イサーンの大地走行2000キロプラス カオプラヴィハーン(プレアビヒア)への招待



Invitation to Khao Phra Viharn(Preah Vihear) タイ名…カオプラヴィハーン又はカオプラウィハーン
カンボジア名…プレアヴィヒア又はプレアビヒア


 カオプラヴィハーン(プレアビヒヤ)世界遺産登録と国境紛争


2008年7月8日、世界遺産に登録される!…しかし、新たな国境紛争が!


世界遺産登録までの経緯と登録後の国境紛争




■(newsclip.be 2007年6月29日) カンボジア遺跡の世界遺産申請、タイが横槍?

タイ国境に近いカンボジアの山上にあるクメール時代のヒンドゥー遺跡「プレアビヒア」をめぐり、カンボジアとタイの関係が再度緊張している。

カンボジアが国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界遺産に登録申請したことに対し、タイが「国境問題が解決していない」として、横槍を入れたため。6月下旬に行われた世界遺産委員会はプレアビヒアの認定を先送りし、カンボジアで反タイ感情が高まっているという。英字紙ネーションが報じた。

カンボジアでは03年に、タイ人女優が「アンコールワットはタイのもの」と発言したという報道をきっかけに、大規模な反タイ暴動が起こり、プノンペンのタイ大使館やタイ企業のオフィスが焼き打ちに遭うなどした。

タイは文化や言語の相当部分をカンボジアから輸入したが、こうしたことは一般的にはあまり知られておらず、カンボジアを見下す傾向が強い。



■(newsclip.be 2008年1月25日) カンボジア山上遺跡の世界遺産申請にタイが不快感

カンボジアがタイ国境に近い山上にあるクメール時代のヒンドゥー遺跡「プレアビヒア」の世界遺産登録を目指していることに対し、タイ陸軍の報道官が24日、「カンボジアは歴史をねつ造し、自国の利益のみ考えている」と批判した。

プレアビヒアはタイとカンボジアが領有権を争い、1962年に国際司法裁判所がカンボジア領とする判決を下した。この裁判でタイにしこりが残った上、タイ側からしかアクセスが困難という地理的なねじれもあり、両国間の火種となっている。

この問題についてタイのスラユット首相は25日、プレアビヒアの世界遺産登録にはタイ側の合意が必要という考えを示した。プレアビヒアがタイのものかという記者の質問に対しては、「その問題だけではない」と述べ、領土問題が片付いていないという認識を示唆した。

カンボジアでは2003年に、タイ人女優が「アンコールワットはタイのもの」と発言したという報道をきっかけに、大規模な反タイ暴動が起こり、プノンペンのタイ大使館やタイ企業のオフィスが焼き打ちに遭うなどした。



■(newsclip.be 2008年3月4日) カンボジア遺跡の世界遺産申請,、タイが態度軟化

カンボジアがタイ国境に近い山上にあるクメール時代のヒンドゥー遺跡「プレアビヒア(タイ名、カオプラウィハーン)」の世界遺産登録を目指していることに対し、タイのサマック首相は4日、周辺地域を含まないことを条件に登録申請を支持する考えを示唆した。

プレアビヒアはタイとカンボジアが領有権を争い、1962年に国際司法裁判所がカンボジア領とする判決を下した。この裁判でタイにしこりが残った上、タイ側からしかアクセスが困難という地理的なねじれもあり、両国間の火種となっている。

サマック首相は3、4日にカンボジアを訪問した際に、同国のフン・セン首相らとこの問題について話し合い、遺跡本体はカンボジアが単独で、周辺地域はタイとカンボジアが共同で管理することで原則合意。両国の軍、外務省が今後詳細を詰める予定という。
 
カンボジアは9―13世紀にかけインドシナ半島で最大規模の王国だったが、14世紀以降はタイやベトナムの侵略に苦しみ、文化財や国民を奪い去られた。こうした経緯から反タイ感情が強く、2003年には、タイ人女優が「(カンボジアの世界遺産)アンコールワットはタイのもの」と発言したという報道をきっかけに、大規模な反タイ暴動が起こり、プノンペンのタイ大使館やタイ企業のオフィスが焼き打ちに遭うなどした。



■(バンコク週報 2008年5月12日) 深刻化するピレアビヒア遺跡問題

ノパドン外相は5月11日、タイとカンボジアの国境線上に位置するクメール遺跡「ピレアビヒア(カオプラウィハーン)」を巡るカンボジアとの交渉で、タイ側は一歩たりとも譲歩しないとの姿勢を再確認した。

