10 小説「雪国」への旅 2013.01
川端康成の名作「雪国」は、昭和9年より昭和12年にかけて、新潟県湯沢町の高半旅館(現:雪国の宿 高半)に逗留し、執筆された。

「雪国」を執筆したという、高半旅館の「かすみの間」は現在も保存されているという。

それならば、雪の季節の1月に越後湯沢温泉にゆったりと浸かり、「雪国」を執筆した高半旅館に泊まって、一献傾けようと言うのが今回の旅の趣向。


12 東京駅から越後湯沢駅の間は、上越新幹線の「とき321号」のグリーン車を奢った。

「とき321号」は東京駅発12:22→越後湯沢着13:25と1時間強の旅になる。

グリーン車の2階席から景色を堪能しながら、先ずは「イッパイ」楽しもうと思う。

各自お好みの駅弁を選択し、ビールとワンカップを買い込む。


平成25年1月22日発の「ふうみん」の旅の友は、

右側は「秋ちゃん」…在職していた会社の友人で、現在はご隠居。趣味は競艇で、全国24箇所の場を全て制覇した猛者。

左側は「さっぽろさん」…同じく会社の友人で、「ふうみん」とはタイをはじめ日本全国を旅している。

こちらの専門は競馬。その関係で、年に数回ほど馬主席に招待されている。



関東平野は新潟に近づいても雪は思ったより少ない。ユッタリしたグリーン車の二階で「酒と会話」を楽しむ。



「国境の長いトンネルを抜けると雪国であった。夜の底が白くなった。信号所に汽車が止まった。」という、有名な「雪国」の冒頭の部分の余韻を楽しむ間もなく、新幹線は越後湯沢駅に到着。東京駅から1時間13分の短い旅だった。


先ずは、「ぽんしゅ館」に向かう。

越後湯沢駅の構内にある「ぽんしゅ館」は、新潟県内の全ての酒蔵の代表銘柄を利き酒できる「利き酒コーナー」がある。


受付カウンターで、500円で専用メダルを5枚購入。

5種類の越後の酒が味わえると言う訳だ。

まずは、好きな酒を注いで、三人揃って乾杯。


つまみの塩も90種類もあるのがうれしいネ。


さあ、次はどの酒を飲もうかな?

と、思案中の「さっぽろさん」。


「秋ちゃん」は、1本100円の冷やし胡瓜をつまみに、ご満悦。


まあ、飲みすぎて、この様な醜態を晒さないように、…お互い注意しましょう。


「高半旅館」の車の出迎え。

雪の残る駅前も、なかなかの風情だ。


雪の舞う「高半旅館」の玄関に到着。

三人揃っての記念撮影。



高半旅館の部屋から眺める、新幹線(東京方面)と温泉街のまちなみ。


先ずは何といっても「温泉」だ。

旅館の名前の主、高橋半六翁が約900年前に、偶然に発見した天然湧出の源泉を注いだ湯船。

泉質は単純硫黄温泉、アルカリP.H9.6。

別名「卵の湯」と呼ばれる。


川端康成の滞在した「かすみの間」が、当時のまま展示室の一角に移築してあった。

文豪になった気分の「秋ちゃん」。

…隣に「駒子」がいれば、言う事ありません。


駒子のモデルと言われる、芸者「松栄」の写真が飾られていた。


展示室には、当時の資料が色々と展示してあった。


夕食は越後の食材と日本酒を堪能。

「ふうみん」も一緒に飲むのに忙しく、料理等の写真はありません。

かなり、酔っ払いましたネ。


併設されたシアターで映画「雪国」豊田四郎監督の1957年作品を鑑賞。

岸恵子がとても綺麗だったし、八千草薫も若かった。

映画自体は小説と同じテンポも遅く退屈する場面も多かったが、今は失われたであろう雪国の風俗・習慣に興味を覚えた。

部屋に帰り、日本酒を空ける。

…そして、また温泉へ!
















早朝の高半旅館の部屋から眺める風景。…まさに「雪国」ですね。


高半旅館の前の道路は、温泉水を流して除雪されていた。


高半旅館全景。

旅館の車で越後湯沢駅へ。


おなじみになった「ぽんしゅ館」で、お土産を買う。


駅の反対側の「そば処中野屋」越後湯沢本店へ行く。

先ずは日本酒「鶴齢」の冷を飲む。芳醇辛口タイプの酒でなかなかいける。

鶴齢(かくれい)の名は「北越雪譜」の作者である鈴木牧之の命名で、鈴木牧之の次男は酒造もとの青木酒造の八代目だという。


「秋ちゃん」は「へぎそば」が初めてだという。

「旨い、旨い」と酒のつまみ?に食す。

「へぎそば」の「へぎ」とは、そばを盛る器の事、そばのつなぎに海藻の「布海苔(ふのり)」を使っている。

旨い酒と、そばに満足した3人は、新幹線の人となった。


越後湯沢駅の「ふうみん」。

上越新幹線の「とき322号」は越後湯沢駅発12:02→東京駅着13:20。

東京駅に着いた3人は、時間も早いので、改めてイッパイやろうか?との話になった。

しかし、明日もこのメンバーの他、3名を加えた飲み会が東京で5時からある。

そのため、今日は明日の体調も考えお開きにした。

今回の文豪と雪国と温泉の旅は、風情があり酒も旨く、満足・満足でした。
イサーンの大地走行2000キロプラス 小さな旅のアルバム
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