イサーンの大地走行2000キロプラス タイ(イサーン)のクメール遺跡
チョムプラサート Chom Prasat




チョムプラサート遺跡の正面と左手には小さな社





遺跡名
チョムプラサート Chom Prasat
場所 ラチャブリー
Ratchaburi

VR3W+PX Tha Pha, Ban Pong District, Ratchaburi
位置情報 13.856435, 99.847920
創建年代 バイヨン様式
Bayon Style
見学日 2019年12月
配置図



コメント

●概要…サコシナライ(SA Ko Si Narai)はクメール遺跡のバライで、今は公園として整備されている。この遺跡は、960×960メートルの正四角形の城塞都市で、メークローン川から運河がひかれていた。

遺跡の中央には、チョムプラサート(Chom Prasat)という祠堂が建っている。この遺跡は近くの製紙工場の中にあり、製紙工場の入り口で遺跡の見学を申し込む事ができる。

この、チョムプラサート遺跡は施療院である。クメール帝国最強の王ジャヤヴァルマン7世は領土内の整備の一環として、102ヶ所の施療院を各地に配置した。

施療院はArogayasala又はKuti Ruesi 、Kuti Rishi(サンスクリット語で仙人の小屋)と呼ばれる。

施療院は主祠堂、経蔵、塔門、周壁、バライからなる小規模の伽藍である。

伽藍は東面し、主軸上には塔門、主祠堂が位置し、塔門から低い周壁が周る。主祠堂と塔門の間には経蔵が配置され、伽藍の北東側にはラテライトで護岸されたバライが設けられている。

「施療院」の詳細な情報については
 を参照下さい。

●行き方…323号線沿いのSCG(サイアムセメントグループ)の製紙工場の中にある。

●一口メモ…サコシナライ遺跡の中心にあるチョムプラサートから出土した観音菩薩立像は、ラチャブリー国立博物館に展示されている。

イサーンの宿駅と施療院の分布図



写真
製紙工場の入り口 入り口の横の見学案内の看板
セキュリティの自転車の後についていく チョムプラサート遺跡の前
小さな祠堂への階段を登る この祠堂は新しく造られたものだ
遺跡の砂岩の石片が散乱していた 祠堂の裏側
サコシナライ町立博物館(Sa Kosi Narai Community Museum)
チョムプラサートから出土した、観音菩薩立像の
発掘現場の再現シーンのジオラマ
チョムプラサートの模型を見ると「施療院」だった
マレンポーさんのブログ(泰国の変なスポット)への投稿
2019年10月24日木曜日 18:44:00
Chom Prasat の見学レポートを楽しく拝見しました。製紙会社の入り口に遺跡見学の看板があるとは知りませんでした。私も12月に見学予定なのですがタイ語は全くできないので少し心配していましたが、看板もあり見学の要領もわかり安心しました。

この遺跡の Chom Prasat はクメール遺跡であり、下記の点で重要な遺跡と考えます。

クメールの王都アンコールトムから伸びる王道のルートは、全部で5街道が確認されています。その一つが、ロッブリーを経由してムアンシンに至るルートです。ジャヤヴァルマン7世により、王道沿いには宿駅(121ヶ所)や施療院(102ヶ所)が設けられました。その施療院の一つが Chom Prasat であり、王道のルートを解明する遺跡と思います。

また、発掘された石像は観音菩薩立像(ジャヤブッダマハーナータ像)で、ジャヤヴァルマン7世は23の神殿にジャヤブッダマハーナータを奉納したといいます。これまでにインドシナ半島の各地からこの像が18体見つかっており、その内の一体で歴史的に見ても重要なものだと思います。

2019年10月24日木曜日 21:31:00
ご指摘の通り、ロッブリ〜ムアンシン間の王道沿いに宿駅や施療院は皆無と言っていいですね。だからこそChom Prasatが重要と考えます。なお、この王道は一般的にAルートと呼ばれています。

イサーンのピマーイに続く王道はBルートと呼ばれ、宿駅や施療院の遺跡が数多く残されており、特に施療院は王道にかかわりな居場所にも沢山残されています。これは、一説によるとイサーン地方の治世が不安定のため、ジャヴァルマン7世が民衆の信頼るために意図的に施療院を建造したともいわれています。

その様な事がなかったAルートは、最初から施療院は少なかったのかもしれませんし、1431年のアンコール王国崩壊後、西方部分をシャムに占領されため石材の転用や破壊があったのかも知れません。また、Aルートの宿駅が残されていないのは、木造で建築された可能性が指摘されています。

こんな事を考えながらの遺跡巡りは、まさに歴史のロマンを感じますね。






イサーンの大地走行2000キロプラス タイ(イサーン)のクメール遺跡