これは、石油利権などでカンボジア側の譲歩を引き出すためタイ側が妥協する可能性があるとの噂を否定するものだ。

この噂の背景には、同交渉を担当してきた外務省条約法務局長が先に左遷され、タイ側がこれまでのスタンスを変えるとの見方が浮上していることがある。だが、同外相は、「遺跡交渉は石油利権とは一切無関係」と、噂を全面的に否定している。

同遺跡については、国際司法裁判所が1962年、カンボジア領との裁定を下したが、タイ側はこれを不服とし裁定の受け入れを留保している。



■(バンコク週報 2008年6月20日) 上院外交委、世界遺産登録の延期要請へ

カンボジア政府によるクメール遺跡「プレアビヘア」(タイ語名・カオプラウィハン)の世界遺産登録申請を巡る問題で、タイ上院外交委員会が外務省の対応に問題があるとして登録延期をユネスコに要請する方針であることが、6月19日までに分った。

タイ・カンボジア国境に位置する同遺跡を巡っては、半世紀も前から両国が領有権を主張し、いまだに決着していない。このため、タイ政府は、カンボジア政府が同遺跡の世界遺産登録を申請したことに反発。これを受け、カンボジア政府が国境画定の見直し案をタイ側に提出していた。

その後、タイ外務省が同案を承認したことで、タイ政府もカンボジア政府による世界遺産登録申請に同意することとなった。

しかし、ピクンケオ上院外交委員長は、「憲法では領土に関する決定は議会の承認が必要となっている。だが、外務省はこの手続きをとっていない。さらに、この件について外務省は詳細を明らかにしておらず、透明性に問題がある」と批判。

これに対し、ノパドン外相は、「遺跡がカンボジア領であるとの点では意見が一致している。両国が領有権を主張しているのは遺跡周辺の4.6平方キロの区画だけ。カンボジア側が示した国境画定は、同区画の領有権には触れていない。このため、議会の承認は不要」と反論している。



■(newsclip.be 2008年6月24日)  カンボジア、タイ国境の山頂遺跡を閉鎖

カンボジア政府は23日、タイ国境に近いカンボジア領内の山上にあるヒンドゥー遺跡「プレアビヒア(タイ側呼称、カオプラウィハーン)」の一般参観を中止し、周辺国境に軍を増派した。プレアビヒアの世界遺産申請にタイ政府が合意したことに対しタイ国内で批判が強まっていることを受けた措置とみられる。

タイの上院議員、王族、学者ら300人は24日、国際連合教育科学文化機関(ユネスコ)に対し、プレアビヒアの世界遺産認定に反対する陳情書を提出する予定。野党民主党はサマック首相とノパドン外相がカンボジアとの交渉で国益を損なったとして、23、24日に下院で行われる閣僚不信任案審議で、「すべてのタイ人の国会議員」に対し、首相と外相に不信任票を投じるよう呼びかけた。

プレアビヒアはクメール王国が11―12世紀に建立したとされる寺院遺跡。タイとカンボジアが領有権を争い、1962年に国際司法裁判所がカンボジア領とする判決を下したが、がけの上にありタイ側からしかアクセスが困難な上、周辺の国境が未画定のままで、世界遺産申請の妨げとなっていた。

両国は今回、カンボジアがプレアビヒア本体のみを世界遺産に申請し、周辺地域を含めないことで合意し、18日、共同コミュニケに調印した。しかし、カンボジアが用意したとされる遺跡周辺の地図が公開されなかったため、タイの反政府団体「民主主義のための市民同盟(PAD)」や民主党が、タクシン元タイ首相のカンボジアでのビジネス権益と引き換えにカンボジア側に有利な国境画定を飲んだなどとして、タイ政府を批判している。

タイは文化や言語の相当部分をカンボジアから輸入したが、こうしたことは一般的にはあまり知られておらず、過去数世紀国力が衰えたカンボジアを見下す傾向が強い。カンボジアではタイ側の態度、優越感に対する反感が強く、2003年には、タイ人女優が「アンコールワットはタイのもの」と発言したという報道をきっかけに、大規模な反タイ暴動が起き、プノンペンのタイ大使館やタイ企業のオフィスが焼き打ちに遭うなどした。



■(読売新聞 2008年6月26日) 





