イサーンの大地走行2000キロプラス ひとりごと
25、蕎麦と温泉 2006.7.25
7月の下旬。あまりの蒸し暑さに寝不足で「夏バテ」気味になり、山中湖にでも避暑に行こうと思い、家人の「yayo」に行くか?と聞いたら、その返事は、どうせ行くのだったら、ついでに「美味しい蕎麦」を食べて、「いい温泉」に入りたいとの虫のいい注文だ。

「美味い蕎麦」と「源泉かけ流しの温泉」は東北や信州に行けばいくらでもあるが、こと山中湖周辺となるとチト難しい。特に温泉は“富士の見える所に湯は湧かぬ”という格言のあるとおり、「ふうみん」の知るかぎり源泉掛け流しの温泉は無い。そこで、ネットで探して行って来た蕎麦と温泉について述べたい。


まず、蕎麦は御殿場にある「艸季庵(そうきあん)」に行った。国道246号線から100メートル位入った所にある、少し古い民家を改造した静かな店舗だ。中に入るとJAZZが流れており、座敷に座ると古民家の木格子のガラス越しに見える景色が中々に風情がある。

まず、恵比寿ビールと肴に出し巻き卵を注文。出て来た出し巻き卵の大きさにビックリ!大きい。蕎麦屋独得の味付けの甘みがあり、外はふっくらで中はまだ温かくジューシーだ。それから、せいろの大盛と、天麩羅の盛り合わせを注文。ソバは手打ちの細切りで、かすかな香りとコシがありノド越しもいい。ツユもしっかりとダシと返しが利いて中々だ。

それと量が多いのがいい。「ふうみん」は、蕎麦は江戸時代のファーストフードだと思っているのでお高い店は嫌いだ。天麩羅の盛り合わせの大を頼んだら、店の人が「量が多いので普通でいいのでは?」そばがきを頼んだら、「食べられないのでは?」と良心的だ。

帰りに、勘定を終え店の人に「ご馳走様。美味しかったヨ!」と言って店の外に出て写真を撮っていたら、ご主人が挨拶に出て来た。近くの木を指差して「こんな所にソバの花が咲いています。」と言った。指の先を見ると、白い可憐なソバの花が木の又に咲いていた。何か得をしたうれしい気分になって店を後にした。





山中湖で泊まった翌日、隣の河口湖にある「麗峰の湯」に行った。河口湖の湖畔沿いの道から数百メートル入ったところにある。河口湖には四つの源泉があり、一番新しい源泉として各旅館などにも配湯している湯元だ。

朝10時から営業というので、10分前に行ったらもう開いていた。受付に人は居らず、入湯料500円と書いた箱が置いてあった。早速、中に入ると男湯には先客がひとりいた。女湯は居らず「yayo」の貸切だ。

先客は地元の人で、つい先程まで掃除を終え入浴していた、ここの温泉の社長と同級生だという。とても話し好きだ。この温泉のことも「社長曰くこの温泉はボランテアだ」と言い、色々と世話を焼いてくれる。これもまたいい。温泉のハダカ同士の付き合いだ。

内風呂の低温の浴槽には源泉を加水せず、まさに源泉のかけ流しだ。源泉は無色透明ですべすべしおり、ぬるいが体が温まる。そして飲泉できる。寒くなったら隣の加熱浴槽に入ればいい。泉質はカルシュウム・ナトリウム・硫酸塩温泉で、神経痛・筋肉痛・五十肩等に効く。小さな温泉だが、新しくて清潔だ。そして、河口湖というロケーションでは穴場の温泉と言える。

蕎麦と温泉に満足して家路についた。小さな旅だった。



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