第22部 南インド、レンタカー旅行
◆行程5日目 ハンピから遺跡見学してバーダーミへ
       イッタギ、ラックンディの2つの遺跡を見学しバーダーミへ    2016/12/10(土) Google map 
マリヤバンタラグナータ寺院(Malyavanta Raghuatha Temple)


■6:02

サンライズポイントのマリヤバンタラグナータ寺院(Malyavanta Raghuatha Temple)の駐車場は一杯だった。

Uターンして、昨日と同じ坂の途中に停める。



■6:17 昨日も行ったシヴァ祠堂のある丘に行くと、欧米人観光客がたくさんいた。南側を眺めると街の明かりが何か所に見えた。夜明け前のこの青空になる、一瞬のマジックタイムが好きだ。


■6:23

今日は、崖の上にある Veer Anjaneya Temple から、サンライズを見よう。


■6:27

崖に沿った急な階段を登っていくと、欧米人観光客が大勢いた。


■6:28

その観光客目当てに、猿がエサをねだる。

等間隔に並んでいるのが面白い。


■6:31

ハヌマーンの恰好をした男が突然現れた。


■6:31

「yoyo」と猿男の記念写真。

その後、猿男がチップをねだる。

吹っかけて、2,000ルピーだという。

とんでもない、50ルピーを払ったが不満そうだった。



■6:44 Veer Anjaneya Temple の屋根の上に登る。観光客でここもいっぱいだ。昨日もそうだったが、この場所は欧米人たちには有名なツアーなのだろう。2日間通ったが、欧米人以外は「ふうみん」たちだけだった。



■7:05 朝日が昇るが、残念な事に雲が遮っている。



■7:06 眼下には、マリヤバンタラグナータ寺院と白いシヴァ祠堂が見える。この雰囲気のあるマリヤバンタラグナータ寺院は、ラーマ(ヴィシュヌの化身)を祀ってある。

伝説によると、この場所でラーマと兄弟のラクシュマナがモンスーンの季節が終わるまで待機していた。 その後、ハヌマーンの猿軍隊と一緒にランカー島に向かって進軍し、ラーヴァナを倒しシーター姫を救出したという。


ハンピを出発し、イッタギ遺跡に向かう


■7:43

クラークスインのレストランは団体客で混雑していた。


■8:17

今日は。ハンピのクラークスインをチェックアウトして、バーダーミのクラークスインにチェックインする。

行程は200キロ弱で、途中2か所の遺跡を見学する予定だ。



■8:38 いかにも、古都の旧街道といった風情の道を走る。



■8:47 国道50号線から、国道67号線の高速道路を走る。


■8:50

高速代、35ルピー。

料金所には、デビットカードとクレジットカードの使用が出来るとの紙が貼ってあった。

高額紙幣廃止に伴う、緊急措置だろう。


■9:06

コパーラ(Koppala)の歓迎ゲートをくぐる。


■9:15

コパーラの街を抜けると、道が悪くなる。


■9:29

バナプールの道路標識。

ハンピから、56キロ地点。

イッタギ遺跡まで、13キロ。

バーダーミまで、93キロ。


■9:34

道幅は1車線。対向車が来たら、路肩に避けるしかない。

しかし現在、道路の工事中だ。完成の折は快適な道路になるだろう。


イッタギ(Ittagi、Itagi)




■9:53

イッタギ(Ittagi、Itagi)遺跡の駐車場に車を停める。

誰もいず、入場料も無料だ。

このイッタギ遺跡の日本語のサイト情報は全くなく、「インド建築案内」の神谷武夫氏の情報のみだ。

インド建築案内
著者:神谷武夫

この本は、インド遺跡巡りのバイブルだ。


■9:53

このイッタギ遺跡は、マハーデーヴァ寺院を中心とした、階段池や小祠堂を従えた遺跡。

遺跡の前には広大なタンクがあり、周辺には静かな村がある。



■9:54 マハーデーヴァ寺院(Mahadeva Tample)は、後期チャールキヤ朝の典型的建築で1112年に建造されたシヴァ神を祀る寺院。



■9:54 オープンマンダバには、26本のろくろで成形された円柱に、見事な彫刻がなされている。石材は緑色の結晶片岩で、きめの細かさやエッジの正確さが好まれた。


■9:56

本堂内部にはシヴァリンガが安置されている。

本堂周りの彫刻は繊細で素晴らしい。

入口上部の装飾まぐさ石は、昨日までのハンピの寺院と同じだ。

ということは、「ガジャラクシュミー」の図案は、ビジャヤナガル朝の特徴ではなく、この地域的なものなのか?


