イサーンの大地走行2000キロプラス チャンパ遺跡への招待 INDEX
象牙塔


平野の中央の小高い丘の上に三基の祠堂で構成されている

遺跡名
象牙塔 (Duong Long)
様式 ビンディン遺跡群 (Binh Dinh)
創建年代 12~13世紀
場所 ビンディン省タイソン県ビンアン社
入場料 1ドル(2人分)
配置図 「チャンパ王国の遺跡と文化」より
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概要 象牙塔(Duong Long)はユンロンとも呼ばれ、平野中央の小高い丘の上に南側にコン川が流れる場所に建てられた、東向きの三基の祠堂で構成されている。

この遺跡は12~13世紀にかけてチャンパとクメールとの間に接触のあった事を示す貴重な遺跡で、チャンパ王国とクメール帝国が緊密な関係にあった時期のプラサート形式の影響を大きく受けている。

見学時現在、象牙塔は修理中で足場が組まれている。敷地中に入ると眼前に堂々たる三基の祠堂が建ち、中央祠堂は24mの高さを誇る。

多分ここは大きな規模だったのだろう。遺跡の周囲には、たくさんのレリーフのある砂岩が積まれていた。ちなみにパルマンティエによると、他にも副次的な建物があったとされる。
行き方 クイニョンから北西約40キロ、1号線を北上してクイニョン空港方面に左折し、空港の横道を20数キロ走り左折する。
一口メモ 遺跡の入口には錠がかけられており、錠の上のプレートに連絡先の電話番号が記されいるのでドライバーが携帯をかける。その内、オートバイに乗った男が現れて扉を開けたので入場料を支払う。

象牙塔(Duong Long)は修理中で足場が組まれている。

眼前には堂々たる三基の祠堂が建ち、中央祠堂は24mの高さを誇る。


中央祠堂の砂岩の入口は高さ数メートルもあり、前房(クメール建築のプラサート形式ではマンダパと呼ばれる拝殿)からは、階段で繋がっていたのだろうか?

そのため礎石の規模からしても、大きな前房を持っていたと思われる。


中央祠堂と南祠堂に前房は崩れているが、入口の砂岩のフレームはしっかりと残っており、補強材としての役割を果たしている。


白い部分は砂岩のレリーフだ。クメールの影響を感じる。


チャンパ独自の乳房のモチーフが彫られた基壇。


遺跡の周囲には、たくさんのレリーフのある砂岩が積まれていた。


中央祠堂の裏の発掘現場。ヨニが置かれていた。


中央祠堂の裏の偽扉部分は、ほとんど崩壊していた。


砂岩の基壇をには、上部にマカラとナーガが彫られ、中央には蓮の文様と下部にはチャンパ独自の乳房のモチーフが彫られている。


マカラとナーガの表情はクメールよりも優しく、マンガ的に見える。


北祠堂南面は、ほぼ完全な形で残されている。

砂岩で出来たナーガとカーラによって形どられた破風と偽扉。

砂岩には精密な彫刻が施されている。

クメールのような、まぐさ石が無いのが残念だ。


北祠堂の入口の砂岩のフレームは崩壊しているので、祠堂の内部に入れた。

祠堂内部は思ったよりしっかりしており、当時の建築技術の高さを示している。


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