行程4日目(通算41日目)

プノンボック、チャウスレイヴィボール、西大門、西バライ、アクヨムへ




7:40

GHで朝食を摂る。今日の予定については、まず上の写真(Google Map)を見てもらいたい。

以前Google Earthでアンコール地方を見ていた時、ある大きな遺跡が目に留まった。

それは、写真の一番右端にあるチャスレイヴィボール(Chau Srei Vibol)だ。写真中央のアンコールワットと比べてもらいたい。ほぼ同規模の遺跡だ。

それなのに、この遺跡についてほとんど情報が無い。果たしてどんな遺跡なのだろう?ここには是非とも行って見たい。


9:23

GHを出たHONDAのCRVは、GHのマネージャー「key」の運転で従業員の「Ko」も同乗し、まずは新しく出来たバイパスをプノンボックに向う。

今日のツアー代金は80ドル。


Phnom Bok 年代:  9世紀後半
創建者: ヤショーヴァルマン1世
宗教:  ヒンドゥー教

9:45

プノンボックはプノンバケン、プノンクロムと共にアンコール三聖山の一つだ。

頂上の寺院は破壊された状態で、建物の残骸とレリーフ。そして破壊されたリンガの基壇とバライが残っていると言う。

この、プノンボックを登る事により三聖山を制覇した事になる。


9:49

正面から入り、右側に道が続く。

その道を走って行くと段々と狭くなり、車での通行は不可能となる。

仕方が無い、Uターンして正面に戻ろう。


9:58

正面の道を進むと、大きな溝が掘られその先は車での通行不可能だ。

プノンボックは高さ212メートル。4ヶ月前に登ったプノンクロムは140メートル。昨日登ったプノンバケンは60メートル。

このプノンボックは、高さ212メートルと三山の中では一番高い。


9:58

高さ212メートルを登るのは、カンボジアの雨季の湿気と灼熱の太陽を考えると残念ながら自信が無い。

麓から歩いての登頂は断念する。

プノンボック正面参道脇には新しいヴィシュヌ神の石像が建てられ、女の子が無邪気に遊んでいた。


10:27

チャウスレイヴィボール(Chau Srei Vivol)に向う。

環濠を持ったアンコールワットと同じ規模の遺跡だ。それなのにガイドブックや遺跡の紹介の本にほとんど載っていない謎の遺跡だ。

何なのだろう?行って確かめなくては!

ドラーバーの「key」は行ったことが無いと言う。仕方が無い、アンコールワット方面に一度戻り、昔の「王道」を東に向って走る。「王道」は上記写真(Google Map)の黄色線の道だ。


Bat Chum 年代:  953年
創建者: ヴィーンドラーリマタナ
宗教:  ヒンドゥー教

10:29

途中、プラサートバッチュムへ寄る。

東メボンの建設を指揮した高官のカヴィーンドラーリマタナが953年に建設した寺院で、3基のレンガの祠堂が経っている小さな遺跡だ。


10:42

プラサートバッチュムまでの「王道」はダートで狭いが、まだ道路状態がいい。

その先の雨季の「王道」は、信じられないくらい悪路だった。

かって、この「王道」はベンメリアやサンボールプレイクックまで続いていた。


10:54

上記写真(Google Map)の黄色線部分を走り切り、地元の人に聞くと、この先の川に橋は無く通行不可能と言う。

一旦北上してプノンボックに出て、東に行く道でチャウスレイヴィボールに行けると言う。


11:01

北上すると目の前に先程行ったプノンボックが見えて来た。

あ〜あ!1時間以上も遠回りし、車は泥だらけだ。

しかし、生涯で一番の悪路を走ったいい思い出だと思えば、またこれも楽し。


Chau Srei Vibol 年代:  11世紀
創建者: ?
宗教:  ヒンドゥー教

11:20

チャウスレイヴィボールにやっと着いた。

ラテレライトの低い塀越しに坂道を登ると、祠堂に向う途中に新しい仏教寺院が建てられていた。


11:20

チャウスレイヴィボールは自然の丘をラテライトの壁で囲み、その外側を環濠で囲んでいる巨大な遺跡だ。

丘の頂上の祠堂は崩壊が激しく、石材が散乱している。



11:22  崩落した左側の経蔵?にかろうじて残っていたまぐさ石。カーラの上に乗る神像が描かれている。多分11世紀頃のパブーオン様式と思われる。


11:23

東側の楼門に残っていた、まぐさ石と破風のレリーフ。

この先の東側の斜面に参道が続き、その下にはラテライトの階段がある。


11:26

斜面の参道には、首の無い獅子像が佇んでいた。


11:33

丘の南側には木の階段(腐っていて危険)があり、その下には回廊風の砂岩で出来た長方形の建物がある。

この細長い建物は3棟並んでいる。


11:38

回廊風の建物の端には似扉がある。

この建物は何なのだろう?調べるとポルポト時代に捕虜の収容所として使用されたと言う。

と言うことは、11世紀の建造時僧侶(神官)の宿泊設備(僧坊)かと思ったが、アンコール遺跡では、石=神の住む場所であり、人は王であれ木造に住んだと言う、そういう事から考えるとありえない。

そうすると何なのだろう?


