5日目 カオプラヴィハーンへ




カオプラヴィハーンの頂上、絶壁は600メートルにもなり、眼下にカンボジアの大熱帯雨林を望む





ホテルの朝食

ネヴァダグランドホテルの朝食は、ビュッフェ方式で、品数、味とも平均レベルというところか。

レストランは宿泊客で混雑しており、空席を捜すのも一苦労だった。


幻の遺跡カオプラヴィハーンへ

今日も気合を入れて、ホテルを8時に出発だ。駐車場は数台の観光バスが発車の準備をしており、昨夜の白人観光客も観光バスに乗り込んでいた。

ウボン市内は朝のラッシュで、北のネヴァダグランドから南のMOON RIVERを渡るだけで20分も掛かってしまった。

隣のワーリンチヤムラープ市内に入って、少し行くと道路の半分を占領して、イスとテーブルを数十も出して営業しているレストランがあった。

もちろん車は片側通行になり、道路は渋滞している。そこでは警官も食事中だった。いかにもタイらしい光景だ。

2178号線をそのまま南へ進み、ガソリンスタンドでガソリンを満タンにして、リポビタンを飲む。ここから先は、快調に時速100キロで走る。ベンチャラックで2085号線に合流し、その先に行くと24号線と交差する。

そのまま進むとカンターララックで、221号線に合流する。この合流地点が少し複雑だったが、何とかうまく過ごし221号線に入る。

221号線は、こんな国境近くの辺鄙なところに不似合いの快適な道路で、一路カオプラヴィハーンへ向かう。

この辺りから、山が見え、木々も多くなり、空は青く、単調なイサーンの景色から、緑の多い美しい景色となって来る。


カオプラヴィハーン遺跡見学

MOON RIVERから一時間半でカオプラヴィハーン国立公園の入口に着いた。外国人の入場料は、200バーツでタイ人は20バーツとは、何か納得出来ない思いだ。

ここから、数キロで広い駐車場に着く。沢山の土産物屋と案内所があり、案内所には遺跡の写真や模型が展示してあった。

この案内所のトイレは水洗であり、この先カンボジア側のトイレの事を考えると、是非ここで用を済ましておきたい。カンボジア側にトタンで囲った有料トイレがあるが、遠くから見ただけでも入る気がしなかった。

案内所のゲストブックに記帳して、パラパラとめくって見たが日本人の記帳は見当たらなかった。やはりここまで来る日本人は少ないのだろう。

ここから数百メートル歩いた所に、タイの国境検問所があり、パスポートのコピーを撮られた。コピー代は10バーツだった。(パスポートは必要無いとの情報が有ったが、2003年11月現在必要である。)

