4.パッタダカル(Pattadakal)

パッタダカルまでは、バーダーミから車で21キロ30分の距離。




パッタダカル(Pattadakal)


世界遺産
パッタダカルの建造物
(文化遺産、1987年指定)
Group of Monuments at Pattadakal

カルナータカ州北部のパッタダカルは、チャールキア朝「年表②」の代表的な寺院建築が集まっている。

パッタダカルは「ルビーの王冠の都」という意味で、7世紀中頃からチャールキア朝の2番目の首都になっただけでなく、王の戴冠式を行うなど宗教上神聖な場所でもあった。

パッタダカルの建築は、ヒンドゥー教初期の段階から成熟期の段階へと進む変化の過程を示しており、建築史上の価値も高い。

ここには本殿の屋根部分(シカラ)がピラミッド型をしている南インド型と、砲弾のような形をしている北方型の寺院が混在している。

この寺院群は、7世紀末から8世紀中頃にかけて建設された。


■パッタダカルの地図

バーダーミから30キロほど離れた田園の中に、主要な寺院が9つ残っている。

敷地のすぐ横には、マラプラブハ川が流れている。


■世界遺産の入場料

世界遺産の入場料は500ルピー。


パッタダカル(Pattadakal)



パッタダカルの村に入ると、正面に大きな寺院のシカラが見えて来た。



パッタダカル遺跡公園の入場料は世界遺産のため500ルピーと高い。



朝の8時18分、朝日の逆光の中にパッタダカルの遺跡公園の寺院群が浮かび上がる。



黒いシルエットの中、シカラ(本殿の屋根の形)がピラミッド型をしている南方型と、砲弾のような形をしている北方型が混在しているのが良くわかる。


ヴィルーパークシャ寺院(Virupaksha Temple)



パッタダカル最大の建造物であるヴィルーパークシャ寺院(左)と、一回り小さく斜め後ろに位置するマリカールジュナ寺院(右)。



パッタダカル遺跡公園の一番奥で一番重要な、ヴィルーパークシャ寺院(Virupaksha Temple)から見学しよう。

この寺院は第8代王ヴィクラマーディティヤ2世(在位734~744年)が、カーンチープラムのパッラヴァ朝との戦に勝利したのを記念して王妃が建立した。



ヴィルーパークシャ寺院の正面の門から外を見たら、ラプラブハ川が流れていた。階段を降りると船着き場のようだ。



ヴィルーパークシャ寺院の正面入り口の前にあるナンディ堂は、遺跡ではなく現役のお堂で黒いナンディ像が安置されている。



ナンディ堂は熱心な参拝客で賑わっている。



ナンディ堂から、参拝を済ませた信者たち。



ヴィルーパークシャ寺院の正面のマンダバへの入り口。



マンダバ入り口の左右には、門衛神ドヴァラパーラ像が彫られている。



マンダバの天井下の子壁の彫刻。この寺院は現役の寺院なので灯りが燈されている。



ヴィルーパークシャとはシヴァ神の意味なので、聖室にはシヴァリンガが祀られている。



聖室のまわりには繞道がめぐっている。透かし彫りの窓からさす明かりが、何か神々しく感じる。



石柱に彫られた「乳海攪拌」。



石柱に彫られた叙事詩マハーバーラタの一場面である「矢のベッドに横たわるビーシュマ」。



柱頭持ち送り部に彫られたキールティムカ(鬼面)は迫力満点だ。



天井のレリーフが美しい。こちらも、叙事詩マハーバーラタの一場面である「7頭の栗毛の馬が引く馬車に乗る太陽神のスールヤ」が彫られている。スールヤはヴィシュヌ神の化身と見なされている。



この寺院は、パッラヴァ朝のカーンチープラムの建築家グンダにより築かれた。カーンチープラムのカイラーサナータ寺院を模して造られたという。また、エローラ16窟のカイラーサナータ寺院は、このヴィルパークシャ寺院を模して造られた。