■(AFP 2008年7月8日)  カンボジア・プレアビヒア寺院を世界遺産リストに登録

2008年07月08日 13:55 発信地:ケベック/カナダ

カナダのケベック(Quebec)で開かれている国連教育科学文化機関(ユネスコ、United Nations Educational, Scientific and Cultural OrganizationUNESCO)の世界遺産委員会で7日、カンボジアのタイ国境にあるプレアビヒア寺院(Preah Vihear Temple)を世界遺産リストに登録することが決定した。

今回の委員会では45か所の世界遺産登録について討議されたが、中でも遺産登録をめぐり大きな議論が巻き起こっていたのが、このプレアビヒア寺院だ。

カンボジアとタイは11世紀ごろ山岳頂上に建設された寺院一帯の領有権を長年争っていたが、1962年に国際司法裁判所がカンボジア領との判断を下した。しかし、寺院の入口に入るにはタイ側の山のふもとから上るしかないなど問題があったことから、カンボジアの世界遺産登録の単独申請にタイ政府は同意していなかった。

この問題は6月にタイ政府がカンボジア政府による登録申請に合意したことで解決したかにみえたが、タイ国内の政治団体や市民団体がこの合意に激しく反発。タイの裁判所が政府の決定を差し止める事態に至っていた。

今回、2日から10日まで開催予定の世界遺産委員会では、プレアビヒア寺院のほか、マレーシアのマラッカ海峡(Straits of Malacca)の街メラカ(Melaka)とジョージタウン(George Town)、パプアニューギニア初のリスト入りとなるKuk Early Agricultural Siteの文化的景観の遺産リスト登録も決定されている。(c)AFP



■(newsclip.be 2008年7月28日)  カンボジア総選挙、人民党が事実上の勝利宣言

【カンボジア】プノンペンからの報道によると、27日に投開票されたカンボジア総選挙(定数123)で、フン・セン首相率いる与党人民党は同日、公式の開票結果を待たず、議席数の3分の2を上回る91議席を獲得したことを明らかにし、事実上の勝利宣言を行った。国家選挙管理委員会は28日にも暫定開票結果を発表する予定だ。

 カンボジア総選挙は約1万7000人の選挙監視団が見守る中、全国1万5200カ所余りの投票所で一斉に行われ、混乱なく終了した。

 野党サムリャンシー党は40議席を獲得したと主張した上で、「首都プノンペンで有権者名簿から20万人の有権者名が消え、投票できなかった。開票結果は受け入れられない」と再選挙を求めたが、党勢の後退は避けられない見通しだ。

 今回の総選挙ではタイとの国境地帯にあるヒンドゥー寺院遺跡プレアビヒア( タイ側呼称・カオプラウィハーン)の防衛問題が最大の焦点となったが、もともと優勢だったフン・セン首相は国境付近への部隊増派を表明し、圧倒的支持を集めた。



■(産経ニュース 2008年9月24日)  国境紛争協議再開へ タイとカンボジア

 カンボジアのフン・セン首相は24日、ニューヨークで開かれている国連総会の機会を利用し、中断していたタイとの国境紛争をめぐる協議を再開することを明らかにした。ただ、カンボジアの新内閣発足手続きのため外務次官を派遣するにとどめ、外相会談などは予定していないという。

 ヒンズー教寺院遺跡プレアビヒア」周辺地域でのタイとの国境紛争をめぐっては、8月下旬に予定されていた両国の軍高官協議が、延期されたままになっている。

 フン・セン首相>は同日、2国間協議で解決できない場合、国際司法裁判所など第三者を交えた解決を目指す意向をあらためて示した。(共同)



■(中国新聞 2008年10月15日)  カンボジアとタイが交戦 国境紛争、兵士4人死亡

【プノンペン15日共同】カンボジアとタイの国境未画定地域で十五日、両国軍が一時交戦し、カンボジア兵士一人とタイ軍兵士三人が死亡、少なくとも三人の兵士が負傷した。現場は十三日以降、カンボジア側がタイ軍が侵入したと主張し、撤収を要求した地点の周辺。世界遺産登録が決まったヒンズー教寺院遺跡「プレアビヒア」周辺でも交戦した。

 両国による戦闘は三日の銃撃戦以来で、今月二度目。カンボジア軍はプレアビヒア近くのパゴダ(仏塔)にいたタイ軍兵士約十人を拘束したとしている。

 十五日午後二時半(日本時間午後四時半)ごろに始まり、ライフルやロケット砲が使われた。同日午後三時四十五分ごろまでに終結。前線にいるカンボジア軍幹部は「タイ側が先に発砲した」と主張しているが、真偽は不明だ。

