Shinji さんによるディープな北タイ案内



掲示板でお馴染の Shinji さんからの北タイのディーブなアドバイスです。独得の投稿画像と含蓄に富んだ文章は、私の今回の旅「ビルマ辺境をゆく」のプランニングに非常に役立ちましたので、是非ご紹介したいと思います。

つきましては、下記にその部分を抜粋しましたのでご覧下さい。
「ふうみん」



Shinji さんのWebサイト

バンコク探険ノート http://www.geocities.co.jp/Outdoors/6825/index.html




[382] ふうみん 2006/08/25 23:03:27   

Shinji さんにお尋ねしたいのですが、この11月にメーサリアンからR1194でメーサムレップに行こうと思います。R1194の道路状況(4WDを借りられなかった場合、普通車でも通行可でしょうか?)とメーサムレップの町の状況についてお教え願えれば幸甚です。





[383] Shinji 2006/08/26 17:39:23   

メーサムレップですか。基本的には全舗装路なので、セダンで十分です。が、しかし、11月というと雨季恒例の土砂崩れで通行がやや困難な箇所があるかも知れません。もしかしたら今でも、村へ入るためには砂利の河原と浅い小川を横切る必要があるかも知れませんが、よほど水嵩が増していなければ、セダンで渡れます。

メーサムレップというと対岸のカレン相手に(密)貿易で栄えた村ですが、1995年にビルマ軍が侵攻して来てからはそれもままならず、なんとか観光客を誘致しようとサルウィーン河に沿った観光ボートに力を入れていますが、まあ難しいでしょう。

自動車で入れるのは観光客向けの表玄関までで、エキゾチックな居住区はそこからちょっと河上(北)の方にあります。カレンの村だけあって、キリスト教会もあります。








[384] ふうみん 2006/08/27 13:01:15   

Shinji さん、メーサムレップの貴重な情報をありがとうございます。普通車で通行可能みたいですね。昨年11月のナーンの山道も雨季の末期の集中豪雨で橋が流されているのが散見されました。道路状況に十分注意して行きたいと思います。

それから、北タイの道路に非常に詳しい Shinji さんにお尋ねしたいのですが、来る11月に Mae Sot 、 Mae Sariang 、 Mae Hongson 、 Pai 、 Chiangmai の街を宿泊しながら、北タイを周遊したいと考えています。そこで普通車でも行けるオススメのポイントをお教え願いたいのですが。出来れば、ガイドブックやツアーで行かないような Shinji さん好みのディープでマイナーな場所がいいのですが。

お尋ねするのに色々注文を出して申し訳ございませんがよろしくお願いします。





386] Shinji 2006/08/30 04:34:57   

このコースは主要ルートを走っているだけで色々なモノに出会う事ができる、面白いコースです。参考資料として、
http://www.budget.co.th/travel_worldclass.php
のページから
Chiang Mai - Golden Triangle Loop
をダウンロードして下さい。データは最新のものではありませんが、要所は押さえてあります。印刷して持っていくと心強いです。

メーソットの一番の目玉は国境の橋ですが、二番目の目玉は特にありません。国境マニアならば Moei 川にへばりつく様に裏道を北上すると面白い風景に出会えますが、通常の旅行者はR105を一気に走り抜けるのがいいです。メーソット・メーサリアンの距離は220kmほどですが、特に後半がクネクネしているので、ノンストップで4時間、のんびりドライブで6時間かかります。途中1箇所、毎年のように雨季にがけ崩れする急勾配の難所があるので、覚悟が必要です。

R105の魅力は道路そのものと周辺の景色にあるので、あえて寄り道をしなくても十分に面白いです。途中 Mae Usu Cave がありますが、特にお勧めはしません。国立公園も2個ありますが、キャンプで一泊するのでなければ入る意味はありません。あ、ちなみに新聞によりますと、9月15日から国立公園の外国人料金が400Bになるそうです。

メーサムレップは、サルウィーン河を見たという達成感があるのでお勧めです。一般の旅行者がタイ側からサルウィーン河を見られるのはここだけです。メーサムレップのちょっと北、Salween National Park 経由で行く方法もありますが、これは本格的な4WDチャレンジコースとなります。

メーサリアンからメーホンソンまでは「比較的」ゆるやかな山岳コースで、距離が稼げます。途中クン・ユアムの「戦争博物館」は、歴史に興味があれば立ち寄るだけの価値はあります。

メーホンソンに到達する10kmほど手前に公園風の温泉保養地があります。特に情緒はありません。温泉はパイにもあります。

メーホンソンというと、首長族の村(計3箇所)が観光目玉になっています。人間動物園という根強い批判はありますが、社会学的な見地からも見ておいて損はありません。おそらく今でもアクセス道路は雨季にはドロドロになるダートだと思いますので、ツアーの形で行くのが無難です。

メーホンソンの北、ボーダー沿いにある Mae Aw は旧国民党軍の村で、そっちの方面に関心がある人には面白い目的地です。お茶と中華麺が(外れなければ)美味しいです。

メーホンソンから先、ボーダーに向かって何本かの横道が目に付きます。セダンで入っていけるような舗装道路もあります。横道に入れば入ったで面白い風景や素朴な村を見ることができますが、特に国境マニアでなければ一切無視してかまいません。

ソッポン(パンマパ)では、Lot Cave を見物するかどうかの選択を迫られる事になります。今回のルート上でどこか一つ洞窟見物を入れるとしたら、ここでしょう。ただし、当然観光ズレしていますので、それなりの割り切りが必要です。