入り口には太鼓腹で財宝の守護神のクベーラが彫られていた。



破風のついた壁龕(へきがん)には、見事なヒンドゥー教の神像で飾られている


マリカールジュナ寺院(Mallikarjuna Temple)



マリカールジュナ寺院は、ヴィルパークシャ寺院と同じく、ヴィクラマーディティヤ2世の勝利を記念して第2夫人が建立した寺院。二人の王妃の位置関係を反映してか、小さめで後ろに位置している。



ヴィルパークシャ寺院と同じような構造で、寺院の前にはナンディ堂、寺院入口を入ると列柱ホールのマンダバ(拝堂)、そしてリンガを祀る聖堂となっている。



マンダバの入り口の柱の彫刻と門衛神。



聖室に祀られたシヴァリンガ。入口の両端には、門衛神のドヴァラパーラが彫られている。



石柱には、先ほどのヴィルーパークシャ寺院と同じく「乳海攪拌」が彫られていた。



柱頭持ち送り部に彫られたミトゥナ像。



入り口の柱に彫られた、仲の良さそうなミトゥナ像。


カーシーヴィシュワナータ寺院(Kashivishveshar Shiva Temple)



カーシーヴィシュワナータ寺院(Kashivisvanatha Temple)は、マリカールジュナ寺院のすぐ横に建造された寺院。8世紀の終わりに建てられた南北混合型の寺院。



基台の彫刻に馬蹄型アーチからシヴァ神が顔をのぞかせている。



マンダバの入り口の装飾は、後世の寺院建築に比べ簡素なものだ。



シカラは南北混合型。



聖室に安置されたシヴァリンガ。



聖室左側の彫刻。



聖室右側の彫刻。



石柱に彫られた「カイラーサ山を揺るがすラーヴァナを閉じ込めるシヴァ神」像。



石柱に彫られた「シヴァファミリー」。乗り物のナンディもいる。


サンガメーシュワラ寺院(Sangameshwar Temple)



サンガメーシュワラ寺院 (Sangameshvara Temple)は、パッタダカルでは一番古い寺院で7世紀末から8世紀にかけてチャールキヤ王朝7代目の王ヴィジャヤディティヤ(Vijayaditya)によって建てられた。南方型シカラは三段のピラミッド状で、壁にはレリーフが施されている。



聖室と列柱廊に囲まれたオープンマンダパが正方形で並んでいる。



オープンマンダパの石柱の装飾は未完成だ。



マンダバから聖室のシヴァリンガを望む。



天井の梁は力強い。


ガラガナータ寺院(Galagnatha Temple)



ガラガナータ寺院(Galganatha temple)は、北方型の砲弾型シカラを持つ。



ガラガナータ寺院のシカラの頂部には、球根型のアーマカラが残っている。



マンダバの入り口の装飾。



聖室にはリンガのみが安置され、ヨニがなかった。



右側から、カーシーヴィシュワナータ寺院、サンガメーシュワラ寺院、ガラガナータ寺院と、北方型と南方型シカラの違いがよくわかる。


ジャンプリンガ寺院(Jambulinga Temple)



ジャンプリンガ寺院(Jambulinga Temple)はごく小規模な寺院で、聖室+マンダバから成り立っている。北方型シカラの破風には「踊るシヴァ神」が彫られている。



右側がジャンプリンガ寺院、左側がガラガナータ寺院で南側を望む。


カダシッデーシュワラ寺院(Kadsideshwar Temple)



カダシッデーシュワラ寺院(Kadsideshwar Temple)のシカラは砲弾型の北方型寺院。祠堂内にはシヴァリンガが祀られている。遺跡公園の中で最も古い寺院。



シカラからは、馬蹄型アーチからシヴァ神が顔をのぞかせている。



壁龕にはヴィシュヌ神が彫られていた。


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イサーンの大地走行2000キロプラス バーダーミへの招待
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