イサーンの大地走行2000キロプラス チャンパ遺跡への招待 INDEX
雁塔


雁塔はチュイホアの街を見下ろす、ニャン(雁)と呼ばれる丘の上に建っている

遺跡名
雁塔 (Thap Nhan)
様式 ビンディン遺跡群 (Binh Dinh)
創建年代 11世紀
場所 フーイエン省チュイホア町タプナン地区
入場料
配置図 「チャンパ王国の遺跡と文化」より
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概要 雁塔はチュイホアの街を見下ろす、ニャン(雁)と呼ばれる丘の上に建っている。二つの祠堂から構成されていたが小さい祠堂は破壊された。

雁塔の主祠堂は東を向いて建てられ、前房は消失している。身舎には五本の装飾のない柱形が見られ、屋蓋の各層には4つの隅尖塔があったが、今は北西の隅尖塔が残るのみ。

11世紀に建てられた雁塔は洗練された軽やかな全体構成、シンプル装飾モチーフで際立っており、傑出している。
行き方 ホイアンから1号線を走り、チュイホアの街に入り唯一の信号のある交差点を左折し、ニャンの丘の上に建てられている。
一口メモ 「ヴェトナム少数民族の神話・チャム族の口承文芸」(明石書店)によると、
…雁塔の起源を物語る説話では、1578年ベトナム軍の将軍梁文正は軍隊を率いてチャンパ征伐に赴いた。戦いが始まる間際になって、占城軍の将軍は「両者で塔を建てる競争をし先に建てた方を勝者とみなそう」と提案した。
梁文正はその提案を了承し、竹組みで塔を作らせて、その上から色のついた紙で糊付けして、たった一夜で塔を建造した。チャンパの軍は本物の塔を作ったので、戦争には負けたが雁塔として残ったという。

クイニョンから1号線で、チュイホア(Tuy Hoa)の市内に入る。

街の中心辺りの交差点に停まると、左手の丘の上の目指す雁塔(Thap Nhan)が見える。


丘の上を目指し急な階段を登る。


雁塔はチュイホアの街を見下ろす、ニャン(雁)と呼ばれる丘の上に建っている。


主祠堂の内部に入ると、おばさんが熱心にお祈りをささげていた。

運が良かったようだ、このおばさんはお祈りが済むと入口に鍵をかけて帰って行った。もう少し遅ければ、内部が見れなかった。

「ふうみん」の興味があるのは、飾られた現代の彫像ではない。その後の光背にあたる石だ。

シヴァ神あたりが彫られているのかな?と覗き込むが、削り取られたようで判然としない。


ヨニ(女性器)とその下の基壇部分には、たくさんのオッパイが彫られている。

チャンパ独得の表現方法だが、何かよく考えると、面白い。


主祠堂の内部の壁に立てかけられた「踊るウマー(シヴァ神の妻)」の彫られた鏡板。

この祠堂の崩れ去った前房の破風を飾る妻飾りだったのだろう。

ポーナガール(Po Nagar)遺跡の主祠堂前房の鏡板に似ている。


「ふうみん」たちが熱心に見学していると、地元の人が「何処から来たの?」と声を掛けてきた。

そして、デジカメのシャッターを押してくれた。


主祠堂から外れた場所に、たくさんの人形が飾られて、線香が焚かれていた。

堂内の彫像といい、この人形といい、ここに現在祀られているのは、仏教の神では無く、道教の神?みたいだな。


雁塔の屋蓋は三層建てで、四隅に尖塔を持つ軽快で洗練された塔だ。


雁塔の建っているニャンと呼ばれる丘の上にから、チュイホアの街並みを眺める。

右に見える川はダーラン川だ。遠くに見える河口あたりに、新しい橋の工事をしていた。


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