旅のはじめに

朝焼けに浮かぶアンコールワット




メインディシュの旅へ


イサーン(タイ東北部)の大地の片隅に、忘れ去られ朽ち果てて静かに佇んでいるクメール遺跡が大好きで、過去3年間に渡りかなりの数の遺跡を探訪して来た。その中でも特に、タイとカンボジアの国境沿いに残された遺跡群に対し強い印象が残った。

それらの印象深いクメール遺跡の直ぐ目の前の国境を越えてカンボジア領内に入ると、そこには、さらに素晴らしいクメールの遺跡群が存在していると云う。

下記にタイのカンボジア国境沿いに残された主なクメール遺跡の簡単な紹介をしたが、これらのクメール遺跡はいわゆるフルコースの中の前菜でありスープである。そのメインディシュはもちろんアンコール遺跡群である。

さあ、3年もの時間をかけて美味しい前菜を食べスープを飲み終えた。今は待ちに待ったメインディシュが出てくるのを舌なめずりしながら、今か今かと待っている心境だ。

それでは世界的に絶品のメインディシュである「アンコール遺跡群への旅」をご一緒に!

2007年7月
「ふうみん」



タイのカンボジア国境沿いの主なクメール遺跡


地図




遺跡の紹介

1、カオプラヴィハーン(Khao Phra Viharn)
カンボジア名プリヤヴィヒヤ(Preah Vihear)
1962年、国際法廷でカンボジア領に認定されたが、これは政治的な決着と云える。10世紀初めにヤショヴァルマン1世から、200年に渡り増築・整備したもので、この地は聖地としてクメールの歴代の王が行幸に訪れていた。本殿の後ろは断崖絶壁で、眼下にカンボジアの大平原が展望できる壮大なスケールのクメール遺跡。
2、タ-クワイ(Prasat Ta Khwai)
遺跡好きのT.I.さんが大変な思いをして訪問しました。以下の写真と文章はT.I.さんからの投稿です。
国境を警備しているタイ軍の最初の基地まで車で、山の麓に飛び石状態にある第2の基地まではバイクで、そして遺跡までは徒歩で登りました。この遺跡自体、タイ領かカンボジア領か決着がついてなく、かつ、周辺には、地雷が埋まっており、最初の基地以降は、銃器を持った軍の兵士の同行となります。発見されて間もない遺跡で、訪問者は年間、調査目的の人も含め100人程度との事です。
3、タームアントム
(Prasat Ta Muan Tom)
2004年、カンボジア政府は非公式ではあるが、タームアントット遺跡の領有を主張した。11世紀に建てられたバプーオン様式のシヴァ神殿。神殿は南向きで主祠堂と2基の祠堂があるが、1基の祠堂はポルポト派により爆破された。
4、サドックコックトム
(Prasat Sadok Gok Tom)
カンボジア内戦のポルポト派の駐屯地でタイ軍との戦闘等で遺跡は破壊された。937年にジャヤヴァルマン4世によって建造されたが、崩壊し1057年に再建された。歴史上貴重な碑文を刻んだ2つの石碑は特に有名。
5、カオノイ(Prasat Khao Noi)
2006年6月から日本政府の支援で、ポルポト派の地雷除去作業が行われている。7世紀に建てられたタイでもっとも古い時代のクメール遺跡の一つで、11世紀に手が加えられた3基のレンガの祠堂が建っている。本物のまぐさ石はプラチンブリー博物館に収蔵。



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