イサーンの大地走行2000キロプラス [ ワットプーへの招待 ]



 ワットプーの概要


ラオスの地図(チャンパサック地方)


ラオス南部のパクセからメコン沿いに南下するとチャンパサック地域がある。その名からもわかるように古来からチャム族の国チャンパ王国の領域だったが、5世紀頃にクメール族に取って代わられた。

クメール族の国を中国の史書の隋書は「真臘」と記す。やがて、「真臘」は支配を広げ7世紀には「扶南」を滅ぼし、カンボジア全域とイサーン南部を支配する。

チャンパサック地方に5世紀の碑文が出土している。この碑文によればデーヴァーニーカなる者が他の地方からこの地に来たり、この地のリンガパルヴァタ(リンガ山)のお陰で王位に就くことが出来たという。

…隋書「真臘伝」には「都の近くに陵伽鉢婆山(リンガパルヴァタ)あり、上には神の祠があり、5000人の兵士が守っている」と記されている。

チャンパサック地方のクメール族の揺籃の地にあるワットプーは、クメール歴代の王が寄進を続けていた。

クメール王国が衰退した後も、ラオスのラーンサーン王国により、この地は神聖な寺院として位置付けられていた。



世界遺産

チャンパサック県の文化的景観にあるワットプーと関連古代遺産群

国 名 ラオス
分 類 文化遺産
遺産名
(英語)
Vat Phou and Associated Ancient Settlements within the Champasak Cultural Landscape
登録年 2001年



ワットプー近くの古代都市遺跡

ワットプーの東側から、メコンにかけて古代の都市遺跡(地図参照・Ancient City)が埋蔵されているのがわかった。

この都市遺跡の発見は航空写 真によるもので、1990年代以後に本格的に調査が開始された。調査の結果、この遺跡は3世紀に遡るという。

その時代から、この地は「聖地」としての信仰を集めていたらしい。


世界遺産地域の地図


UNESCO Bangkok




ワットプー遺跡の配置図
@暁のテラス、A参道、B北宮殿、C南宮殿、Dナンディン宮殿、E歩廊、F十字型テラス
Gストゥーパのテラス、H本殿、I経蔵、J聖水、K象の岩、L鰐の岩、M蛇の岩





パクセからワットプー遺跡群へ




パクセ(Pakse)から国道13号線を南下し、メコンをフェリーで渡る。
そして、古都のチャンパサック(Chanpassak)を通り抜けると、ワットプー遺跡(Wat Phou)に着く。その先にナーンシーダ遺跡(Nang Sida)がある。
再び戻り、メコンをフェリーで渡り13号線を南下し、トモ遺跡(Thamo)に向う。





前日パクセに着き市内の中心にあるパクセホテルに宿泊した。

ワットプーへの手配はパクセホテルの旅行社でしようと思ったが、土曜日のため旅行社はクローズしていた。

仕方が無い。街の中の旅行社に行こうと歩いていると、トゥクトゥクの運転手が声を掛けて来た。

ワットプーと周辺遺跡を巡り、ガソリン代込みで40ドルと言う。しばし、検討しOKを出した。



昨日予約したトゥクトゥクに乗って、パクセからワットプー遺跡(Wat Phou)に13号線を走り向う。

日本の援助により、13号線は完全に舗装されている。



パクセから約40分、13号線を約30キロ走った地点を右折してメコンに向う。



メコンのフェリー乗り場に向う道を走る。

正面左の電信柱の横に聖山のプーカオ山(Phu Kao Mountain)が見える。

プーカオ山の山頂の自然岩がリンガの山(Lingaparvata)に見える。



メコン左岸のバーンモウン(Ban Mouang)のフェリーの渡し場に着く。

三艘の船の上に材木を置いたフェリーに乗船する。

フェリー乗船代、25000キップを支払う。



フェリーの運転手と乗客。




フェリーの航路地点のバンモウン付近でのメコンの川幅は1キロほどだ。写真中央のプーカオ山のリンガはワットプー遺跡の地域内からは見えない。



レンタルした韓国キア製のトラックのトゥクトゥクは、一見きれいだが中はボロイ。

助手席に乗ったら、中からドアのロックが開けられなかった。



フェリーは対岸のバーンパーピン(ban Phaphin)に着く。

このフェリーの運転手は上手に操船し、1回で見事に着岸した。…帰りのフェリーは着岸を何度もやり直した。



フェリーから、降車するのも一苦労だ。



バーンパーピンの道路は狭く悪い。



チャンパサックの街を抜ける。

ここは、かってのチャンパサック王国の中心が在った場所だ。

地名のチャンパサックからも分るように、チャム族のチャンパ王国が支配していたと言う。

そして、5世紀頃にクメール(真臘)が支配した。



チャンパサックのロータリーの傍にメコンに面して、なかなか洒落たレストラン(Champamay Restaurant)がある。



この時期、チャンパサック地方の稲は収穫期だ。



道端にワットプー遺跡の看板が出ていた。

もう直ぐだ!



歓迎ワットプー世界遺産のゲートをくぐる。

2001年、ラオスに2つ目の世界遺産として登録された。

ワットプーの世界遺産の名前は長い。

チャンパサック県の文化的景観にあるワットプーと関連古代遺産群(Vat Phou and Associated Ancient Settlements within the Champasak Cultural Landscape)




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