
多分、貴重な碑文なのだろう。 |
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13:09
回廊内の中央本殿の祠堂は崩壊が激しい。
足元には崩れた石が転がっている。 |
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13:11
四面仏尊顔塔が残っている。
バイヨンに比べると、あの迫力は無く可愛らしい。
いかにも地方の四面仏だなあと感じる。 |
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13:16 バンテアイチュマールの一番の見所は外回廊の千手観音像だ。昔は8体在ったらしいが、現在残るのは2体のみだ。こちらが一番有名な千手観音像で実際の手は32本。 |
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13:17
左隣の千手観音像の実際の手は20本。
1999年の初頭、多数の千手観音像や彫刻がトラック5台を使って盗み出された。
その内1台はタイの国内で捕まり、千手観音像2体分はカンボジアに返還されプノンペンの博物館に保管されている。
しかし、他の4台分は行方不明だ。この盗難事件は噂によるとタイの軍部が絡んでいるという。 |
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13:22
上の場面では、ジャヤヴァルマン7世の息子の王子が怪獣と戦い。
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13:22
下の場面では、怪獣が人と車を飲み込んでいる。 |
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13:35
ガイドについて外回廊のレリーフに向う「ふうみん」。
雑草の中に多数の崩壊した石。その石の中には浮き石があり、足元には十分の注意が必要だ。 |
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13:37
ジャヤヴァルマン7世の姿が大きく描かれたレりーフ。 |
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13:55
バンテアイチュマールの入り口を出た東南の角に大きな木があり、それを日除けにする様に食堂や店が出ている。
いかにもカンボジアの片田舎の雰囲気があり、いい感じだ。
ここで、まずトイレと思い聞いたが無いという。困ったな〜あ。と思ったら一軒の家を紹介された。 |
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14:00
この村一番の金持ちらしい。居間にはテレビがあった。
そこの家の前で家の女の子。 |
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14:06
先ほどの大きな木の下の食堂。何しろ汚い。足元は紙くずと食べ残しが散乱し、ハエがうるさく不潔だ。
流石に、こんな状況下では食欲は無い。一人前のおかずとライスを頼み。おかずをつまみに、後はビールを飲む。「yayo」も少し口を付けただけだ。
ここで、面白い発見をした!調味料だ。タイと同じ4点セットが食卓上にある。シェムリアップでは無かった事だ。
タイ国境まで直線で22キロ。食事はもうタイ圏だ。 |
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14:16
食後、バンテアイチュマールの環濠まで歩いていったらこんな看板が!
大小便禁止の看板だ。凄く分りやすい絵だ。
思わず周りを見渡して、後ずさりして早々に立ち去る。ここが多分この辺のトイレなんだな。 |
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Banteay Torp |
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年代 : 12世紀後半
創建者 : ジャヤヴァルマン7世
宗教 : 仏教 |
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14:37
先ほどのガイドがバイクで先導してバンテアイトープへ向う。ここで見たいのは創建当時のオリジナルの木の天井板だ。
「ふうみん」はタイのクーノイ遺跡でプラスチックの張りぼてをオリジナルな木と間違えた事があり、どうしても当時の木を見たかった。
この左は1.6×0.75キロのバライ。
この先右折をするが、道が悪くセダンのカムリの底を擦る。
この遺跡に行かれる方には、4WDのSUVをオススメする。
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14:47
バンテアイトープには砂岩で出来た3つの祠堂が残されている。
東塔門を潜る。石組みはしっかりしている。 |
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14:47
その東塔門の砂岩の表面にはノミの跡がハッキリと付いている。
何故、綺麗に磨いて仕上げをしなかったのだろう? |
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東北の祠堂。上部に木が生え異様な形だ。 |
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中央祠堂の天井板。蓮の花が彫られている。 |
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中央祠堂の天井板を写す「ふうみん」とガイド。
祠堂内には、礼拝所の小屋が設けられていたが誰もいない。 |
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奥の祠堂にも天井板があり、何故かシートがあった。 |
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奥の祠堂の天井板と梁は四方に残り、石組みの中にしっかりと組み込まれている。
創建当時の物に間違いは無いだろう。 |
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14:53
元の祠堂は5つ在ったらしいが、今は3つのみ。
付近には崩壊した祠堂の石が散乱している。 |
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青い空に残る祠堂。その中に当時の木片。
遺跡巡りで歴史のロマンを感じる楽しい一瞬だ。 |
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15:07
さあ、シェムリアップに向けて帰ろう。また、あの悪路を5時間近く走ると思うと気が少し重い。
しかし、2つともいい遺跡だった。満足!満足!