パイはなんともいえない独特の雰囲気があります。これも一つの文化現象でしょうか(西洋人バックパッカーの巣)。

繰り返しになりますが、このコースは主要ルートに沿って走っているだけで面白いモノが勝手に視界に飛び込んできますので、その時々で随時小停止・小休止をすれば北タイを堪能できるという御機嫌コースです。北タイ旅行の一つのテーマとして山岳民族のナマの実態を見聞するというのがありますが、これは乾季+4WDという好条件でないと、なかなか難しいです。





[387] ふうみん 2006/08/30 21:31:01   

Shinji さん、思っていた以上の詳細で的確で丁寧なご回答、誠にありがとうございました。

参考資料の Budget のドライブ案内は、私も前にプリントアウトして手元にありましたので、それと愛用の地図を手元に置いて、ご回答された文章を読みながら地点の確認していました。

確認作業をしていると、頭の中で色々なイメージが湧いて来て、もう北タイの辺境をドライブしているみたいな錯覚に陥ります。ご回答を参考に、これからルートの選定に入ろうと思います。音楽を聴きながら、こんな事をしている時間が今の私にはとても楽しいのです。

本当にありがとうございました。感激の至りです。





[388] Shinji 2006/08/31 08:06:20   

蛇足ですが、今回のルートの近傍の紹介をいくつか。


1.メーソットの南、Waley と Umphang

Ban Waley はメーソットの南60km、メーソットで3時間ばかり半端な時間があれば往復できる位置にあります。メーソットの橋を表玄関とすれば、Waley の橋は裏玄関という事になりましょうか。まあ、面白い光景です。

Umphang へ足を伸ばそうとすると、メーソットから1泊2日の寄り道になります。Umphang を訪れる大多数の観光客は、Tee Lor Su Waterfall を見に行くタイ人で、12月~1月に殺到します。Umphang へ至るR1090は、タイでも有数の奇景・絶景を誇りますので、マニアックな旅行者にはお勧めです。ただし、マニアックな旅行者は Umphang の先も探検したくなるでしょうから、そうなると最低3~4日は必要です。

Waley と Umphang については、私がちょっと前にまとめたページを参考にして下さい↓
http://www.geocities.jp/shinji_th/satelthai/projects/westernfrontier/index.html


2.R1095/R107の交差点からをボーダー沿いに北上する

チェンダオまではポピュラーな観光コースですが、その先R1178に入ると、完璧なマニアコースです。派手なアトラクションはありませんが、背筋がゾクゾクするような緊張感は堪能できます。また、しょっちゅう検問で止められて荷物検査をされます(麻薬所持のチェック)。

R1322は Wiang Haeng を経由して、 Ban Lak Taeng という、ちょっと大きな村に到達します。ここまでは全舗装なので運転は楽ですが、得体の知れないビルマ国境の村へ向かうというのは、強靭な精神力を必要とします。折り返してのR1178は、現在舗装工事がどの程度進んでいるのか私は情報を持ち合わせていませんが、舗装完了ならば魅惑的なループを形成します。未完了の場合は間違ってもセダンで乗り入れてはいけません。

さて、R1340を北上して Doi Ang Khang に到達するのは、基本的に全舗装です。が、雨季には土砂崩れで通行が困難になる事があります。途中いくつかの旧国民党村を通過するので、ワビ・サビの世界に浸かれます。

Doi Ang Khang を北側から降りる道路は物凄い急勾配ですが、四輪車ならば問題はありません。ここから Fang に右折しないで直進しますと、タイで二番目に高い山 Doi Pha Hom Pok の裏側を回って Mae Ai に到達する、かなりエキゾチックな道路に入ります。この道路は軍用道路として1995年には完成していましたが、数年前までは観光客はシャットアウトでした。今でもほとんどの地図に記載がありませんし、雨季にはよく道路が陥没して物理的に通行不能となります↓
http://www51.tok2.com/home/cafemondiale/Chiangrai2.htm








[389] ふうみん 2006/09/01 21:44:31   

Shinji さん、南の Umphang から北のDoi Ang Khang までのご紹介ありがとうございます。北タイのミヤンマー国境のディープな所をこんなにも詳しくご紹介いただき、誠に恐れ入ります。

Umphang 周辺のボーダーはとても興味があります。以前にお尋ねしたR1117が開通していれば少しは楽に行けるのですが、今の様な袋小路ですと最低1泊2日が必要ですね。機会があれば4WDで走破したいゾーンだと思います。

Doi Ang Khang に行く途中のR1178とR1322のループは、地図を眺めているだけでも、とても魅力的なコースですね。そして、その先のDoi Ang Khang へのR1340を走り、Doi Ang Khang にある豪華な Angkhang Nature Resort で宿泊というのも素敵なプランですね。

今回の予定は1週間ぐらいですので、このコースを含めるとなると2週間位は必要と思われますので断念し、今回はMae Sot からMae Sariang 、 Mae Hongson 、 Pai 、 Chiangmaiの主要ルートのコースで行きたいと思います。

Shinji さんご指摘の、「主要ルートに沿って走っているだけで北タイを堪能できるという御機嫌コースです。」というお言葉に百万の味方を得て、のんびりと走って来たいと思っています。

また、非常に参考になるサイトと紹介文で地図と首引きの楽しい時間を過ごしました。ありがとうございました。




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