 カンボジアのフン・セン首相が「戦争が起きる」と強硬に撤収を要求。十四日にタイ軍が別の場所に移動し、現場周辺での両軍の対立はいったん沈静化していたが、十五日になって両軍が再びにらみ合う展開になっていた。

 今月三日の銃撃戦では兵士三人が負傷。カンボジアとタイは七月から、プレアビヒア周辺地域の領土問題をめぐり、現場周辺に部隊を派遣し、対立が続いていた。


テレビ東京
週刊ニュース新書

2008/10/18
放映より


テレビ東京
週刊ニュース新書

2008/10/18
放映より


カンボジアのフン・セン首相

2008/10/18
放映より



■(毎日新聞 2008年10月16日)  国境紛争:カンボジア、タイ両軍、一時停戦に合意

【バンコク藤田悟】カンボジア・タイ国境にあるヒンズー寺院遺跡「プレアビヒア」付近で15日に起きた銃撃戦を巡り、両国軍の現地司令官が16日会談し、一時停戦に合意した。しかし、国境付近でにらみ合う緊張状態は解けておらず、紛争再燃の懸念は依然強い。

 カンボジア軍によると、「停戦状態を尊重し、それぞれの駐留位置から進出しない」ことで合意し、カンボジア側が拘束していたタイ兵士10人はタイ側に引き渡された。タイ軍によると、双方が領有権を主張する国境未画定地域で両軍が共同でパトロールを行うことでも基本合意し、21日に協議するという。

 一方、タイ外務省は16日、タイ兵士2人が6日に地雷を踏んで重傷を負った事件について「新規に敷設された地雷で、タイ軍が使用したことがない種類のもの」と発表。カンボジアが新規地雷の敷設を禁じたオタワ条約に違反した疑いがあるとして、国連に調査を求める方針を示した。

 15日の銃撃戦で重傷を負ったカンボジア兵士1人が新たに死亡し、死者は3人となった。また、カンボジアに滞在するタイ人約1500人のうち、タイ外務省による退避勧告を受けて約570人が出国した。



■(毎日新聞 2009年4月10日)  ASEAN会議:カンボジアとタイ首相が会談

【パタヤ西尾英之】タイのアピシット首相とカンボジアのフン・セン首相は10日、パタヤで会談。今月上旬、両国国境付近のヒンズー教遺跡「プレアビヒア」近くで両国軍が交戦した事件について、「偶発的事件」としたうえで、再発防止のため現地に駐留する両国軍の連絡調整を強化することなどで合意した。



■(読売新聞 2009年7月7日)  世界遺産ヒンズー教寺院、軍事的緊張で荒廃

タイ、カンボジア両国の国境未画定地帯にあるヒンズー教寺院「プレアビヒア」遺跡は7日、世界遺産登録から1年を迎える。登録を機に高まった軍事的緊張は現在も続き、荒廃した遺跡の保存作業は全く進んでいない。

 寺院本堂に続く参道のそばでは、カンボジア兵らが
塹壕(ざんごう)や土のう作りに精を出していた。

 サン・スーン大尉は、50メートル先のタイ軍陣地を見ながら、「我々は戦う用意がある。7月中は全駐留兵に外出禁止命令が出ている」と話した。寺院付近には両国軍がそれぞれ2000人規模の兵士を展開。タイ軍のウィブーンサク・ニーパーン第2管区司令官も地元紙に、「状況は非常に緊迫している」と指摘した。

 同寺院はカンボジアの単独申請で世界遺産に登録され、その後の両国軍の交戦で20人以上が死傷した。

 先月下旬には、タイ政府が国連教育・科学・文化機関(ユネスコ)の世界遺産委員会に遺跡の登録見直しを訴え、両国関係はさらに悪化している。

 寺院本堂は、半分近くが崩れたまま。倒壊寸前の楼門もあるが、カンボジア政府は過去1年で倒壊しそうな柱などを補強しただけで、「タイ軍の流れ弾で遺跡が傷ついた。被害があれば、タイの責任」と主張する。これに対し、タイ政府は「カンボジアは過去40年間以上、何もしてこなかった」と反論、双方は非難の応酬を続けている。

 ユネスコのカンボジア事務所は「両国は世界遺産条約を批准しており、遺跡を守る義務がある」と訴えているが、遺跡保護が本格化する見通しはたっていない。(カンボジア北部プレアビヒアで 佐藤昌宏)



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