11:42

丘の上に戻ると三角形の見た事も無い建物があった。

これは勝手な想像だが、石の積み方が雑なので、ポストアンコール時代に崩れた石材を使用して造られた物ではないかと思う。


12:00

西門の破風には、横たわるヴィシュヌ神?のレリーフ。


12:02

丘の麓にはラテライトで造られた立派な壁が続いている。


12:06

遺跡の丘の隣には仏教寺院があり、駐車場になっている。


West Gate 年代:  12世紀後半
創建者: ジャヤヴァルマン7世
宗教:  仏教

12:49

西バライに行くために最短の道を走る。

アンコールトムの中を勝利の門から入り、横断して西大門に初めて来た。

この辺りまで来ると観光客の姿は見えない。静寂だ。

また、この西大門には乳海攪拌の阿修羅と善神の像は無い。


12:51

西大門をHONDAーCRVは、門の下の凸凹の道を苦労して潜り抜けた。



12:53

西大門から西バライに行く道は、車が辛うじて通れる狭い道だ。

「こんな道を通って大丈夫なのか?」と思わず聞く。

従業員の「ko」が西バライまでの道を知っているから大丈夫との返事。


West Baray 年代:  11世紀中頃
創建者: スールヤヴァルマン1世
宗教:  ヒンドゥー教

13:05

写真ではよく分らないが、西バライに登る狭く、急なダート道。


13:16

西バライの堤防上の道は思っていたより状態の悪いダート道だった。

この西バライは、スールヤヴァルマン1世が造ったといわれる東西8キロ、南北2キロの大貯水池。

アンコール地域で最大のバライであるとともに、現在でも使用されている唯一のバライだ。



13:17  西バライの西端から東を望むと、聖山のプノンバケンが見える。その右側にアンコールワットも見えると言う。


13:17

デジカメをズームアップすると、アンコールワットの5つの祠堂が木々の間から見えた。

とても、感動的な歴史景観だ。


Ak Yum 年代:  7世紀初頭
創建者:
宗教:  ヒンドゥー教

13:26

アクヨムはアンコール地域で一番古いクメール遺跡だ。

西バライの南側の堤防沿いにあり、バライの建設時に半分以上埋められてしまった。


13:27

このアクヨム遺跡は、現在確認されているピラミッド型寺院の中で最も古いものだ。

ここからは7世紀頃の碑文が見つかっており、アクヨムが以前は祠堂を5つ持った大きな寺院だったと言う。


13:28

基壇を残して崩壊した中央祠堂には、盗掘時の空洞が露出している。





13:42

昼食にGHマネージャー「key」の知っている旨い焼き鳥の店に向う。

西バライから6号線に向けてのダート道を走る。


13:48

一旦6号線を走り、シェムリアップ空港へ向けて6号線を左折する。

シェムリアップ空港の前を通り過ぎる。


14:02

シェムリアップ空港を過ぎてしばらく行くと左側にレストランが在る。

中に入ると東屋風の小屋が沢山あり、四方にハンモックが吊るされている。

まずはハンモックに横たわり、一休みする。


14:09

料理の注文は「key」に一任。

しばらくすると女の子が料理を運んで来た。


14:09

そして、冷えたビールとジュース類。

「こんなに飲めないよ!」と言うと、「key」は「大丈夫ですよ。飲んだ分だけ勘定します。」との返事。


14:10

焼き鳥、付け合せの野菜、炒め物を食べる。

ビールがノドにしみ、焼き鳥が旨い。


14:27

隣の部屋のカンボジア人は食後、ハンモックに横たわり仲間とおしゃべりに興じている。

カンボジア人の優雅な昼食スタイルだ。

店の名前はPRASAT NEANG POV Restaurantといい、昼食代は51500リエル。

1ドル4000リエルだから、13ドル弱とリーズナブルな値段だ。

やはり、地元民相手と観光客相手の店では値段が違うと痛感した。


14:47

食後外に出ると、きれいな花と青い空に満腹感と心地よいビールの酔い。

ああ、満足!満足!


18:54

夕食に今日大変世話になったマネージャーの「key」を誘い、韓国レストラン「高麗鄭家」に行く。

焼肉を注文。韓国料理の品数の多さに「key」はビックリ。

料金、31ドル。「key」に満足してもらい、「ふうみん」も満足。



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