■9:57

繊細な彫刻の本殿。

上部の白い所は、後世の補修である。


■9:59

階段池(Stepped Tank)。

後期チャールキヤ朝では、しばし階段池を造った。

特徴として、正面にのみ階段を設け、後の3面を斜壁している。


■10:03

階段池を見学し、戻ってくると警備員がガイドを買って出た。

説明を受ける「ふうみん」。


■10:04

マンダバの天井の中心には、「踊るシヴァ神」のレリーフが施され、周りをぎっちりと神像彫刻が埋めている。

「踊るシヴァ神」の天井彫刻などは、初めて見た。



■10:06 マンダバのリンテルは、素晴らしい出来だ。「まぐさ石」マニアの「ふうみん」としては見逃せないものだ。

まぐさ石の中心に神像(シヴァ?)を置き、上部の鬼面カーラ(キールティムカ)の口からは装飾的なアラベスクの葉が吐き出され、両端のマカラからは花綱が吐き出されている。クメール遺跡の「サンボールプレイクック様式」に似ているね。


ラックンディ(Lakkundi)



■10:18 イッタギ遺跡を後にして、ラックンディ遺跡に向かう。田舎道沿いの畑には、ヒマワリの花が咲いていた。



■10:38 国道67号線に入り、舗装されたばかりの道を快調に走る。




■11:04

ラックンディ(Lakkundi)のヘリテージセンターの前の道路に車を停める。

博物館で入場料、200ルピーを払う。

博物館内は撮影禁止。


ブラフマージナーラヤ寺院(Brahma-Jinalaya Basti)



■11:05 博物館の裏にラックンディで最も古く、最も美しいジャイナ教寺院といわれているブラフマージナーラヤ寺院(Brahma-Jinalaya Basti)がある。11世紀に建造された寺院のシカラは、南方型と北方型の中間型である。


■11:06

本堂内には、裸形の祖師であるティールタンカラ像が祀られている。


■11:06

この彫刻は、ブラフマー像だ。

この寺院の名前に、ブラフマーの名前が付けられている。

ジャイナ教と、ヒンドゥー教の神との関連はどうなっているのかな?と思った。


■11:09

ヒンドゥー教のシヴァ神殿にある、マカラのソーマスートラ(Somasutra)があった。


カーシーヴィシュワナータ寺院(Kashivishwanatha Temple)


■11:15

博物館の前の道を、カーシーヴィシュワナータ寺院に向かって歩く。

村の女性たちが水汲みをしていた。

このラックンディの村は、インドの一寒村にすぎないが千年前には、大きな宗教都市だった所だ。

9~12世紀頃には、100近い寺院と沐浴場があったというが、現在は15ケ所ほど残すのみ。


■11:15

そばの水路では、洗濯をしている。


■11:16

村人に道を尋ねると、指をさして教えてくれた。


■11:20

カーシーヴィシュワナータ寺院が見えて来た。

道沿いには、汚水とゴミで悪臭が漂っている。



■11:22 カーシーヴィシュワナータ寺院(Kashivishwanatha Temple)に入るのには、先ほどの入場券が必要だ。係員が扉を開けてくれる。


■11:24

カーシーヴィシュワナータ寺院の精緻な彫刻。

先ほどのイッタギで素晴らしい彫刻を見ていたから驚かないが、素晴らしいものだ。

リンテルは、例の「ガジャラクシュミー」の図柄だ。


■11:25

本堂内にはシヴァリンガが、安置されている。


■11:25

マンダバ内部には、精緻な彫刻がなされたろくろ成形の4本の円柱が建っている。



■11:30 後期チャールキヤ朝からは、壁面彫刻にキールティムカ(鬼面)が多用される。



■11:30 カーシーヴィシュワナータ寺院の斜め前には、太陽神スーリアを祀る祠堂(Nanneshwara Temple)があった。


■11:31

先ほどのジャイナ教寺院と同じ、マカラのソーマスートラがあった。



■11:32 オープンマンダバの円柱と本堂のシヴァリンガ。



■11:39 村の広場では、女性たちが農作業にいそしんでいた。


■11:43

濃い顔の子供たち。

ペン!ペン!とボールペンをねだった。


■11:46

車の置いてある博物館に戻る。

そして、この像を撮りたかった。

博物館内は撮影禁止だが、このチャームンダー像がどうしても撮りたかった。

すごい迫力だと思いませんか?


