08 シルバーウィークの旅 2009.09
シルバーウィークの日曜日の早朝、中央高速の八王子I.Cから入り、伊那I.Cで降りて361号線の「権兵衛トンネル」を潜る。

今回の旅では、是非この「権兵衛トンネル」を走りたかった。以前、「権兵衛峠」の山越えの悪路を走破した経験があったから、なおさらだ。

「権兵衛トンネル」は、平成18年2月に伊那木曽連絡道路として開通した。これにより伊那と木曽が、難工事を経て完成した1本の道によって結ばれた。



開田高原を貫く、木曽街道(361号線)のビューポイントから御嶽山を眺望する。快晴の空のもとにそびえる御嶽山、感動する雄大な景色だ。御嶽山の裏側の6合目に湧く温泉の「濁河温泉」へ向う。


御嶽山の6合目、標高1800mの地に湧く温泉の「濁河温泉」は通年営業している温泉としては日本最高所にあるとのこと。

「ひゅって森の仲間」に入浴。ここは山好きの夫婦が切り盛りしているこじんまりとした宿。


お湯は源泉掛け流しので茶褐色に濁っている。泉質は含土芒硝類泉の気持ちのよいお湯だ。

■「ひゅって森の仲間」
・営業時間 8:00~20:00
・入浴料 500円


観光客で混んでいる「高山」はパスして、難所の360号線の天生(あもう)峠を抜けて見よう。


天生峠は岐阜県の河合村と白川村を結ぶ峠で、10年ほど前に抜けようとしたが通行止めで断念した思いがある。

連休のせいか他府県ナンバーの車とすれ違う。思ったより通行量が多い。

白山連峰を眺望する。野谷荘司(1797m)や四塚山(2519m)が見える。


岐阜県白川郷の合掌造り集落は、以前に見学したので、今回パスをして(パスをしなくても道路は大渋滞で行けず)、富山県五箇山の「菅沼合掌造り集落」に向う。

「菅沼合掌造り集落」は、1995年にユネスコの世界遺産の「文化遺産」に指定された。



ここは、戸数わずか8戸の小さな集落で切妻造りの茅葺き屋根の合掌造り家屋が庄川沿いの、のどかな田園の中にたたずんでいた。


「湯谷温泉」は庄川の小牧ダムのすぐ下にある秘湯の宿。

駐車場から長い坂道を下ると、正面に小牧ダムが見える。

急なカーブの道を曲がると重厚な建物の「湯谷温泉」の建物が現れる。

建物とロケーションから温泉への期待感が湧いて来る様だ。


湯治場の趣のある宿の時代を感じさせられる廊下を通り、川底のある浴室までの長い階段を降りる。

川に近い場所は、先日の台風で流され破損しており、その場所にビニールシートが覆われている。

そして、その先に脱衣場と浴室がある。


カーテンで区切られた脱衣場に入ると、上品な硫黄の匂いがし、源泉への期待感が溢れる。

期待通りのナトリウムーカルシウムー塩化物泉の源泉がドバドバと注がれ湯舟に溢れ、洗い場を通り過ぎて、何と階段までも覆っている。

湯温は39度の適温で長湯が出来、最高の気分だ。疑問として体を洗う時は何処で洗うのかな?

■「湯谷温泉」
・営業時間 9:00~16:00
・入浴料 500円


富山市に向かうため359号線を走る。

この道は富山平野の山側に沿って走っているので、富山の市街が遠望できる。

そこに日本海側に夕日が沈む。ロマンチックな情景を見ながら車を飛ばす。

車ならではの旅の醍醐味だ。


今夜の夕食はネットで検索した「酒処 金泉」へ行こう。

富山市桜木町のいかにも、あやしげな歓楽街や飲食店が並ぶ街を、お店がわからず探しながら、何とぐるりとはぼ一周してしまった。

飲食店の建物の谷間の奥に「酒処 金泉」をやっと発見。


路地の奥にポッンと提灯が燈り、遠くから我々を招いているようだ。


カウンター席の奥に座り、まずは恵比寿ビールを飲む。

そして、オススメの刺身の三点盛り。

富山の魚は旨いのは当たり前なので、この店では昆布〆等のひと手間掛けて出してくれる。


白エビも刺身ではなく、白エビコロッケとして出す。

白エビの味が濃縮されて美味い。


「yayo」は納豆の玉子焼きに感心!

