イサーンの大地走行2000キロプラス ひとりごと
67、松岡美術館のクメール像 2019.08.05

白金台にある「松岡美術館」


松岡美術館のクメール像


東京にクメールの石像を展示した美術館があり、しかも写真撮影がOKだという情報を得た。その美術館は「松岡美術館」という。

松岡美術館は、東京都港区白金台に所在し、1975年11月開設の私立の美術館で、サイトを見ると「カメラによる撮影、デッサンをご自由にしていただけます。ただし、あくまでも他の方のご迷惑にならないよう、三脚を使用しての撮影、フラッシュ撮影およびデジカメであれば操作音は厳禁です」と記されてある。

早速2017年の秋、家人の「yayo」を伴って、カメラを片手に見学に伺った。クメールの石像は4点と寂しいが、インドの石像が数十点あり、なかなか見ごたえがあった。その他に古代オリエントから現代美術まで、広範囲の展示がなされている好感の持てる美術館だった。

クメールとインド、ガンダーラの展示品を、ここに一部紹介したい。



★クメールの石像

男性像 砂岩 クメール 9~10世紀

シヴァ神妃ウマー 砂岩 クメール 12世紀

ヴィシュヌ 砂岩 クメール 12~13世紀

菩薩頭部 砂岩 クメール 12~13世紀


★インドの石像

サラスヴァティ 玄武岩 東インド 11~12世紀

ヴィシュヌ 砂岩 中インド 12世紀

ヴィシュヌ 花崗岩 南インド 12~13世紀

ヨーギニー 玄武岩 東インド 11~12世紀

展示物の中で一番面白かったのが、この「ヨーギニー像」だ。この像のヨーギニーは、「ふうみん」としてはシヴァの妻の破壊神ドゥルガー女神の頭髪から出現した7人の女神の一人「チャームンダー」と考える。その理由は、乗り物がフクロウで持ち物が剣と盾であるからだ。ただし、チャームンダーとしては少し迫力不足だが・・・

「ふうみん」は、おどろおどろしいヒンドゥー教の石像が大好きで、インドのラックンディ(Lakkundi)のヘリテージセンターで見たチャームンダー像には痺れましたね。



★ガンダーラ

花綱と童子の浮彫 灰色片岩 ガンダーラ 2~3世紀 

ガンダーラ(現在のアフガニスタン東部からパキスタン北西部にかけて存在した古代王国)の花綱のレリーフを見ると、西からインド経由で東南アジアへと伝播して行った事が分かるとても興味あるレリーフだ。こんな事を見つけるのがクメール遺跡好きにとってはすごく面白い。

インド カジュラホ カンダーリヤマハーデーヴァ寺院 1002年
前室上部の彫刻は、マカラから花綱が伸び、そこに人物像が置かれている

インド エローラ第15窟(サアヴァターラ窟) 7世紀~8世紀
舞楽殿の窓の上の彫刻は、クメール遺跡のサンボールプレイクック様式と同じモチーフだ

カンボジア ロリュオス遺跡群 プリアコー 879年
まぐさ石の彫刻は、花綱と人物がガンダーラの図柄を踏襲している




「ふうみん」のおススメ美術館です。入場料も800円(サイト上に割引券もありますヨ!)とお手頃です。



松岡美術館のURLです。
http://www.matsuoka-museum.jp/



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