車は先ほどのバライの横を通る。
当時この地方には15万〜20万もの人口があり、このバライの様な灌漑施設も開発されていたのだろう。 |
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15:43
バイクの後には豚が積まれていた。 |
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16:48
シソフォンで一休みしていたら、天秤棒を担いだおばさんの籠の中には見事なヘビの唐揚げが!
写真を撮りながら思わず腰が引けた。
「ふうみん」はイサーンが好きだから、虫の唐揚げは慣れっこだし、サソリも食べた。しかし、ヘビは〜ねえ。 |
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18:10
片道175キロ。車はガソリンの補給のためにスタンドに寄る。
多分、Kralanhという町だろう。
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18:10
「ふうみん」の横で、父親と小さな娘が乗っているオートバイに小さな男の子が駆け寄り、その子を乗せて走り去っていった。
小さな町で垣間見た、なにか微笑ましい情景。
可愛い女の子の笑顔が脳裏に残った。 |
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18:12
ダート道の国道6号線の夕暮れ。何か、子供の頃の日本を思い出して郷愁を誘う。
また、こんな僻地に居る自分自身にも驚く。
この道路の先はシソフォンで、その先はタイ国境のポイペトだ。国境の先のタイの都市はアランヤプラテートだ。
アランヤプラテートまで行かないと道路は舗装されていないなかな? |
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18:22 国道6号線の素晴らしい夕日。送電線とダート道に捲きあがる埃が、さらに旅情を誘う。しばし、声も無く夕日を見つめる。 |
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18:26
夕日を浴びて、赤く染まる雲と水。 |
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19:45
暗くなった国道6号を走っていて驚いた事に、送電線があるが街道沿いの家々には電気が来ていない事だ。
灯りはヘッドライトとブルーの誘蛾灯のみ。この光景はシェムリアップの近くまで続いた。
あの、ホテルラッシュでライトアップされた建物が多いシェムリアップ市内から数十分の場所に電気が来ていない!
カンボジアの貧しさを身を持って実感。
ホテルに着いたのは8時半ごろだった。
今日の車のチャーター料は500ドルだと言う。思わず絶句。いかにも高い、相場の3倍だ。当然文句を言った。
その時、ドライバーのMr.KHEMは、「遠い!遠いね!」と6日目で初めて日本語を口にした。
もしかして、ドライバーは、日本語をある程度、理解し、「ふうみん」たちの日本語会話を聞き、我々を「組し易し」と考えて、チャーター料を吹っかけて来たのではないか?と思った。
これ以上文句を言っても仕方が無い。最初に料金を確認しなかったのは、「ふうみん」の自己責任であり、あきらかな失敗だ。
なけなしのドルを財布から出し、料金を支払う。
そうすると明日の予定を聞いて来た。明日は帰るというと、夜の6時に迎えに来ると言う。…どこまで厚顔な奴だ。 |
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22:17
まずは疲れた体を癒すために、「VIPクメールマッサージ」に行くが、今晩のマッサージはハズレだった。
1時間で6ドル+チップ1ドル。
10時を回りそうだ。急いで、目の前の「スープドラゴン」に行き、チュナンダイというカンボジア鍋を注文した。
時間的に滑り込みセーフだった。
値段は16ドル。 |