マニケーシュワラ寺院(Manikeshvara Temple)



■11:57 博物館前から車に乗り、マニケーシュワラ寺院(Manikeshvara Temple)に行く。ここには、小さな寺院と素晴らしい階段池がある。


■11:58

マニケーシュワラ寺院の本堂前のナンディとシヴァリンガ。



■12:00 正面には、階段池を跨ぐ石組みで造られた橋があり、マンダバの正面につながっている。階段池には、橋の奥の階段と他に左右の二面の階段があり、所々に小さな祠堂が設けられている。



■12:01 階段池は、水が枯れて底の岩盤が露出していた。素晴らしい迫力の池にしばし見とれる。

この寺院への道は狭く、「ふうみん」たちの車の他にもう一台いた。「yayo」がバックして車を入れ替える時、もう一台に乗ってきた紳士然としたインド人の見学者が話しかけてきた。「日本人か?」と尋ねて来、「そうだ」と答えると、「日本人はナイスだ。この寺院の階段池は、カルナータカ州で一番素晴らしい階段池だよ」と述べた。

「ふうみん」は、こんなインドの片田舎にまで、自ら車を運転して来た東洋人が「日本人」だと認識された事が、何かとてもうれしかった。今、シェムリアップに行くと中国人と韓国人の天下だからね。


バーダーミのクラークスインに向かう


■12:10

ドライバーを「yayo」に替わり、バーダーミのホテル「クラークスイン」を目指す。

グーグル先生をセットしたら、マニケーシュワラ寺院の入り口近くのダート道を誘導する。

「yayo」が、何でこんな道を走るの!と不満顔。


■12:36

やっと、ダート道が終わり舗装道路になる。

結婚式の飾り付けだろうか、トラクターとすれ違う。


■12:51

バーダーミまで、44キロ地点。



■13:26 村の繁華街を走る。


■13:37

警官が無免許運転の取り締まりをしていた。

「ふうみん」たちにも止まれという。

日本のパスポートを出したら、びっくりした顔をして、中を見ずに行っていいと言う。


■14:00

バーダーミのホテル、クラークスインの玄関脇に車を停める。



■14:11 部屋から眺めたバーダーミの街の光景。残念ながら、遺跡の見える崖側ではない。しかし、道路に面していないので静かだ。


■14:52

レストランに行って、ガッカリした。

ベジレストランでビールは無いので、ラッシーでも飲もう。

カレーを2種類(エッグとチキン)とナンの昼食。

昼食代、税込721ルピー。

このクラークスインのホテルグループは、ベジレストランしかないのかな?


石窟寺院群(Cave Templs)見学


■バーダーミの遺跡地図

まずは、石窟寺院(Cave Templs)から見学しよう。


■15:41

ホテルを出て、バーダーミの街中を歩く。

豚が、犬や猫のように道端にいる。

最初は物珍しさに、写真を撮りまくったが、その内に日常の風景となった。

豚も馴れると、可愛いものだ。



■15:57 石窟寺院群(Cave Templs)の駐車場は、土曜日とあって車と観光客で混雑していた。 これらの石窟群は、南インドで最古のものだ。第1窟~3窟がヒンドゥー教窟で6世紀後半に、第4窟がジャイナ教窟で7~8世紀に造られた。入場料、200ルピー。


■16:03

第1窟は、4っの石窟の中で一番古く、シヴァ神を祀った寺院。

18本の腕を持つ「踊るシヴァ神」が彫られている。


■16:04

この画面は、「両性具有のシヴァ(アルダナーリーシュバラ)」で、両脇に妻のパールヴァアティーとナンディがいる。

「ふうみん」が、気になったのは左奥にチャームンダーが彫られているからだ。


■16:04

この場違いな感じの醜悪な姿をしたチャームンダーが、わざわざここに彫られているのは、何故なのだろう?


