イサーンの大地走行2000キロプラス ひとりごと

72、「令和4年度かながわの遺跡展 縄文人の環境適応」
を見学しました
2023.02.09


30ページの図録は無料だった



「縄文人の環境適応」を見学しました

相模原市立博物館で、令和5年2月7日(火)から3月5日(日)まで、「令和4年度かながわの遺跡展 縄文人の環境適応」を開催しているとの情報を得、早速見学に行ってきました。

展示内容は「縄文時代中期~晩期にかけての環境適応」で、特別展示室で開催されていました。ちなみに入場料は無料の上、30ページの図録(上記写真)も無料で頂けました。

縄文時代の中期(約5,500年前~約4,500年前)から、後期(約4,500年前~約3,300年前)にかけて、気候の寒冷化があったと推測されており、縄文人はこの環境の変化に対応しようと暮らしを変化させたことが、様々な遺構や遺物から判明しているとの事。

今回の展示は、神奈川県内の発掘調査によって出土した資料を中心に、テーマに沿った縄文人の環境適応の資料を約600点も展示していました。

その一部を紹介しよう。



今回の目玉で図録の表紙を飾る大型中空土偶。「ふうみん」は、こんな表情の土偶は初めて見た。何でも、愛称が「縄文のエンジェル」というらしい。2016年に高速道路の建設に伴う発掘調査で出土したという。

高さ25センチ、幅12センチの大型中空土偶 縄文後期( 秦野市菩提横手遺跡)

大型中空土を横から眺める。穴がいくつも空いている。

今回が初展示の顔面把手で、両面に顔面があるものは初めて見た。昨年10月7日に座間市の緑ケ丘3丁目の蟹ヶ澤遺跡の東側で、水道管布設替え工事の掘削中に出土した。顔面把手部分の外側 縄文中期(座間市蟹ヶ澤遺跡)

土器片は高さ約13センチ、幅約15センチ、厚さ約3センチ。顔の部分は、半球状で両面に異なる表情が施されており、両面に顔のある形状は全国的に珍しいという。

顔面把手部分の内側

顔面把手部分を横から眺める。左が外側、右が内側。

足は複製で高さ約40センチの大型中空土偶 縄文後期(平塚市王子ノ台遺跡)

顔が無いのが残念な中空土偶 縄文後期(綾瀬市上土棚南遺跡)

筒形土偶 縄文後期前葉(鎌倉市東正院遺跡)

色が残っている耳飾り表現のある土偶 縄文晩期(秦野市太岳院遺跡)

土器にもいいものがあります。 浅鉢 縄文後期前葉(藤沢市遠藤広谷遺跡)

感動モノの土器。 鉢(漆塗土器) 縄文中期後葉(伊勢原市西富岡向畑遺跡)

左、鉢  右、香炉形土器  縄文晩期(川崎市下原遺跡)



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