海外紀行3 マルコポーロに乗ってマルコポーロに泊まる


〜マルコポーロ〜



広辞苑で「マルコポーロ」を引くと、イタリアの商人・旅行家。
「東方見聞録」を口述し、ヨーロッパ人の東洋観に深い影響を与えた。
とあるが、此処でいう「マルコポーロ」とは・・・




この題名の意味が良く分からないと思いますが、キャセイパシフィックのビジネスクラス「マルコポーロ」に乗って、香港のホテルの「オムニマルコポーロ」に宿泊するという意味です。

ビジネスクラスの旅なんて厭味な奴だと思うかも知れませんが、少し我慢をしてお付き合い下さい。

1992年3月。バブル景気がはじけて数年後だったが、誰も今日の日本の「失われた10年」になるとは頭の片隅にも無かった。今から思えば良き時代だった。

香港から遅れて到着したキャセイは、整備に手間取り、出発時刻になっても搭乗手続きは行われず、成田の出発ロビーは座る席も無いほど人があふれていた。

小一時間も過ぎた頃に私達を含めて5、6人の名前が呼ばれた。搭乗カウンターに来るようにとの呼び出しであった。私はこの時「ピーン!」と来るものがあった。

思った通り、ビジネスクラスへのアップグレードだった。ニコニコ顔で帰って来る私を待っていた家人の「yayo」は意味が分からず怪訝な顔で迎えた。




飛行機は、当時就航したばかりの最新鋭の通称「ダッシユ400」だ。ボーイング747ー400の二階がビジネスクラスの「マルコポーロ」だった。

ピカピカの室内でゆったりとした座席はエコノミークラスとは大違いだった。食事も美味しく、お酒も色々とチョイス出来る。

特にワインは上記のリストの様に素晴らしい。グラスももちろん紙コップでは無く本物のグラスで、ブランデーはナポレオンのXOだ。

あまり「マルコポーロ」の居心地が良いので、香港に到着するのが後数時間遅くなってもいいな〜あと思った。





〜ホテル〜




ホテルは「オムニ・マルコポーロホテル」を予約した。

尖紗咀の交通が便利な場所に在り、香港の街歩きに良いと思って選択した。

マルコポーロホテルの前にて「yayo」。

イギリス植民地ホテルの「ペニンシュラホテル」は日本の統治時代の三年半は「東亜ホテル」と名前を変えた。

他のイギリス植民地ホテルの、シンガポールの「ラッフルズホテル」には行ったが、ラングーンの「ストランドホテル」は行ってないので、機会があれば是非一度行きたいと思っている。






〜スターフェリー〜


スターフェリーから見た香港島

スターフェリーは一階が2等、二階が1等だ

水夫のセーラー服がいい感じだ

スターフェリーの接岸



香港を舞台にした映画といえば「慕情」があまりにも有名だが、私は「スージー・ウオンの世界」が好きだ。

「スージー・ウオンの世界」の香港ロケがとてもいい。画家のウイリアム・ホールデンと美しい中国娘のナンシー・クワンが
「スターフェリー」で出合う場面がすごく印象深く、香港に行ったらまず最初「スターフェリー」に乗ろうと思っていた。

「スターフェリー」は一階が2等、二階が1等で、HONG KONGの金文字がある方が船尾だ。「スターフェリー」で働く水夫のセーラー服がとてもいい感じだ。





「映画の友」の1961年の2月号の裏表紙に乗っていた「スージー・ウオンの世界」の広告。

記事の中に解説文がありましたのでご紹介します。


西洋と東洋の文化がまじった神秘の街香港にくりひろげられるメロドラマ。

「慕情」のリチャード・メイスンの原作を「八月十五夜の茶屋」のジョン・パトリックが脚色。「逢う時はいつも他人」のリチャード・クワインが監督にあたった。

出演者は「騎兵隊」のウイリアム・ホールデン、製作者レイ・スターに見出された混血児ナンシー・クワイン、「香港定期船」のシルヴィア・シムス等。

1960年度作品。二時間七分。(米・パナマウント映画・ビスタビジョン・サイズ・テクニカラー作品)






〜陸羽茶室〜





「陸羽茶室」は香港で一番歴史があり味も最高級の飲茶の店で、あと数年後に廃業すると聞いていたので、その前に是非行っておきたいと思いこの度の旅行で真っ先に行った。

味も雰囲気も評判通りで満足したが、何故だか知らないが廃業せずに今日まで在るではないか。

上は「陸羽茶室」のメニューです。どんな料理か分かりますか。


陸羽茶室の入口にてインド人の案内人と「yayo」。 陸羽茶室の飲茶。





〜その後〜


2年後の1994年1月。神戸にいる時に会社で香港旅行を企画した。

私が幹事となって旅行会社の担当者と食事や観光等々細かな点まで折衝し、30名程の団体で行った。

しかし、この時のレストランの食事は全く美味く無く、美味かったのは屋台で食べた上海蟹と、珠海ゴルフ場のクラブハウスの味噌汁だけだった。

やはり、改めて旅行は個人旅行に限ると思った。


香港からマカオはジェットフェリーで行き、
マカオから中国の珠海に入った。

珠海ゴルフ場のクラブハウスの
味噌汁は美味かった。
珠海国際ゴルフ倶楽部は
中国で最初のゴルフ場だ。