自宅に帰ったら、挑戦して見るとのこと。















富山市内を早朝の散歩。

澄んだ青空のもと、人通りの無い駅前のビル街は、近代的な無気質な美しさがある。


神代(こうじろ)温泉に向う。

氷見の市街からビックリするような、狭いダートの峠道をひやひやしながら6キロほど走り、やっと到着した。

宿の女将によるとカーナビでは、その山道を案内するとの事で、帰りは普通の広い道があり、その道を通った。

…あの道は、いったい何だったのか?


山間の鄙びた温泉宿で、黄銅色の源泉はとても強い塩分と複雑な苦味を持つ泉質でとても気持ちが良い。


建物は昭和35年の創業当時のままで、「神代温泉」の帳場もそれなりの風情がある。

冷たいお茶のサービスがあり、そのお茶を飲みながら、気さくな女将と雑談する。

ネットで検索して、わざわざこんな遠くまで入浴しに来てくれるお客がいるので、出来る限り頑張りたいと話してくれた。

■「神代温泉」
・営業時間 8:00~20:00
・入浴料 500円



富山県高岡市北部の雨晴(あまはらし)海岸は、能登半島国定公園に含まれ、日本の渚百選に選ばれている。

晴れた日には富山湾の海の上に立山連峰の3000メートル級の山々を望むことが出来るが、冬でないと無理のようだ。


能登半島の富山湾沿いの160号線を走る。

天気もよく気持ちのよいドライブだ。

途中、「道の駅いおり」で休憩をとる。小さな道の駅で見るべきものは無い。


七尾にある「道の駅能登食祭市場」に寄り昼食を摂ろう。

グルメ館の中にある「フィッシュ&チップス」に入る。

この店は、能登の新鮮なシーフードをメインとした無国籍料理を味わえるレストラン。

オススメの海鮮丼を食べる。刺身は新鮮で美味しかったがご飯が不味かった。


入善町にある「地域交流ホームふれあい温泉」に行く。

老人ホーム「舟見寿楽苑」の付帯施設で、源泉は黒部明日温泉。

浴場は内湯のみだが、広々としており、お湯は半循環だが透明ですべすべし、源泉が飲める湯口がある。

炭酸水素塩・塩化物泉はよく暖まる。

■「地域交流ホームふれあい温泉」
・営業時間 9:50~21:00
・入浴料 450円


新潟に入り、8号線の親不知のビューポイントから、日本海に落ちゆく夕日を眺める。

旅情を誘う情景だ。


夕食は、糸魚川の地魚料理店「翠家かわせみ」に入る。

昨年、初めて来た時は5時半だと云うのに、店内はもう満席だった。

今回は勇んで5時前に入店したら、何と一番客だった。

「yayo」と居心地の良い大き目のカウンター席に座り、先ずは恵比寿ビールで乾杯。


今回はまずズワイガニを注文し、お互いに無言で食べる。カニは人を無口にする。


そして、新鮮な刺身や黒むつの焼き物(写真)等にに舌鼓を打つ。

居心地のよい店内で、ゆっくりと日本海の幸を満喫する。

旅ならではの至福の時間。






大好きな青木湖の早朝の湖畔。一昨日、昨日と快晴だった。流石に今日は曇りのようだ。青木湖の湖面に爺ヶ岳(2670m)が写り、幽玄の世界を醸し出す。


「中房温泉」を目指し20キロ近い山道を走る。

登山口に近づくと登山客の違法駐車の多さに驚く。こんなにも登山客が多いとは…

「中房温泉」は、北アルプスの燕岳登山口の標高1460メートルに位置する秘湯の一軒宿で、36ヶ所の自家源泉数は日本一とも言われている。

以前は外来入浴はお断りだったが、昭和8年に登山者のために作られた売店を平成18年に改装して、立寄り湯として露天風呂の「湯原の湯」が開業した。


「湯原の湯」に入る。小さい露天風呂は「妙見の湯」、大きな露天風呂は「古事記の湯」という。

それぞれ異なる源泉から、ヌルヌル、ツルツルの単純硫黄泉が掛け流され、露天の湯船からは有明山などが眺められ、本当に気持ちが良い温泉だ。

■「中房温泉・湯原の湯」
・営業時間 9:00~16:00
・入浴料 700円



「中房温泉」から安曇野に降り、北アルプスを振り返る。稲穂は黄金色に実り、もう直ぐ信濃路に本格的な秋が到来する。


中央高速は、甲府から先の東京方面が大渋滞のため、甲府南I.Cで降りて河口湖経由で相模原に向う。

途中、信号待ちの道端に小さな社と彼岸花の組み合わせ。

ほっと、息を抜ける幸せな瞬間だ。

今回の2泊3日の小さな旅も、もうすぐ終りだな…
イサーンの大地走行2000キロプラス 小さな旅のアルバム