国境検問所から、百メートル位で舗装道路は終わり、岩盤の上をさらに、百メートル位の所が国境であり、金網にINとOUTの扉があった。

何か遊園地に入るみたいだ。この間、物売りのカンボジアの子供たちが、うるさいぐらいまとわり付いてくる。

カンボジアに入り少し行くと、料金所の小屋があり200バーツ支払い入場券をもらう。

カオプラヴィハーンの入口に向かう間に、バラックのみやげ物屋が軒を並べている。先程のタイ側の土産物屋と大違いだ。

カオプラヴィハーン(khaoPhraViharn)はクメール語ではプレアビヒア(PrrahVihear)と呼ばれ9世紀に建立されたといわれている。

その後、11世紀にアンコール帝国のスールヤバルマン1世が大規模な増改築に着手し、その後継者達の手によって12世紀にようやく完成した。

そのため、遺跡の随所に渡って各時代の建築様式が残り、とても興味深い遺跡だ。神殿の入口で、先程の入場券の半券を渡し、遺跡の階段を登るが非常に荒れている。

もう居なくなったと思った物売りのカンボジアの少年がついてくる。とてもうるさく感じ、仕方なくこの少年から絵葉書を買った。

入口の長い段を上ると、第一の神殿がありナーガある。その上にカンボジアの国旗がはためいていた。

この後も、第二から第四までの神殿が一直線に並び、入口から頂上まで650メートルもある。頂上まで、ゆっくりと遺跡を見ながら登ると約一時間位掛って頂上についた。


頂上からカンボジアの大熱帯雨林を望む

この頂上はドンラック山脈にあたり、眼下の絶壁は600メートルにもなるという。

眼下に、カンボジアの大熱帯雨林を望む、ずーつと付いて来た物売りの少年が、「アンコールワット!」と彼方を指さす。

横を見るとドンラック山脈が連なり、後ろはカオプラヴィハーンと、遺跡とこの景色が織り成す一大パノラマが展開する光景は、とても見事で感動する。見学に来ている僧侶達も盛んに写真を撮っていた。

ゆっくりと遺跡を見ながら降りた。途中ポルポト軍の大砲や、参道横の地雷の標識や撤去作業をみた。

入口の階段の所で少年と別れる。あのうるさいと思った少年(名前はラウイといった)の声も聞こえ無くなると、2時間近くも一緒に居て情が移ったのか、「yayo」が「居なくなると、寂しいね」とつぶやいた。


昼食はヴェトナム料理を

車に戻ると昼を優に過ぎていた。昼食は、ウボンで美味いと評判の高いレストランのインドチーンでのヴェトナム料理だ。

車を飛ばして来た道を帰る。朝一度通った道なので一時間半でウボンの店に着いた。

インドチーンの店内は、2時を過ぎたというのに半分の席は埋まっていた。テーブルは古いミシンを使用したしゃれた感じの店だった。ほとんどの客は、ネームヌアンを食べており我々も注文する。

評判どおり美味しいが、一諸に注文したブンカンというヴェトナムヌードルが絶品に美味しく、思わずお代わりしてしまった。今回の旅行で食べた中で一番の味だった。


ウボン市内

昼食後、イサーン特産の織物マットミーを扱うメイピーという店に行く。小さな店で品数も少ないので、店の人に他にないかと聞くと裏の倉庫に案内してくれた。

気にいった布が沢山あり、値段も安く満足だった。沢山買ったせいかマットミーのキーホルダーを数点付けてくれた。

TATに寄って、タイマッサージの店を聞いたら、丁寧に地図に店の名前を記入してくれた。全部で三店あった。

女子学生が研修で数人おり、アンケートを書かされた。日本人が珍しいのか好奇の目で見られた。

カオプラヴィハーンで汗を掻き、車のエアコンで冷えたせいか、風邪気味なのでネヴァダグランドホテル近くのスーパーのロータスに行き、薬局で風邪薬を買ってホテルに一旦帰り休息する。

薬局では、「地球の歩き方」の「旅のタイ語」を指で指して2種類の薬を買った。日本に帰って来てから、掛かりつけの医者に見せたら、こんな薬は知らないと言われた。


タイマッサージの店

6時にタイマッサージの店の有るシーカモンホテルに行く。マッサージ師は、一人しか居らず「ふうみん」からマッサージを行う。

マッサージ師は「yayo」に向かって、もう一人のマッサージ師が来るまで5分間待ってくれというが、なかなか来ない。

どうせタイの5分は30分ぐらいと思っていたら、まだ甘かった。なんと1時間だった。しかし、マッサージはとても上手で人柄も良く怒る気になれなかった。遅れて来たマッサージ師は稲刈りで忙しかったといっていた。

先に終わったので、ロビーでフットマッサージ用の椅子でリラックスし、テレビを見ながらビールを飲む。

テレビのチャンネルはラオスの放送を放映していた。改めてタイの最東北部の都市に居ることを実感した。

1時間後、「yayo」もマッサージが終わり出てきた。いままでタイでのマッサージの中で、一番上手だったと満足していた。…サバーイ!〈気持ちいい)、サバーイ!。値段は2時間250バーツだった。


