4.南の遺跡群(ハンピバザール)

南の遺跡群のハンピバザールにある駐車場までは、ホテルから車で4.5キロ10分の距離。




ハンピバザール(Hamp Bazaar)



ハンピバザール(Hamp Bazaar)に向かう途中にある、クリシュナ寺院横のゲートをくぐるのに、大型バスが苦労していた。



この道の終点がハンピバザールになる。



バススタンド横の空き地に車を止める。売店の向こうに、ヴィルーヴークシャ寺院の高さ52メートルのゴブラ(塔門)が見える。この寺院は、遺跡ではなく現役の寺院である。



ヴィルーパークシャ寺院(Virupaksha Temple)は、ヴィジャヤナガル王国の時代から現在に至るまで、ハンピの信仰の中心地である。



振り返ると、ヴィルーパークシャ寺院の入り口から700mに渡って直線の大通り(ハンピバザール)が延びている。



ハンピ村はヴィルーパークシャ寺院を中心に形成されている。ハンピバザールの両脇には2階建ての建物跡がある。



ヴィルーパークシャ寺院の手前を右折した道の奥が、ハンピ村の中心地でゲストハウスやレストランが密集しているという。


ヴィルーパークシャ寺院(Virupaksha Temple)



ヴィルーパークシャ寺院(Virupaksha Temple)の建物の配置は、南インドによく見られる形式である。境内は壁(78m×51m)で囲まれており、16世紀前半に建てられた高さ52メートルのゴプラが目立つ。ゴブラの基礎部分は花崗岩で、3段目以上は煉瓦で出来ている。煉瓦部分は漆喰で飾られ、レリーフが彫られている。



朱色に塗られた彫刻は、何か艶めかしく肉感的だ。



入場料を払い、靴を預け境内に入ると境内には象がいた。



境内から本殿を望む。この寺院は7世紀から前期チャールキヤ朝のもと建築がすすめられ、14世紀後半にヴィジャヤナガル王国の支配下にはいっても建築された。



マンダバの柱には、想像上の動物ヤーリの像が彫られている。ヤーリとは、ライオンとゾウが合体した想像上の動物。



マンダバの天井の絵は18世紀に描かれた。この突き当りが聖室となる。



聖室の入り口上部には、パンバー女神とヴィルーパークシャ神(シヴァ神)の結婚のレリーフがある。創建当時の色彩が残っているのはとてもウレシイ。

ヴィルーパークシャ寺院は、最初は土着のドラヴィタ系のパンバー女神を祀る寺院だったと考えられており、パンバーパティ寺院とも呼ばれる。

このパンバー女神の配偶者がヴィルーパークシャ神で、後にシヴァ神とされた。そして、シヴァ神を祀る寺院に形を変えて現在まで存続している。



本堂の彫刻は意外と簡素だった。



境内には、トゥンガバトラー川から引いたタンクがある。



エロチックな彫刻、股を開いて女性器を誇示している。



太鼓といたずら好きなサルたち。





境内から、眺めたゴブラ。ゴブラを出て右側に行くとヘーマクータの丘への道がある。


ヘーマクータの丘(Hrmakuta Hillock)



ヘーマクータの丘(Hrmakuta Hillock)に登る。



ヘマクータ丘には、初期に建設された小さな寺院が点在しており、トリクタチャラと呼ばれる東、西、北に部屋が張り出した形が代表的である。



この地方は溶岩で形成され、何万年もの間太陽の熱による収縮を繰り返して、少しずつ岩が裂けていった。その結果、意図的に巨大な石を積み上げたような地形になった。寺院の建築材料もこれらの石が使われているという。



ヘーマクータの丘から、ヴィルーパークシャ寺院を眼下に眺める。絵になる景色だ。



自然の巨岩と人工の寺院との対比が面白い。



頂上には2階建ての建造物があった。ここが、サンセットポイントになっている。



サンセットポイントの説明板。



サンセットショーの始まりだ。どこからともなく、観光客が集まって来た。



ヘーマクータの丘のサンセット。



ヘーマクータの丘のサンセット。



夕陽を浴びて輝くヴィルーパークシャ寺院。



ヘーマクータの丘のジャイナ教の寺院群。ハンピはヴィジャヤナガル王国の首都となる以前から宗教的な聖地であった。10~14世紀に建てられ、彫刻による装飾は少ないが正確な形態を造っている。


ガネーシャ寺院(Saasivekaalu Ganesha)



ガネーシャ寺院(Saasivekaalu Ganesha)には、高さ2.7mの一枚岩で出来たガネーシャ像が置かれている。Saasivekaalu とは「マスタード」の事で小さいという意味。

ヘーマクータの丘にはもう一つのガネーシャ寺院(Kadalekalu Ganesha)があり、Kadalekalu とは「ナッツ」の意味で大きいという意味らしいが、こちらは未見。



このガネーシャ像は、シンボルである鼻は欠けている。そのため、現在は信仰の対象になっていない。本尊が破壊されたままでは、ヒンドゥー教の信仰対象にならないという。



ガネーシャ像の背中に彫られているのは、ガネーシャの母(パールバティ)で、ガネーシャが母に抱かれている姿だという。こんなガネーシャ像は、初めて見た。


クリシュナ寺院(Krishna Temple)



サンセットポイントから崖下を眺めると、手前にガネーシャ寺院。奥には、1513年にクリシュナ・デーヴァ・ラーヤ王が建てたクリシュナ寺院(Krishna Temple)が見える。クリシュナ寺院の本堂は修理中だ。



クリシュナ寺院の外壁の南側の門。ハンピバザールへの道路が通っている。



南側の内壁の門は残念ながら閉まっていた。



扉の間からクリシュナ寺院のマンダバを望む。


ナラシンハ像(Narasimha statue)とバダヴィリング寺院(Badavilinga Temple)



標識のそばの道端に車を止める。そして、右側の小道を100メートルほど歩く。



屋根のないラクシュミー・ナラシンハ寺院(Lakshmi Narasimha Temple)。



ナラシンハ像(Narasimha statue)。ナラシンハとは、獅子と人の形が合体した神で、ヴィシュヌ神の4番目の化身。



このナラシンハ像は、一枚岩からできている。1528年に造られ、高さは6.7m。ナラシンハ像は瞑想に専念できるように足をバンドで固定し、座禅のポーズをとっている。左膝には、ラクシュミーが座っていたが、崩壊し残っていない。また、4本の手も欠損している。



ナラシンハ像の隣には、バダヴィリング寺院(Badavilinga Temple)がある。



ここには、黒御影石の一枚岩で出来た高さ3メートルのシヴァリンガが安置されている。床は常に水で満たされている。


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イサーンの大地走行2000キロプラス ハンピへの招待
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