magazin キネマ旬報
キネマ旬報日本映画60年を代表する最高作品ベストテン




1959年7月 No236号
表紙  グリニス・ジョーンズ
「キネマ旬報」創刊40年にちなんで、 日本映画60年を代表する最高作品ベスト・テンが選出された。第一位を獲得したのは伊藤大輔監督の「忠治旅日記」である。

もちろん、こういう選出方法にはさまざまな無理がある。企画した編集部にも、準備時日が浅かったため、選考方法に不備があった点は大いに認める。

だが、それにしてもここに選ばれた十本は日本映画60年を代表する最高水準の傑作であることは間違いあるまい。一つの規準として、本誌創刊40年とともに記録に残したい。

1959年7月 No236号  …キネマ旬報誌面から


日本映画60年を代表する最高作品ベスト・テンの選出方法

選考方法は、例年のベストテンと同じく、第一位を10点とし、以下・・・十位1点とし、その合計点から順位を決定した。

選考者は、無声映画時代から批評の筆をとって来られた十五名の方にお願いし、十五名の方の投票の合計点で選出した。

選考対象として選ばれたのは五十八本の作品で、上位二十本の作品を下記に記した。

■選考者の批評家15名
飯田心美、岩崎昶、大黒東洋士、河上英一、岸松雄、北川冬彦、近藤茂雄、杉山静夫、杉山平一、滝沢一、戸田隆雄、双葉十三郎、村上忠久、森満二郎、淀川長治





1959年7月 No236号選出
キネマ旬報 日本映画60年を代表する
最高作品ベスト・テン
1999年10月 No1294号選出
キネマ旬報 オールタイムベスト
100 日本映画編

順位 点数 題名 監督 公開年
1 100 忠治旅日記 伊藤大輔 1927
2 83 祇園の姉妹 溝口健二 1936
3 68 生まれては見たけれど 小津安二郎 1932
4 38 内田吐夢 1939
4 38 酔いどれ天使 黒澤明 1948
6 33 浮雲 成瀬巳喜男 1955
7 28 生きる 黒澤明 1952
8 26 二十四の瞳 木下恵介 1954
9 24 真昼の暗黒 今井正 1956
10 22 五人の斥候兵 田坂具隆 1938
10 22 日本の悲劇 木下恵介 1953
12 20 国士無双 伊丹万作 1932
12 20 浪人街・第一話 マキノ正博 1928
12 20 羅生門 黒澤明 1950
15 18 雨月物語 溝口健二 1953
16 17 西鶴一代女 溝口健二 1962
17 15 浪花悲歌 溝口健二 1936
18 14 小島の春 豊田四郎 1940
19 13 今井正 1957
19 13 赤西蠣太 伊丹万作 1936
順位 題名 監督 公開年
1 七人の侍 黒澤明 1954
2 浮雲 成瀬巳喜男 1955
3 飢餓海峡 内田吐夢 1964
3 東京物語 小津安二郎 1953
5 幕末太陽伝 川島雄三 1957
5 羅生門 黒澤明 1950
7 赤い殺意 今村昌平 1964
8 仁義なき戦い 深作欣二 1973
8 二十四の瞳 木下恵介 1954
10 雨月物語 溝口健二 1953
11 生きる 黒澤明 1952
11 西鶴一代女 溝口健二 1952
13 真空地帯 山本薩夫 1952
13 切腹 小林正樹 1962
13 太陽を盗んだ男 長谷川和彦 1979
13 となりのトトロ 宮崎駿 1988
13 泥の河 小栗康平 1981
18 人情紙風船 山中貞雄 1937
18 無法松の一生 稲垣浩 1943
18 用心棒 黒澤明 1961

印は前回のベストテン58本に入っていない作品
印は前回のベストテン1959年以降に公開された作品


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