夕食は名も無き食堂で

次は夕食だ。マッサージに3時間も掛かり9時をかなり過ぎてしまったせいか、車に乗りウボン市内のレストランを探すが、レストランはどこも空いていない。

やっと公園の近くにある、ラチャターニーホテルの並びに空いている中華の店を見っけた。

歩道上にまでテーブルを出して、かなりの客が入っている。ここなら美味しそうだと思い道路脇に車を止めて直ぐに入った。

店頭で食材を指名し調理法を言う。空心采のオイスター炒め、海鮮と野菜の炒め、豚のオムレツ等を頼み店内に入ろうとしたら、頭をぶっつけた。

軒の低い店で、あまりきれいではないが、味は良く、チョクと呼ばれるお米の形の無くなるまで煮たおかゆが出た。なかなか美味しかった。

外国人が珍しいのか、他のテーブルの客から、「どこから来たの」と聞かれた。「JAPAN」と言うと、うなずきながら連れに「JAPAN」と言っていた。


ホテルのディスコへ

食事を終わり、10時過ぎにホテルに帰ってビックリした。なんとあの広い駐車場が一杯で、車を止めるスペースが全く無い。

「宿泊客だからどうしても駐車する!」と強い調子で係員に言うと、ハンドブレーキを掛けずギアはニュートラルで駐車してくれとのこと。後で係員が手で押して移動するのだろう。

駐車場が一杯なのは、金曜日の夜、街一番のディスコ「THE ROCK」がホテルの一階にあるからだ。

早速、部屋に帰り着替えてディスコに行ってみると、入口でIDカードをチェツクしている。パトカーが来て警官もいる所を見ると、多分年齢のチェツクだろう。

「THE ROCK」の中は数百人入れる規模で、元気一杯の若者の熱気に満ちていた。ボーイに案内されて、我々は舞台の見えるカウンターに座る。

「yayo」が呟く「なにか変よ!このカウンターの人は全て男性の一人客ばかりよ。」何と、このカウンターはオカマのナンパコーナーだった。

12時過ぎに部屋に帰りベッドに入ったが、8階の部屋まで、ディスコの音楽は鳴り響き、やっと終ったのが2時過ぎだった。

…マイペンライ、タイのホテル。

本日の走行245キロ…お疲れ様でした。
タイ側の案内所

タイの国境検問所

国境の金網、INとOUTの扉

カンボジアに入るとタイと異なり
バラックのみやげ物屋が軒を並べる

非常に荒れている神殿入口の遺跡の階段

ナーガの上にはカンボジアの国旗がはためく

乳海攪拌のレリーフ

カオプラヴィハーン遺跡

カオプラヴィハーン遺跡

カオプラヴィハーン遺跡と左に見える僧侶

頂上で[yayo」とカンボジアの少年「ラウイ」

遺跡の回廊にて「ふうみん」と「yayo」

ポルポト軍の大砲

「インドチーン」のテーブルは古いミシンだ

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評判の高い「インドチーン」とレンタカー

マットミーの店メーピー

TATに寄ってタイマッサージの店を聞いた

「シーカモンホテル」

夕食はこの中華の店で食べた。
昼に店の前を通ったら客がいなかった

ウボンの街一番のディスコ「THE ROCK」




「yayo」の日記 ドライブマップ

今日はカンボジア国境の
カオプラヴィハーンへ

石を敷き詰めた階段を
汗をかきながら
一歩一歩登って行く。
途中には
荒れ果てた遺跡が点在している。

頂上から見ると、
遠く先はかすんでいるが、
そこがアンコールワットとのこと。

入口から
物売りの子供達が近づいてきた。
一人の少年が
足場の悪い石段を登る度に
"マダム"と手を差し出してくれたり、
こちらに廻ってと、
同行の「ふうみん」より
ずっと心使いをしてくれた少年「ラウイ」。

ゆっくり見学していると、
姿が見えなくなったり、
また現われたり。

私のことを気に入ったようで
"マダム ウォーター?"
と飲み物まで買おうと……。

その「ラウイ」、
最初に会った所まで
来るのかと思っていると、
石段をほぼ降りた途中で"マダム"、
"バーイ"と指を立て去っていった。

"どんな大人になるのかな~?"

家人「yayo」、亭主「ふうみん」 赤字:本日のドライブコース…245キロ
(累計1285キロ)