■16:07

天井に彫られた、迫力のあるとぐろを巻いたナーガ。


■16:10

第2窟は、ヴィシュヌ神が祀られていて簡素な造りだ。


■16:12

「三歩で世界を跨ぐヴィシュヌ神」。

ヴィシュヌは、ヴァーマナ(小人)に姿を変えて魔王バリの都に行くと、バリは「望みの物をやろう」といった。

ヴァーマナは、「三歩で歩ける土地」を要求した。

バリがうなずくと、ヴィシュヌは巨人に変身し2歩で全世界を歩んでしまった。

バリは反省したので、殺さずに地底に追放したという。


■16:12

「ヴィシュヌ神の野猪(ヴァラーハ)の化身」が彫られている。

とぐろを巻き、龍蓋をつけたシェーシャ龍の上に、猪頭のヴィシュヌ神は牙で大地の女神ブーミを引き上げる。



■16:17 第2窟から対面の岩山を眺める。右側に見える1キロ四方のアガスティアティルタ池は、5世紀に造られた人工池だ。


■16:19

第3窟は、6本の列柱が入口の天井を支える最大の石窟で、間口は21メートルもある。

この第3窟は、578年にチャールキア王朝のキルティバルマ王の弟であるマンガレーシヤが建立した寺院。


■16:21

「ヴィシュヌの第4の化身、人獅子(ヌリシンハ)像」。

この人獅子は、肩肘をついている。

この格好が、当時の王の立居振舞いだったという。


■16:23

第4窟はジャイナ教を祀ってある。


■16:26

「ジャイナ教の第7代宗祖(スパールシュヴァナータ)」の全裸像の前で、はにかむ少年たち。

男性器が撫でられて、黒光りしている。


■16:27

ジャイナ教の列柱には、詳細な彫刻が施されている。



■16:28 ジャイナ教の石窟から眺めた、対面の光景。北側の岩山の上にはシヴァラヤ寺院(上・下)が見える。



■16:28 ジャイナ教の石窟から眺めた、右奥の光景。プータナータ寺院(北、東)が見える。


■16:31

石窟寺院の岩山の上は、後世に造られたフォート(城塞)になっている。

そのフォートに続く階段の扉は、残念ながら閉められていた。


■16:33

今日は土曜日とあって、見学客が後を絶たない。

階段を降りるのも、一苦労だ。


アガスティアティルタ池沿いを歩く


■16:37

アガスティアティルタ池に沿った道を歩く。

ヤッランマ寺院(Yallamma Temple)は、アガスティアティルタ池の西側に位置する寺院で、11世紀頃の建立。


■16:41

石窟寺院群を振り返ると、崖の上がフォート(城塞)になっているのが分かる。

バーダーミは、崖全体が城塞になっている。

チャールキヤ朝の後の王朝も、城塞に手を加えて、重要な防御拠点とした。



■16:50 ブータナータ寺院(北)(Buthanatha temple)。ブータナータというのは、シヴァ神に仕える召使という意味。アガスティアティルタ池に沿って2つの寺院があり、ブータナータ寺院群と呼ばれるが建立時期は異なる。この北寺院は11世紀の建立。



■16:51 ブータナータ寺院(東)は、素晴らしいロケーションに建つ寺院だ。チャールキヤ朝時代の7~8世紀の建立で、後のヴィジャヤナガル朝時代に拡張されたという。



■16:53 横から眺めたブータナータ寺院(東)は美しいシルエットだ。


■16:57

池に面したオープンマンダバ内に、ナンディが鎮座していた。



■16:58 ブータナータ寺院(東)のオープンマンダバから、夕陽を眺める。石窟寺院群の崖とアガスティアティルタ池に映り込む夕日が神秘的だ。


シヴァラヤ寺院(下)(Lower Svhivalaya Temple)


■17:10

考古学博物館に行くと、閉館していた。

開館時間は、9時~5時。

明日、行って見よう。


■17:11

考古学博物館の横から、北側の崖への階段が設けられている。


■17:13

まるで、冒険活劇映画の舞台のような景色の中を歩く。


■17:15

シヴァラヤ寺院(下)(Lower Shivalaya Temple)。

下のシヴァラヤ寺院は、塔が崖の先端に佇んでいる。

元はシヴァを祀っていたが、途中からガネーシャを祀るようになったという。


■17:16

シヴァラヤ寺院(下)は、7世紀の建立で、石窟寺院から石積みの寺院に移行した初期のもの。



■17:17 シヴァラヤ寺院(下)は、後に城砦化され大砲が設置された。猿が愛嬌を振りまく。


■17:17

後ろを振り向くと、シヴァラヤ寺院(上)見えた。

あすこまで行って見よう。



■17:23 しかし、途中で断念する。連日、2万歩以上の歩きは団塊世代にはキツイ。途中の城塞跡から、夕陽に映えるバーダーミの街を望む。


クラークスインへ戻る


■17:44

北側の崖から降りて、夕暮れのバーダーミの街中をホテルに向かって歩く。



■17:53 メインストリートを歩きながら、バンと冷えたビールを調達する。



■18:10 部屋の窓から、素晴らしい夕焼けを見た。大気中の埃りが多いので、この様な色彩になるのだろう。


■18:25

昼飯を食べたのが3時過ぎだった。

夕食時間なのに、お腹は少しも減っていないし、レストランはノンアルコールだ。

部屋で、日本から持参のおつまみを出し、冷えたビールと泡盛で晩酌を楽しむ。


レンタカーの走行距離
本日の走行距離 184キロ
累計の走行距離 578キロ
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イサーンの大地走行2000キロプラス 南インド、レンタカー旅行。